41話 魔王様の四天王が立ち上がるらしいですよ?
遅れてすみません!
天井を埋め尽くすほどの赤い目は、ロズイルをじっと見つめている。ざっと数えても40……いや50匹はいるかと思うほどの多さだ。ロズイルはその視線の圧に身動ぐ。
「何だよこれ……!!」
圧に耐え切れずにロズイルが大声を出す。無理もない。無数の目が、自分に敵意を向けているのだから。ロズイルもその目も警戒しあい、お互いに動かない。しかし、次の瞬間この状況が動いた。
「私の可愛い使い魔達……!さぁ!飛び狂いなさい!!」
色っぽい声音がそう言い放つと、その声を合図に一斉に羽ばたき音が聞こえる。そして、ロズイルの周りに飛び回り、視界や自由を奪う。そして、その目の正体がコウモリのものだと気づく。コウモリを自在に操れるのって……まさか!
「まったく……私の体を傷物にしてくれちゃって……」
「リアス……!?大丈夫なの!?」
リアスは何もないように、こちらにスタスタと歩いて来る。あれ?体を撃ち抜かれていたはずでは……?
「お前……!?何故だ!?確かに体を貫いた筈だ……!!」
「私はね?ヴァンパイアなの。不死身だから、どこを撃ち抜かれようと、関係ないのよね〜」
それを聞き、ロズイルは思い切り顔を歪めた。それはそうだ、殺したと思っていた人物が2人が生きてたのだから。でも、僕はメイゲルも生きているのを確認している。あと残るのは……
ドゴォン!!
そして、何処からか大きな爆発音が聞こえた。全員ビクッと音に反応したが、煙により辺りが見えなく、原因が分からない以上、即座に意識を切り替える。だがその瞬間ーー
「使い魔達!!避けなさい!!」
「は?グベッ!?」
リアスの声と共にコウモリはロズイルから離れ、代わりに大きな瓦礫の石がロズイルに飛んでいき直撃した。よく分からない声を出しながら、後方へ数メートル飛んでいく。これだけでも、どれだけの威力で直撃したのかよく分かる。
「クリーンヒットってやつだな!はははっ!!」
大笑いしてる男の声が聞こえる。この声は聞き覚えのある声だ。どうやら先程爆発は、この男が壁を殴り壊した音だったようだ。その証拠に、靄で真っ暗のはずの空間にうっすらと光が差している。
「ちょっと!!私の使い魔まで潰される所だったじゃない!!」
「お?それは悪かったな!はははっ!」
靄の中から姿を現したのは、体に穴が空いているにも関わらず、堂々と佇んでいるガムイだった。
「立っていて大丈夫何ですか……!?」
「お?こんな穴、何ともないわ!」
そう言って、僕の頭をガシガシと撫でる。痛い痛いやめてやめて。そして、ガムイは僕の頭から手を離すと、床でぐったりしているグンセオに目を向けた。
「おいおいグンセオ。こんな事でやられてんなよ」
腰を屈め、ガムイはグンセオへと語りかける。いやいやガムイさん……いくらグンセオがしぶといからって、それで立ち上がるなんて……
「やられてなんか……いねぇ……よ……」
まじか……。もしかしてグンセオはゴキ◯リの仲間なのでは……等とくだらない事を考える。でもこれで、四天王全員生存確認出来た。よかった……。
「ぐっ……ぁ……!!このクズ共がぁ……!!黙って死んどけば良いものを……!!」
ロズイルが瓦礫が直撃した横腹を抑え、ゆたりと起き上がる。ロズイルの顔は憎悪に歪められ、目は血走っていた。もはやこいつは、僕達が知っているロズイルではないと、ここにいる全員が思った。
「お前だけは……俺が……この手で……!!」
グンセオは剣を杖のようのして、ゆらりと立ち上がる。立ち上がると、穴を開けられた場所から血がドバドバッと吹き出る。尋常じゃない血の量に一瞬手を貸そうかと思ったが、グンセオに睨まれ、余計なお世話だと気づく。僕は黙って見ていた方がーー
「ぐはっ……!?がはっ……!?」
グンセオはむせ返り、口から血が吐き出される。瞳も虚ろで、誰が見てもグンセオは戦えるような状況ではない。このまま戦わせて良いのか……?僕の中で不安が膨れ上がっていく。
「本当にグンセオを戦わせるの……!?」
僕はガムイとリアスに問い詰める。リアスは目を伏せて、苦しそうに目をそらしている。ガムイはグンセオから片時も目を離さず、グンセオの行動をじっと見守る。
「はははっ!!そんな体で私に勝てるか!!」
ロズイルは大笑いして、掌に黒い魔力を集中させる。今のグンセオにはこの魔力弾を避ける体力は残されていない。もし食らえば、ただでさえ重傷を負っているグンセオは最悪……
「っ……!!」
「菜糸君!?待ってっ!?」
「待て!?」
僕は無粋と分かりながらも、グンセオを抱え込み、魔法弾の射程内から外へ連れ出す。グンセオは僕の行動に驚き、理解した途端「離せ!!」と僕の腕から逃れようとする。あぁ!!もう!!
「今お前が死んだら、悲しむのは誰だか分かってんのか!?もっと自分の事をもっと考えろ!!お前が守りたい人は、お前が死ぬのを望んでいるのか!?自分のために、命を懸けてもらうのを望んでいると思っているのか!?」
「っ……!?」
その時、グンセオの目つきが変わった気がした。
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