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第2話 卒業

魔物の襲撃から一夜明けた。卒業式は一日延びて今日になったが、卒業式の間も昨日の不可解な回復魔法についての話題で持ちきりだった。そもそもあの魔法が対象指定魔法なのか範囲魔法なのかが分からず様々な憶測が飛び交っていた。


「なぁ、天地はどう思うよ」


「うーん、どうなんだろうな。俺にはそんな難しいことわかんねぇよ」


「相変わらずつまんねぇな、お前は。」


天地は全体魔法が原因で家族を亡くしており、それ以来全体魔法について秘匿するようになっている。


「では、校長先生から挨拶を賜ります。校長先生よろしくお願いします」


壇上では校長先生の長い話が始まるところだった。


「えー、皆さん。卒業おめでとう。皆さんはこれからこの国の兵士として働くか、または冒険者として働くことになろう。それぞれの個性、適性を活かしてこの世界の平和を取り戻してもらいたいと思っておる。ついては・・・」


この学校を卒業すると一部の成績優秀者については国の兵士として採用され、隕石内部の調査を行うこととなる。それ以外の者については冒険者としてギルドに登録されることとなる。


成績は各学科の成績と保有アビリティの内容によって判断されるが、各学科の成績より保有アビリティの内容が重視される傾向にある。例えば戦士科では、武術の評価が普通でも、アビリティのランクがSランクであれば成績優秀者に選ばれる。それほどアビリティは重量視されているのだ。


アビリティはSSSランクからEランクに区分けされており、現在生存しているSSSランク保有者はいないため、事実上SSランクが最高ランクとされる。そんな中俺のアビリティはというと・・・”ランク外”である。


俺のアビリティ≪レイド≫はある意味珍しいと言っていいだろう。唯一市販されているのだ。30万ゴールドほどするのだが、特定の紋様を体に刻むことでアビリティ保有者でなくとも使うことができる。市販されるということだけあって使い勝手が悪いわけではないのだが、誰でも使えるアビリティのためランクが設定されていないらしい。


そんなランク外のアビリティを持つ俺は当然のように冒険者コースである。むしろこのアビリティで中の中の成績なのだから頑張っている方だ。


「・・・であるからして、今日ここを飛び立つ諸君には心から期待をしている。以上だ。」


ようやく校長先生の話が終わったらしい。これでようやく卒業式が終わった。卒業式の後、冒険者になる者たちは皆ギルドへ冒険者登録をしに行き、卒業生同士でパーティを組むのが一般的だ。しかしながら、ランク外のアビリティを持つ俺と組んでくれる物好きがいるのか不安である。

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