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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
3章 魔王様の婚約者登場するようですよ?
31/52

31話 魔王様(女)の奪還を助けてくれる人が現れたらしいですよ?

遅れてすみません!

「……………」


今、僕達は魔王様を助けるために、長く薄暗い廊下を歩いている。もちろんデタラメに歩いているわけではない。え?じゃあ、どうやって歩いているかって?僕の腕に抱きついている先程の女の子に連れられてだ。無言で指を指して、僕らをちゃんと案内してくれている。その証拠に、どんどん上に登っていっている。だって、ボスキャラって最上階にいるもんでしょ?


「あの二人とも……そろそろ離してーー」


「「…………」」


さらに腕が締まった。左腕に弓の女の子、右腕にリルムという何とも言えない状況になっています。


「どうしてこうなった……」


……事の始まりは数十分前の事……


◇ ◇ ◇


「つーかさ、どうすんだよ?どう考えたって、話聞けそうにないぞ?」

「う〜ん……」


少し考える。この子から攻撃を受けた時から、少し違和感があった。まるで、僕に攻撃を当てないつもりかのように、矢が僕に当たらないギリギリを狙っている……ように思える。


「まず、僕が行きます」


僕が言い出したのだから、僕から行くのが筋だろう。多分大丈夫だろう……そんな軽い考えで女の子に近づいた。


「やぁ、こんにちは!少し話を……」


僕の頬を掠めて、後ろの壁に矢が刺さった。


「作戦会議ターイム!!」


身の危険を感じて、そそくさにグンセオ達の元に戻る。グンセオ達は、呆れた顔で僕を見ていた。こればかりは、仕方ないじゃないか……!


「全然ダメじゃねーか!!」

「そんな筈がないんだけどな〜……」


しかし、実際に僕は殺されかけた。あれは、確実に僕を殺すつもりだったよ……。


「やっぱ、聞き出すなんて出来っこねぇ……。時間の無駄だ!」

「ちょっと待てって!」


僕は殺されかけた。でも、僕は彼女の体についていた傷跡が、どうしても忘れられなかった。出来るなら、助けてあげたい。でも、その方法が……


「……菜糸様は、あの子の傷が気になるんですよね?」

「え?あぁ、まぁ……うん」


リルムがジト目で僕を睨んでくる。頬を少し膨らませており、少し不機嫌……というより、拗ねているのが分かる。てか、本当に頬を膨らませる人いるんだな〜……と、場違いにも考えてしまった。


「……ああいう子って、誰かに優しくされると嬉しくなるんですよねぇ〜」

「……!」


リルムは小さくため息をつき、誰でも分かるような棒読みでそう言った。拗ねている理由は分からないが、どうにか話を出来るまでの状況は作り出せそうだ。


「はぁ……、私って結構甘いよなぁ……」


リルムがが小さくボソッと呟いたが、その声は僕には届かなかった。


「おいっ!?お前、何しているんだ!?」


僕は、リルムの助言で何するべきか分かったような気がする。ゆっくりと女の子に近づく。女の子は、警戒したように弓を構え、僕を狙っている。でも、もう逃げない。


「…………!?」


女の子が放った矢は、僕のすぐ側を通って行った。恐らく女の子は、僕が避ける事を見越して矢を放ったのだろう。でも、全く避ける素ぶりを見せない僕に、驚きの表情を隠しきれていない。


「…………!」


一歩、また一歩と女の子に近づく。ストーカーのような気分になるが、今は気にしている余裕はない。僕が近づく度に、女の子は警戒の色を強めていった。しかし、その警戒している顔には、少しの恐怖が見え隠れしていた。だから僕は……


「大丈夫だから……」

「…………!」


女の子の頭を優しく撫でた。いきなり抱きしめるなんて出来ないけど、出来るだけ女の子を慰める。まるで母のような気持ちになる。


「…………」


すると、女の子は静かに涙を流す。多分、今まで酷い目にあってきたのだろう。なら、もういいではないか。もう、幸せになっても、いいではないか。女の子にはもはや、戦意はなく、弓矢も手から離れていた。


「……この子、どうしようか……」


このまま、この場に放置なんて出来るわけない。かといって、一緒に行ってくれるかどうか……等と色々考えていると、リアスが声をかけてきた。


「私の魔法で、魔王城に転移させてあげよっか?もちろん客人として扱うようにするわよ?」

「うん、その方がいいね」


リアスが彼女を転移させようと、彼女に近づくと、彼女は何を思ったのか僕の腕に抱きついてきた。え?どうしたの?


「なっ!?何をしているんですか!?」


リルムがこの状況にいち早く反応して、僕達の所へ向かってきた。いや……そんなジト目で見られても……。


「わっ、私も!」


そう言うと、リルムも僕の腕に抱きついてきた。いや、あのちょっと……。僕が困惑していると、彼女は袖をちょいちょいとして、廊下の向こうを指差した。


「……あっちに行けって事?」

「………(コクコク)


彼女に誘われるままに移動すると、階段が見えてきた。何も特徴がない普通の階段だった。


「この上に魔王様達がいるの?」

「………(?)」


この子にも分からないらしい。でも、この子は、この屋敷の間取りが分かっているらしい。これほど心強い味方はないない。僕は、少し希望が見えたような感じがして、足取りが軽くなっていた。












お読みくださって、ありがとうございます!

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