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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
4章 魔王様と仲を深めるらしいですよ?
43/52

43話 魔王様の部下達が、“あの事”について聞いてくるらしいですよ?

これからは、バトルではなくラブコメ要素多めでいきます。頑張ります。

魔王様をロズイルの屋敷から連れ帰って数日の事、魔王様は僕の顔を見るや否や赤面し、全力で逃げるという行動を何回か繰り返していた、いや……まぁ、魔王様を助けるためとはいえ、あんな事をしちゃったしなぁ……。脳内で、魔王様と唇が重なる光景を浮かべては、恥ずかしさと罪悪感で死んでしまいたくなる。


「おい貴様」

「ん?」


背後から声をかけられて振り向くと、そこには顔をしかめているグンセオが立っていた。


「最近魔王様の様子がおかしいのだが……何か知ってるか?」


あえて質問する様に聞いてきてはいるが、この顔は断定しているな。うん。僕がさっと目を逸らすと、更に顔をしかめる。


「誰もいない所で赤面して悶絶したり、意味深に唇に触れて幸せそうにしているのだがーー」


キッとグンセオの目が険しくなる。まるで獲物を狙う獣みたいだ。噛み殺されそうだな……。


「な・に・か!知らないか」


これはあれだ。逃げるが勝ちだ。そう思い、脇目も振らずその場から逃走した。背後から「おい!待て!」という声が聞こえるが、僕には何も聞こえない。聞きたくない。しばらく走りグンセオを撒く。しつこい奴だった。


「あっ、菜糸様……」

「リルムじゃないか」


すると、次は前方から本を抱えたリルムに会った。リルムが持っている本が何なのか気になるが、どうせ自分には理解できない本だろうと直ぐに興味が失せる。しかし、リルムは何故か僕の顔を凝視して動かない。え?何?


「どうかした?」

「あ、いえ……」


リルムはそう言うと、俯きながら僕の横を通り過ぎていく。すれ違うときに、「魔王様だけずるい……」と聞こえたのは、僕の空耳だろう。そうに違いない。お昼時、腹が空いてきたので、食堂に足を踏み入れる。何やら香ばしい匂いが漂ってくる。メニューを見ると、どうやら今日はトンカツらしい。だからこんな香ばしい匂いがしたのかと納得する。トンカツ一品を頼み、食堂の長机に座ると、そこには丼が3つ重なって、4つ目を凄まじい勢いで口に流し込んでいるガムイがいた。トンカツを食べ終わったのか、丼を顔から離し、ようやく僕の存在に気づく。


「おぉ!アンちゃんやないか!」


そう言い、ガハハっと笑う。やはり、体格にでかいガムイは迫力がある。その場で立っているだけで殆どの魔物や人間が怯えるから、何かあった時には頼りになりそうだな。てか、どんだけ食べるんだよ……。


「しかし、アンちゃんもやりおるのぉ〜」

「な、何の話?」


ガムイがニヤニヤしながらこちらを見てくる。なんていくか、ウザい。親戚でよく絡んでくるおじさんみたいな印象を受けた。まぁ、ガムイが僕の世界にいたら、間違いなくそのポジションにいただろうと確信した。僕がトンカツを食べている時に、ガムイは食器を片付ける。食器を運ぶ時に「もっと頑張れよ」と言ってた。


トンカツを食べ終え、食器を片付け食堂を出ると、リアスが壁に寄りかかってた。悪女キャラみたいなイメージだ。本人に言ったら怒られそうだけど。


「はーい、菜糸さん」

「どうしたんだ?」


リアスが僕に声をかけてくるなんて珍しいな。てか、こんなにちゃんと話すのって初めてなんじゃないか?今まで色々ありすぎて話す暇がなかったてのがあるけど。


「菜糸さんって、魔王様に何かした?」

「うっ……」


またこの話か。ここの連中、この話大好きか!リアスは微笑みながら、しかし何かを探るようの僕を見てくる。


「例えば……魔王様とキスーーとか?」

「ーー!」


くっ!これが女の勘というやつか!?いや、これはもはや超能力と呼んでもいいのではないだろうか。『キス』という単語に思わず呼吸が詰まる。そんな様子の僕を見て、リアスは目を細める。


「ふふふっ、まさか菜糸さんがそんな積極的なんてねぇ。私、見るのが楽しくなっちゃうわ」

「いやっ、あれはだなぁ……」


魔王様の殺気を忘れさせるためにやった事ではあるが、魔王様の始めて(ファーストキス)を奪ったのはまぎれもない事実。その事に何度自己嫌悪した事か……。リアスは、焦っている僕を楽しそうに見ている。こっちの気も知らないで……。


「まっ、魔王様が嬉しそうならいいんだけどさぁ」


今まで僕をいじるような発言をしていたが、急に空気が変わった。


「魔王様を泣かせたら……殺すわよ?」

「っ……!?」


リアスのその目は、本当に殺気が混ざっていた。怖ぇぇ……。背中にぞくりと冷たいものが走る。この瞬間、魔王様を絶対泣かせないと心に誓った。


「今後進展するのを楽しみに見ているわね〜」


先ほどの殺気が嘘のように消えていた。リアスも、いつもの笑顔で手を振り、食堂へ入っていく。まだ、僕の足はリアスの殺気により震えていた。


自室に戻ろうと、震えている足を無理矢理動かして歩く。そして、曲がり角があり曲がろうとしたらーー


「あっ」

「えっ」


魔王様と鉢合わせした。急な事に一瞬思考停止する。魔王様を見ると、目を見開き、顔を真っ赤にして口をパクパクしている。わぁ、金魚見たい……等と軽く現実逃避をしていると、魔王様は回れ右をして、全力で戻っていた。……これどうしよう。





お読みいただき、ありがとうございます!

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