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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
4章 魔王様と仲を深めるらしいですよ?
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49話 魔王様の四天王が大会に出るらしいですよ?

遅れてすみません!

 剣技披露大会……そう魔王様から聞いた時、何故か体が強張った。何故か……震えた。恐怖ではない……武者震いだ。僕は……この大会に出たことがある。頭ではなく、本能がそう言っていた。大会独特の緊張感、高揚感、恐怖感がこみ上げてくる。


「もうこんな時期か」


 僕が謎の感覚に襲われていると、背後から声が聞こえ、すぐに誰かがヒョイっと身を乗り出した。グンセオだ。グンセオは、剣技披露大会のポスターを見て、興味深そうに見てる。


「グンセオはこれに出るの?」

「あったりまえだ。この大会のために剣技を磨く者もいるくらいだからな」


 まぁ、一応は騎士らしいしなこのストーカー。僕も毎週2回ほどグンセオから剣技を教えてもらっている。その僕が保証出来る。グンセオは強い。ロズイルの時でもそうだが、グンセオの執念というか根性には目を見張る。


「お前は参加しないのか?」

「僕はいいよ。どうせ一回戦で負けるだろうし」


 いくらグンセオに剣技教えてもらっているからと言って、僕自身剣技がうまいかと言われたらNOと言うだろう。そもそも僕は高校生だ。ここに来る前までは、戦いとは無縁な平和な日本に暮らしていたのだ。身に付けられたとしても、せいぜい護身術ぐらいだろう。


「ま、お前ならそうだろうな」


 グンセオが肩を竦め、コツコツと足音を鳴らしながらどこかへ行ってしまった。


「本当に出ないんですか?」

「へ?そのつもりですけど……」


 何故か魔王様は意外そうな顔をしていた。何故だろう?僕が出ないのは意外でも何でもないはずだけど……。魔王様は一人で「うん……うん……」と一人で何かを納得して「分かりました」と微笑み、魔王様もどこかへ行ってしまった。本当になんだったんだろう……?


 そんな会話をした後、何気に廊下を歩いると、視線の先である物を捉えた。それは、中庭で一生懸命に剣を振っているグンセオだった。いつも全力で修練に励んでいるが、今はそれ以上だ。剣を振っているグンセオの姿は、上半身がはだけており、やたら綺麗な筋肉を汗が伝う。僕だって鍛えればあんな筋肉に……ならないか。


 ◇ ◇ ◇


 あれから数日が経ち、大会当日の日。今、僕達がいるのは、剣技披露大会の受付前だ。辺りを見渡すと、体がデカくやたら筋肉質な魔族や、人間に近い姿をしているが、尻尾や羽などが付いており人間ではないとはっきり分かる。

 グンセオはもちろん、どうやらガムイも出るらしい。まぁ、この二人は予想出来た。でも、意外だったのが……


「本当にでるの?メイゲルさん」

「えぇ、これでも多少は剣技も出来ますしね〜」


 メイゲルが短剣を指先で器用に回す。既に3人ともエントリーを済ませた。では何故、僕達がまだ帰らないかと言うと……


「ねぇグンセオ。本当にここに来るの?その人」

「あぁ、あいつなら絶対に来る」


 ◇ ◇ ◇


 事の始まりは昨日の夜の事だ。魔王様とリアスが買い物行くとかで、魔王城には誰もいなくなってしまうと聞き、僕はグンセオ達に着いて行くしかなかった。剣技は上達したとは思うけど、絶対に殺されないとは限らないしね。

 明日の剣技披露大会はどんな大会なのだろう……などと好奇心に想い馳せながら廊下を歩いていると、前方からグンセオが 歩いてきた。しかしその顔は、いつもよりも強張っていた。


「どうしたんだ?グンセオ」


 僕は何となく気になり、グンセオに声をかける。よく見たら、グンセオの右手には紙が握られており、相当怒りを感じたのか、その紙はボロボロになっている。


「……何でもねぇよ」


 ……グンセオの悪い癖だ。大切な事は何一つ話してくれない。僕がグンセオについて知っているのは、魔王様のストーカーと四天王いう事だけだ。あれ?ロクな事知ってないな。


「何でもないって事はないだろ」

「ちっ……お前には関係ないって事だよ」


 普段から強面なグンセオだが、今回は普段より顔が怖い。後口調も。それは、これ以上詮索するなと遠回しに言われているようで、僕はこの時は何も聞けなかった。


 ◇ ◇ ◇


 グンセオの事でモヤモヤしながら食堂で昼食を食べる。普段ならあまり気にしないはずのグンセオだが、今回はいつもよりも様子がおかしかった。それが、なんとなく気になっているのだ。


「はぁ……」

「どうしたの?ため息なんて付いて」

「おわっ!?……なんだメイゲルさんか」


 ボーッとしていた時に、背後から急に声をかけられ、変な声が出てしまった。……メイゲルなら何か知っているかもしれない……と僕は思った。何故かメイゲルは変な情報を持っている時あるし。


「さっきグンセオと廊下で会ったんですけど、なんか様子がおかしいなって思って」

「様子がおかしい?」

「はい。なんかいつもより悪人面というか、雰囲気がピリついているというか……」

「ん〜……なんでだろうね」


 どうやらメイゲルでも知らなそうだ。まぁそれなら仕方ないか……と思っていると、何か指先に魔力を溜め、それを円形の形にしたかと思ったら、その円形の側面に映像が流れた。


「これは……?」

「これは僕の使い魔が見た光景や記憶を映し出す鏡魔法。どうやら、丁度グンセオの事を観察していた使い魔がいたらしくてね〜」


 あぁ、だからグンセオが何かやらかした時迅速に動けていたんだ……と今更納得する。


「さぁ、グンセオの秘密が丸裸になるよ〜」


 何か楽しそうだ。それに、言い方に気をつけてほしいな……。そんな事を考えながら、鏡に映し出された映像を見た。……これがグンセオの様子がおかしかった理由……か。






お読みいただきありがとうございます!

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