表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
窓越しの空  作者:
15/100

恋愛ごっこ

 スカイさんとのメールでのやり取りはもう3ヶ月になる。

 あの時もうやめようと思ったSNSは今も続けて使っている。


 ほぼ毎日やり取りする中でスカイさんの事をいろいろ知っていった。


 独身なのは知っていたが結婚歴もないらしい。

 何年か前に付き合っていた人はいたが、その人と別れて以来、付き合った人はいないらしい。

 その人は幼馴染みみたいな人だと言っていた。


 両親も早くに他界し、きょうだいもいないらしく、今のアパートにずいぶん長く一人暮らしをしているらしい。


 今は、仕事と家の往復だけで、楽しみはこうして私とSNSを通して話す事と言っていた。


 最初にSNSで私の投稿を見た時、何だかコメントを残したくなったと言っていた。

 優しさや温かさを感じ、自分が一瞬にして和んだのがわかったからという理由だった。

 同僚の人がしていたSNSに自分も何となく使い始め見るだけだったのに、会った事もない、会うはずもない人が投稿したその写真と一言に、自分がコメントを残そうと初めて思ったそうだ。



 『急にそんな衝動に駆られた。 yuuさんがそうさせたんだよ。』



 メールでのやり取りだったが、私はいつも癒され、ドキドキされられていた。


 恋愛ごっこと言えばそうなのかも知れない。


 メールだけで相手の全てがわかる訳がない。

 けれど、スカイさんの事をもっと知りたいと思う自分が確かに存在する。

 それは紛れもない事実だった。


 スカイさんとやり取りをしていて分かった事がある。

 スカイさんの仕事は2交替制だった。

 今まで何も考えずにやり取りをしていた。

 朝だったり、仕事の休み時間だったり、うちに帰ってから、夜中まで……。

 自分のやり取りをできる時間にメールを送ったりしていて、スカイさんも普通に返してくれていた。


 本当は夜勤の日もあっただろうし、今、寝ときたいっていう時だってあったかも知れない。


 私は全く気付いてなかった。

 スカイさんは自然とやり取りをしてくれていてわからなかった。


 それを聞いた時、今まで無理してたんだろうな……、リスクしかない私になぜこんなにまで興味を持ってくれたんだろう……、会いたいと思ってくれたんだろう……と、スカイさんを愛おしく思ってしまった。



 『どうして言ってくれなかったの?』



 そう聞くと、寝るより何よりも私と話したかった、私との時間が大切だから、と、そう言ってくれた。



 愛おしい。


 その気持ちを思うがままに口に出す事はできない。

 私の立場はスカイさんに釣り合うものではない……。


 わかっている……。



 でも今は、どうする事もできなかった。

 スカイさんとの時間を無くす事を想像できなかった。

 それくらい、私も大切にしていたのだ。



 夫が出張から帰った日は、いつもの様にメールはできない。

 スマホを気になりながらも、夫との普段通りの生活をし、いつもより早く寝室に入ってスカイさんとのメールのやり取りを楽しむ。


 そんな日を過ごしていた。



 いつまでこんな事を続けるんだろう……。

 今は楽しい。

 楽しいしかない。

 ドキドキもする。

 ほんとに恋ってこんな感じだったよね、と思い出す様な感覚……。


 スカイさんの言葉で癒されるし、そんな事言われたら、もっと本気になってしまいそうと、自分の気持ちにブレーキをかける事もある。



 私は結婚している。

 スカイさんにだってまだまだこれからの歩むべき未来がある。


 これからをどうするか、どう離れるべきなのか考えなきゃいけないのに考えたくないと自分が拒否している。


 わがままな自分に嫌になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ