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窓越しの空  作者:
12/100

恋の駆け引き

 私は楽な方へと逃げて行く。

 スカイさんにメールを送った。


 今日あった会社での事を。


 返信を待っている間が待ち遠しい。

 私はスマホを握りしめ返信を待った。



 返信はすぐにきた。

 私は焦る気持ちを抑えつつそのメールを開いた。




 『そうだったんだね。 辛かった気持ちはわかるよ。 でも、誰にでもある事だから気にしなくていいと思うよ。 俺もそういう事あるよ。 明日からまた頑張ればいいじゃん! 大丈夫!』




 優しい言葉が綴られていた。

 何度も読み返し、悲しかった気持ちが癒されていく。



 『どうしてそんなにスカイさんは優しいの?』



 私は不思議でならなかった。

 空の写真だけで人を、その投稿した人の事をもっと知りたいと思うものなのか……。

 本当に素人が撮った空の写真。


 私は自然とスカイさんに聞かずにはいられなかった。




 『優しいというか、普通じゃない? yuuさんには丁寧だしいつもより優しいかも知れないね。 俺、嫌われたくないから……』




 恋の駆け引きの様なそんなメールに思えた。

 久しぶりに感じるこの感覚に戸惑いもあるが、恋愛をしていい頃を思い出した。


 夫にもこんな感覚を持って付き合った記憶がない……。

 ほんとに何となく付き合って、何となく結婚したんだろうな……。

 それが居心地の良さだと思って結婚したんだろう……。



 スカイさんがいう【嫌われたくないから】



 スカイさんはそう言った意味を本当にわかっているのだろうか……。


 私はその言葉をそのまま受け止めていいのだろうか……。



 騙されてない?

 喜んでいい訳はないよね……。



 私は心のどこかで騙されているのではないかと一枚フィルターをかけた。



 今までのそんなにたくさんはない恋愛を思い出していた。


 恋焦がれるなんてなかったな……。

 どこかクールで流れに任せて……みたいな恋愛しかなかったかも。


 思い出しているうちに、恋愛して悲しいとか辛いとかそんな思いをした事がなかった事に気付いた。


 去るものを追わなかったし、仕方ないよね、くらいにしか思わなかった。


 なぜこんなにまで恋愛に冷静にいられたんだろう……。


 自分は本当に恋愛をしていたのだろうかとさえ思ってしまう……。



 もう1通、スカイさんからメールが届いた。




 『yuuさんは俺の事をどう思ってますか?』




 フィルターをかけるのにはもう一つ理由がある。

 私が今以上、スカイさんに興味を持たない様に。




 『いい人、優しい人だと思いますよ。』




 私が返したその言葉が正解かどうかはわからない。

 葛藤はあるものの、ドキドキしているこの気持ちをそのまま表現する訳にもいかない。


 既婚者の私はその壁は超えてはいけない。

 超える事はできないのだ……。


 でも今日のスカイさんはちょっと違った。

 その返したメールにすぐ返信してきた。



 『yuuさんは俺の事が嫌い? 俺はもっと知りたい。 会いたい気持ちが日に日に大きくなる。』



 ドキドキが止まらなかった。

 既婚者の私にこんなにストレートに言ってくる?

 私自身もスカイさんに癒されているのはわかっていた。

 だからってしていい事と良くない事がある。


 そのメールを眺めていたら寝室のドアが開いた。



「ユウ、どうしたの? まだ寝てなかったの?」



 夫が入ってきた。

 私は内心焦りつつも気付かれない様にスマホの画面を消した。



「あ、うん……。 何か寝れなくて、ネットサーフィンしてたら、かわいいスカート見つけたから他にもあるかなっていろいろ探してた……。 もう寝なきゃね……」


 夫にうまく嘘がつけただろうか?

 それも気になったが、返信する事ができないスカイさんの最後のメールの方が気になって仕方がなかった。

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