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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
3章 魔王様の婚約者登場するようですよ?
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36話 魔王様は決めるらしいですよ?

「んっ……?ここは……?」


僕達が動けない状況だった時、魔王様が瞳をゆっくり開いた。どうやら今の現状を理解できないらしく、戸惑いの表情を浮かべている。


「おや、魔王様。お目覚目になられて良かったです」


ロズイルがぬけぬけとそんな事を魔王様に聞いていた。その様子に怒りを覚えるが、未だ魔王様が危険な状態なのは変わりないから、突撃するわけにはいかない。


「っ……!壊れない……!」

「無駄ですよ。その鎖はあらゆる力を無力化する力があります。魔王様の魔力と力は何かと危険ですからね。今の魔王様は、そこらの人間と同等くらいですかね」

「こんな物……!んーー!」


魔王様は腕に力を入れ、なんとか鎖を壊そうとしているが、ただガチャガチャ言っているだけで、全然壊れそうもない。それよりも、力を入れている魔王様が可愛すぎてつらい。そんな事を言ってる場合じゃない。


「さて、そろそろ結婚式の時間ですね……。招待客の皆様は、誰一人欠ける事なくご出席、誠の感謝いたします」


ロズイルは胸に手を当て、ゆっくりお辞儀をする。そもそも僕らは、結婚式を祝いに来たわけではない。結婚式をぶち壊しに来たのだ。そして、魔王様を助けるために。


「では、婚約指輪の交換といきましょうか」


ロズイルがそう言いながら、胸ポケットから無駄に高そうな箱を取り出し、パカっと音を立てて開く。箱の中には、とても派手な装飾が施されている指輪が入っていた。


「魔王様は急な事だったので、後日で構いませんので」


そう言いながら、鎖で動けない魔王様の手をとり、指輪をはめようとする。


「いやっ……!」


魔王様は顔を歪ませ、全力で抵抗するが、力も魔力も使えない今、それは無駄と言っていい。ロズイルの持った指輪が魔王様の指に嵌めようとした瞬間ーー


「っ……!?なんだ!?」


一匹のコウモリが、指輪を奪い取り、僕達の方へ飛んで来た。コウモリが自分でしたとは考えられない。だとしたら、コウモリを従えて、こんな事が出来るのは、僕が知る中でただ一人だけだ。


「女の子が嫌がっているのに、無理矢理嵌めようなんて……クズがやる事よ?まぁ、魔王様を誰にもあげる気も無いですけどね」


視線が痛いですリアスさん……。ロズイルは指輪を奪われた事に対し、初めてイラついた表情をした。平静を装っているが、自分の結婚式を邪魔されたんだ。内心穏やかでは無いだろう。


「これはこれは……。ダメじゃないですか、観客が主役の邪魔をしたら……」

「どこに主役なんているのかしら?私達は、演劇会を見にきたんじゃないわよ?そもそも、私達誰一人、この結婚式なんて認めてはいないので、そこは誤解なさらぬよう」


ロズイルの言葉に、リアスが煽るようの返す。ロズイルとリアスが数秒間見つめ合いーー、ロズイルがふっと口を釣り上げた。それは、僕達が幻影の術を破った時と同じ笑み。……何かくる。何故か、そんな感じがした。


「私達の結婚式の邪魔をするなら……」


ロズイルはそっと腕を前に出す。僕達は瞬時に警戒し、何が来ても大丈夫なように身構える。しかし、それは何も意味を成さなかった。否、成せなかった。


「グラビティ」

「ぐっ……!?」


急に体が重くなり、地面へと叩きつけられる。起き上がろうとしても、全然体が動かない。まるで、見えない何かに圧迫されているような……そんな感じだ。


「これ……はっ……、いったい……!?」


かろうじて、剣を使い、地面に伏すような状態は避けられたグンセオだが、やはり立ち上がれないでいる。剣もカチカチっと細かく震え、いつ折れてもおかしくない。他の四天王も体を動かせずに、地面に伏している。


「皆……!!」


魔王様が苦しそうな僕達を見て、泣きそうな顔になる。鎖をガンガンっと打ち壊そうとする。手首には、その反動なのか赤黒く変色している。


「魔王様、おやめください。それでは貴女の綺麗な肌に傷がついてしまいます」

「貴方みたいな人と結婚するくらいなら、この腕を切り落としてでもお断りするわ!!」


早く皆の元へ駆け寄り安否を確認したいのをグッと堪え、ロズイルを睨みつける。するとロズイルは、ガッと魔王様の腕を掴み、壁に押し当てた。その時のロズイルの表情は、怒りだけが爆発していた。


「この状況が分かってないみたいですね……!!貴方の命は今!私が握っているといっても過言ではありません……!」

「そんな事……!」


そんな事でと言い返そうとしたら、ロズイルは僕達をチラリと見てーー


「もちろん、あいつらもですよ?」

「っ……!?」


それは、魔王様にとって、自分の命よりも優先する事……僕達全員だ。僕達にとっては魔王様は人質dっし、魔王様からしても、僕達は人質なのだ。お互いを人質にするなんて……。ロズイルの性格がにじみ出いている。


「さて、どうしますか?もし、魔王様が結婚してくださるのであれば、こいつらの命は助けましょう」

「ーー!!」

「魔王……様……。ダメ……です……。そいつの言う事……聞いちゃ……!!」


そう、ロズイルと結婚しても、僕達が殺されない保証など何もない。本当なら、そんなの考えるまでもないが……


「分かり……ました……」

「ーー!!」


命よりも大切な僕達を人質に取られてしまった以上、殺されないために、少しの可能性を信じるしかないのだ。








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