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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
3章 魔王様の婚約者登場するようですよ?
30/52

30話 魔王様(女)の部下達は、城に乗り込んだそうですよ?

遅れてすみません!

ロズイルの城に入ると、薄暗いロビーが広がっていた。音もなく、ただ僕達の足音だけが響いている。しれが逆に、僕の心をざわつかせた。仮にも敵の城だ。なにもないわけがーー


「菜糸君!伏せて!」

「!?」


カンッ


メイゲルの掛け声に反応できずいると、矢が僕の頬を掠めて通りすぎた。そして、僕の後ろにあった柱に命中し、柱に突き刺さっている。あぶねぇ……!


「気をつけて!周りに……“誰かいる”……!」

「っ……!」


その瞬間、僕達の空気が一瞬にして張り詰める。全員辺りを警戒しながら武器を構えている。僕も、腰から短剣を抜き、顔の前で構える。防げる自信なんてないけど、最低でも自分の身は守らなくては……!


カンッカンッ


追撃で足元に矢が降ってくる。皆は何とか避ける。しかし、敵の姿が見えない。このままでは反撃も出来ない。こんな所で立ち止まってられないのに……!


「……そこだ!!」


グンセオは、奥に見える柱の陰に向かって、突進して剣を突き出す。そこには、弓を持った女の子がいた。グンセオの剣は、柱の陰に当たり、女の子には届かなかった。


「女の子……!?」


見た目は、リルムと同年代ぐらいだろうか?前髪で顔の右半分を隠している。髪は青空のような真っ青だが、目は、何も映さない純真な青のように思えた。しかし、それ以上に目が離せなかった物が彼女にはあった。


「何……?あのひどい傷……」


リルムが思わず呟く。まるで、鞭で何度も打たれたような傷が腕や脚などの至るところにあった。


「今は、コイツに構っている暇はねェんだよ!!」


グンセオは、女の子の傷を見てもそう言っている。そんな言い方は……!と言おうとグンセオの顔を見ると、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。


「っ……」


グンセオでも思うところはあるのだ。でも、魔王様を取ったのだ。こうしている間にも、魔王様はロズイルに何されているか分からない。急いで助けに行かないといけない。そんな状況で、女の子に同情してしまって、遅れたらどうする?手遅れになってしまったら、取り返しのつかない。それを分かって、グンセオは女の子を切り捨てたのだ。


(これが……四天王の決意……)


魔王様のためなら泥さえも被る……そんな揺るぎない決意。本当なら、この女の子を無視して魔王様を助けに行くのがベストだろう。皆もそう思っているから、傷の事をあまりふれない。これがいいはずだ。いいはずなのに……


(何で迷ってんだよ僕は……!)


今すぐ魔王様を助けに行く。分かっている……分かっているけど……!あの傷を受けた時の状況を想像すると、グンセオみたいに割り切れない……。出来るのならば、彼女を助けてあげたい……。そう思うのは、間違いなのだろうか……?


カンッ


「くっ……!」


そんな僕の葛藤なんて知らない彼女は、僕に目掛けて矢を放つ。その矢は、僕の足のすぐ側に刺ささった。


「何ボサッとしてんだ!」

「ごめん……!」


ぼーっとしていたのか、グンセオにそんな事を言われた。軽く謝罪しながら、剣を構え直す。相手は一人、逃げようと思えばすぐ逃げ出せる。しかし、皆はそんな事しようとしていなかった。もしかしたら、この子を……殺すつもりなのだろうか?


「準備はいいか……?」

「あぁ、大丈夫だ」


グンセオとメイゲルがそんな会話をしている。それにより、より一層確信めいた想像が頭に焼きついた。


「二人とも!ちょっとまっーー!」


まって!と言い終わる前に、グンセオとメイゲルが女の子がいた柱に思い切り飛んだ。グンセオは剣、メイゲルは指に魔力をためている。……確実に殺す気だ……!


「二人とも!!待って!!」

「「……!?」」


咄嗟にに出せた声で、グンセオとメイゲルの動きが止まる。女の子も、何が何だか分からない状況だという顔でこちらを見てくる。何故か少し恥ずかしい……。


「戦闘を止めて、何をするんだ?」


グンセオは少しい苛立った様子で、僕に問いかける。メイゲルも大体同じだが、苛立ってはいなく、いつも通りクールだー。前みたいに怒らなくて良かったと、心の中で安堵する。そして、僕はグンセオ達に提案をする。


「少し話を聞きませんか?」

「「はぁ?」」


突然、そんな突拍子のない事を言われて、困惑しない人はいないだろう。でも、僕にも考えがあった。


「この子なら魔王様の居場所を知っているかもしれません……!それに、ロズイルの弱点とかも……!」

「……一理あるな」


この子を殺して、闇雲に探すよりはいいだとう……と無理矢理納得させた。とにかく、この子を殺させないために必死に説得する。その間、何故か女の子、僕達に攻撃を仕掛けてこようとはしなかった。あちらも僕達を警戒しているのか……?とかかんがえたが、それならそれで都合がいい。


「出来るだけ情報を引き出して、解放させましょう……。拷問とかはダメですからね……?」

「わーったよ……」

「了解です」


二人に納得してもらって、女の子を殺さない作戦でいく。僕達が殴り飛ばすのはロズイルであって、この子ではないのだから……。




読んでいただき、ありがとうございます!

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