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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
3章 魔王様の婚約者登場するようですよ?
32/52

32話 魔王様(女)の場所へは、まだありそうですよ?

遅れてすみません!!

階段を上ると、ロビー程ではないが、広い空間があった。コロシアムを思わせる円型の部屋で、物が1つも置いていない。城には相応しくない空間に、嫌な予感が芽生える。


「向こうに階段があるぞ」


グンセオが指差す方を見ると、僕達がいる場所の真反対に、次の階へ行く階段が見えた。よくあんなに離れている場所が見えるな……なんて感動している間にも、皆は歩き出していた。顔には出していないが、ここにいる全員、魔王様の事が心配している。


(僕も同じだ……!)


短い時間であるが、魔王様の事は大切に思っている。自分では、皆にこの気持ちでは負けていないと自負している。僕は、色々な気持ちを込めて一歩前に出た。


「やぁ」

「…………」


後ろから声をかけられ振り向くと、金髪爽やかイケメンが、手首を少し上げ立っていた。この時の僕は、あまりにも急な事だったので、正常な判断が出来なくなっていたのかもしれない。だって僕がこの時とった行動は……


「行くか」

「あれ!?まさかの無視!?」


スルーした。咄嗟のことで、危機感とか欠如していたんだと思う。爽やかイケメンは僕の反応が予想外だったのか、勢いよくツッコミをする。なかなか良いツッコミだ。見所がある。


「って、あれ?ス、スミレちゃん!?何でこんな所に!?」


内心感心していると、爽やかイケメンが未だに僕の腕にしがみ付いている女の子の一人、先程ロビーにいた弓の女の子を見て、傍目からでも分かるくらい動揺した。どうやらこの子はスミレという名らしい。


「…………」

「えっと……?『私を救ってくれた恩人だから付いてきている』!?何してんのさ!?」


何でコイツ、この子の言いたい事理解できてんの?この子、一言も喋っていないよ?そんな疑念の視線すら気づいていないのか、無言の少女と現在進行形で話をしている。


「…………(ジ〜……)

「ん?どうしたリルム?」


先程からリルムが、僕をじっと睨んでくる。僕の問いにも答えず、ひたすら僕をじ〜……と見つめている。な、何事……?


「私では菜糸様と無言で対話はできませんか……」

「当たり前だろ!」


どこで張り合っているんだよ!?僕にそんな超能力は持ち合わせていない。斉木◯雄じゃあるまいし。そんな茶番をしている間に、二人の話し合いは終わったらしい。ん?なんか爽やかイケメンがプルプルと震え出した。なんか爽やかイケメンって長いから、爽イケでいいや。よかったな。2代目グンセオだ。


「お、おのれ!!よくも私のスミレを惑わしたな!?」

「……は?」


突然の言い草に、僕達は呆気に取られる。そんな僕達を置いて、スミレは爽イケに近づき、ちょんちょんと裾をつつく。そして、爽イケと無言で見つめ合う。


「え?『あの人達を傷つけないで』?なんでだよ!?あいつらは、君を惑わして……!?」

「スミレ……?」


爽イケが言葉を言い終わる前に、ある変化が起きた。それは、男子なら誰でも動揺する事……。それはーー


「………(ポロポロ)」


スミレが大粒の涙を流したのだ。それは、この空間にいた者全てを動揺させ、爽イケの思考を停止させるという絶大な効果を発揮した。もちろん僕も、どうして良いかオロオロしているなう。


「ワタシハ……スミレヲ……ナ……ナカ……ナカセ……」


爽イケは、まるで故障したロボットのようになっている。スミレの涙恐るべし……。当の本人は、自覚していないのか首をクリンっと傾げている。無自覚ほど恐ろしいものはない。


「よし、あいつがバグっている間に、とっとと行くぞ!」


グンセオがそう言い、その言葉を合図に皆が階段を目指す。スミレもトテトテっと、僕達に近づき、当たり前のように僕の腕にしがみつく。何これ恥ずかしい。リルムも負けるかと言わんばかりに、ギュッと僕の腕にしがみつく。


「ま……待て……!!」

「!!」


声が聞こえた方を見ると、少しやつれてはいるが、バグから直った爽イケが立っていた。しかし、その立ち姿は先程と同じではない。明確な“殺意“が感じられた。肌がチリチリと痛み、足が竦んでしまっている。


「この先は、絶対に行かせられない……!」


そう言った瞬間、僕の目の前に爽イケの姿があった。その手には、偽物とは到底思えない程ギラついた刀身が見える剣を構えていた。その刀身が、僕の首にめがけて向かってくる。そして、僕の首が、いとも簡単に吹き飛んだ。


ガキーンッ!!


そんな未来は、これがなかったら現実になっていただろう。僕の首に向かってきた刀身が、グンセオの剣と鍔迫り合いになっていた。刀身同士が擦れる度に、火花がバチバチっと飛び散る。


「コイツ……マジで殺すつもりだったな……!!」

「…………」


先程の爽やかな顔はもはやなく、その顔は目の前の敵を排除する剣士の顔になっていた。爽イケは、このままでは埒があかないと思ったのか、一旦引いた。そこで、またもや爽やかな顔になり、ニコッと笑った。


「まだ、私の名前を名乗っておりませんでしたね……」


爽イケはそう言うと、優雅に一礼してこう告げた。


「私はロズイル様の四天王の一人……フィルンと申します。貴方達の命、貰い受けますね」


爽やかな笑顔で、とても冷酷な事を告げた。

最近iPadの充電の減りがひどくて、まともに執筆が出来ていません。活動報告にもあるように、更新速度が減ると思いますが、今後もよろしくお願いします!


お読みいただいて、ありがとうございます!

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