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窓越しの空  作者:
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面接

 面接の時に着るスーツをクローゼットから出したり、面接の準備を始めた。

 白いシャツやストッキング……と探していてストッキングがない事に気が付いた。


 ストッキングって滅多に履かない……。

 急いでコンビニへ買いに行った。



 派遣会社へ書類を持って行ったり買い物へ行ったりとバタバタしてしまい、毎日撮っていた空の写真を撮り損ねていた。



 SNSにももちろんアクセスしていない。

 うちにいても週末に面接を受ける企業のホームページを見たりして予習までとはいかないが、少しでも知っておこうと知識を増やす事に時間を費やしていた。



 もし、面接に受かったとして2ヶ月間だけだが、この企業が望む人材でいれるだろうか……。

 期待もある分不安もある。


 私の中は面接の事で頭がいっぱいだった。



 気付けば面接の日になっていた。

 待ち合わせはその派遣先の隣のビルのコンビニ前。

 待ち合わせ場所に行くと、派遣会社の営業さんらしい人が到着していた。


 電話では話した事があっても実際に会うのは今日が初めてなのだ……。



「安堂さん?」


 すらっと背が高く身なりも完璧なその男の人は私を見つけてそう言った。



「あ! 安堂です。 木村さんですか?」



「営業の木村です! 今日はよろしくお願いします! さぁ、行きましょう!」



 木村さんはとても感じのいい人だった。

 けれど、今の私は初対面の木村さんと初対面な話をする余裕などなかった……。



 いよいよ、面接かぁ……。

 緊張するしドキドキする……。



「大丈夫ですよ。 リラックスしましょう!!」



 私の緊張が伝わったのか、木村さんは緊張がほぐれる様な言葉をかけてくれた。



「……はい……、頑張ります……!」



 口から胃が出てきそうな程緊張していたけれど、まぁそれも一つ経験だ……。

 そう思おう……。



 応接室に通された私と木村さんは、派遣先の部長さんと配属先の課長さんが来るのを待っていた。

 この緊張でいっぱいの空間で静かに待つこの状況は物凄く長い時間に感じた。


 しばらくすると面接も始まり、思った以上に淡々と進み、会社の説明や配属先での仕事内容を教えてもらったり、構えていた私は無意味なものになる程だった。


 面接もあっという間に終わり派遣先を出たところでようやく木村さんに話しかけた。



「面接ってもっとこちらからアピールするものだと思ってました……。 ほとんどお話聞いて終わりだったので、これでよかったんでしょうか……?」



 達成感のない私はこれでよかったのだろうか……と不安になった。



「大丈夫ですよ! 派遣の面接はいつもあんな感じです! 事前に安堂さんの履歴書の様なスキルリストはあちらにお渡ししてあるので、当日は人柄を見る事が多いです。 同じ様に他社さんから派遣社員としての面接があれば、その方と比べて……になると思いますけど、今日の感じだと大丈夫なんじゃないかな……と思います。 また企業さんからご連絡があったら安堂さんにご連絡しますね」



 派遣社員の面接ってこんな感じなんだ……。

 そっかーー。

 でも無事終わってホッとしたなぁ……。



「安堂さん、やっと笑いましたね! 今日はゆっくり寝て下さい!」



 私は木村さんに見透かされている様だった。

 まぁ、営業さんだしこんな人を何人も見てきてわかっているのだろう……。

 木村さんの言葉が更に安心させる。



「やっと緊張から解かれた感じです! 今日はすぐ寝ます! ありがとうございました!」



 そう言ってそこで解散となった。


 私はスーツという事もありどこにも寄らずまっすぐに家へ帰った。

 家に着き、普段着に着替えてやっと落ち着くと急にお腹が空いてきた。

 冷蔵庫の中は何もないし、あったところで今日は何も作りたくない……。

 しかも今の時間は16時半を回ったところ。

 夜ごはんにしても少し早い……。


 まぁ、いいか……。

 早めの夜ごはんにして今日は早めに寝よう……。


 私はカップ麺を手に取りお湯を注ぐ。

 カップ麺ができるまでの時間、時間を潰そうとスマホを手に取った。


 いつものSNSにアクセスするとメールが何通か届いていた。


 そう言えば、スカイさんに返信したんだった……!!


 私はすっかり返信した事を忘れていた。

 慌ててメールを見てみる。



『そうなんです。 あのバルーンで分かりました。 お近くにお住まいだなんてびっくりです! yuuさんの写真やコメントはいつも穏やかですね。 yuuさんは何をされてる方なんですか?』



『yuuさん、最近、空の写真を上げてないですね? 何かありましたか? 何もないといいのですが……」



 私がどんな人かも分からないのに優しい言葉をかけてくれるスカイさんにありがたいと思った。

 でも、少し照れ臭いというか何というか……。


 人に優しくされるという事に私は慣れていないのだ。

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