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第4話 全体魔法乱発

翌日、『隕石内の調査(1層)』を受注した俺たちは早速隕石へと向かっていた。


「隕石って意外と遠いんだな」


列車に揺られていることもあってか見沼が眠そうに言う。隕石へは王国の中心から列車で約1時間かかる。あまり近いところにあっても困るが確かに遠い。


「兵士になれていれば専用飛行機であっという間なのにな」


兵士になりたかったがランク外スキルのせいで兵士になれなかったであろう天地はため息をこぼした。


そんな他愛もない話をしているうちに隕石へとたどり着いた。ちなみに桜は列車の発車時にはすでに寝ていた。


列車から降りて程なく隕石の入り口が見えてきた。隕石の入り口周辺には兵士の宿舎や冒険者用の宿屋、よろず屋などがあり、集落のようなものができている。この一帯は危険のないよう結界スキル保有者により交代で結界が張られている。当初隕石の入り口を塞ぐように結界を張ることも検討されたが、隕石の至近距離では結界が無効化されることが確認されたため実現はされていない。


結界内を通り過ぎて隕石の入り口にたどり着いた俺たちは早速隕石内に入る。


「楽しみだねー。ワクワクするよー。」

「俺はどっちかって言うと不安だけどな。やっぱり最初はクエストがよかったんじゃないか?」


見沼が心配そうな目で俺を見る。


「大丈夫だ。魔物を見つけたら声を掛けてくれ、俺が対処する。」


見沼が不安に思いながらしばらく進むと魔物の群れが遠方に見えたため、天地に報告した。


「前方に魔物の群れを見つけた。どうするんだ?」


「《全体魔法》ホーリーライト」

「《全体魔法》ホーリーライト」

「《全体魔法》ホーリーライト」


天地は見沼からの質問を無視して攻撃魔法を連発した。隕石内では崩落を避けるため、範囲魔法ではなく対象指定魔法を使った攻撃魔法が一般的である。しかし全体魔法は範囲魔法と異なり対象だけを狙うことができるので崩落を気にする必要がない。通常は苦戦するモンスター達も全体魔法の連発によりなす統べなく全滅した。


「卒業式の時も思ったけど、すげぇな。何で学校で使わなかったんだよ。使ってたら兵士にもなれたんじゃないか?」


「そうだよー。何で隠してるの?」


「言う必要はない。次行くぞ。」


二人からの質問を軽くあしらい進んでいく。その後も天地の全体魔法を利用して魔物を倒していった。隕石内の調査は指定された魔物の素材を一定数納品することで完了する。この日は納品分を差し引いても大量の素材を集めることができた。


「不安もあったが、結果を見ればその心配はいらなかったな」


見沼は目の前の素材とそれをいくらになるのか必死に計算している桜を見て言った。

余った魔物の素材はギルドやよろず屋で買い取ってもらうことができる。ギルドの方が高値で買い取ってくれるが、ギルドは王国にしかないため集落内のよろず屋で買い取ってもらうのが一般的だ。


気づけば時刻は夕刻。よろず屋に素材を買い取ってもらい金銭的に余裕のできた俺たちは空腹を満たすことにした。集落内は冒険者や兵士が多いこともあってかおしゃれなレストランより酒場が多いのだが、兵士や冒険者用のがっつりメニューなど、料理も充実している。俺たちはよろず屋の近くにある酒場「らうらう酒場」に入った。

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