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窓越しの空  作者:
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さよなら

 スカイさんのメールの事が気になり一睡も出来なかった。


 手に届くすぐそこにあるスマホに手を伸ばす事もできず、ただスカイさんとのやり取りを思い出していた。



 夫は隣で熟睡しているけれど、スマホを手に取る勇気は私にはなかった。



 どうすればいいんだろう……。

 肝心の私はどう思っているんだろう……。

 自問自答を繰り返し朝を迎えた。



 いつもと同じ時間の流れるリビングは少し肌寒く、私は温かいお茶をいれてゆっくりとソファに座った。


 カーテンを開けたその向こうの空は今日もお天気で少しずつ太陽が昇り始め明るく照らし始めていた。


 今日はいつもより少し早く起きてしまったけど、ゆっくりと空の変化を見ながらお茶を飲むのも悪くない、いつもと違う事をするのもいいものなんだなと、寝不足でぼんやりする頭には心地のいい時間を過ごしていた。




「ユウ、おはよう。 今日早いね。 ……あれ? ごはんは?」



「え? おはよう。 え! こんな時間! ごめん! すぐ支度する!」



「どうしたの……?」



「ごめん! ぼーーっとしてたらごはん作るの忘れてた!」



 私は急いでごはんを作って、夫もロスした時間を取り戻すかの様にいつもより急いで仕事に出て行った。



 疲れた……。



 次は私が支度する番だ。

 私もいつもより遅れている。

 急がないと私も仕事に遅刻してしまう!


 急いで片付けをして家を出た。



 私は昨日のミスもある中で寝不足で仕事をしている事にいつも以上に集中していた。

 午前中の仕事がこんなにも早く感じる事はなかったが、お昼休憩に一気に気が抜けたのがわかった。


 お弁当を食べ一息ついて、スマホを手に取った。


 朝のバタバタから解放されて、スカイさんのメールを思い出した。


 昨日一睡もできない程気にしていたのに、今日の朝からのバタバタでそのメールの事を思い出す間もなかった。



 もう一度SNSを開いてみる。

 昨日見たあのメール。


 やっと一息ついたのに今度はまたドキドキさせられる。


 スカイさんの事は嫌いではない。

 けれど、自分の立場を考えると踏み込んではいけない。

 スカイさんも私ではなく普通の恋愛をした方がいい。


 一緒にいるのもどこに行くのも隠さなくていい、普通の恋愛をして欲しい。



 私はこれを最後とスカイさんに返信した。




 『スカイさんはとてもいい人だと思います。 だからこそ、私ではなく結婚していない人がいいと思うし、普通の恋愛をして欲しいと思います。 スカイさんに幸せになって欲しいです。』



 これで終わり……。

 仕方ない事もある。

 私もそれはわかっている。

 仕方ない事、そこに留まるしかないのだ……。


 私はスマホを閉じ、午後からの仕事に戻った。



 今日から夫はまた出張でいない。

 私は仕事の帰りに夜ごはんを兼ねてカフェでお茶を飲んで帰る事にした。


 家に帰って作らなくていいし、お風呂入って寝るだけ。

 今までは家にいたからわざわざ夜ごはんの為に外に出るのは面倒だったけど、仕事を始めた今はついでになる。


 カフェには私みたいに一人の人も結構いて、各々でその一人時間を楽しんでいた。


 ボウルに入ったたくさんのサラダを食べながらイヤホンをして何かを聞いているいかにも仕事ができそうな女の人、カフェオレ片手に勉強をしている学生、読書をしている男の人……。


 ほんとにいろんな人がいろんな過ごし方をしていて、でも、みんな共通して言えるのがこの場所が必要な場所であるという事。


 仕事をしなければこの場所にも来る事はなかったし、こんな時間の過ごし方もある事を知る事はなかった。



 やっぱり環境を変える事は間違いじゃなかった。



 私もそこでゆっくり一人時間を過ごしてうちに帰った。

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