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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
3章 魔王様の婚約者登場するようですよ?
29/52

29話 魔王様(女)を救出に行くようですよ?

「おはようございます、魔王様」

「…………」


ロズイルが私が寝ているベットに近づいてくる。警戒心を常に持っていたからなのか、私の体は疲れ果てていた。もう4日はまともに寝ていない。


「結婚式ももうすぐですね。私は楽しみで夜も寝れていないんですよ」

「奇遇ね。私も夜眠れないわ。屈辱的で」


私はロズイルの言葉に皮肉で返す。魔力を封じ込まれた私にできるのは、精々これくらいだからだ。しかし、ロズイルはそんな事一切気にしていないように笑っている。……心中どうだか分からないけど。


「案内状を出してから早4日……。本気で助けに来てくれるのなら、少し遅いような気がしますが……?」

「…………」


ロズイルは私の不安を仰ぎたいのだろうか?でも、そんなのは無駄だ。だって、私は信じているから。必ず助けに来てくれる事を。ずっと黙っている私にロズイルは嫌気がさしたのか、「チッ」と小さく舌打ちをする。


「まぁ、今更あいつらが来ても、無意味ですがな」


そう吐き捨て、部屋から出ていった。ふぅ……と一息つき、ベットにゆっくり横たわる。正直言えば、不安はある。でも、それ以上に希望があった。だから私は、こうしてずっと待っている。待ち続けるーー。


◇ ◇ ◇


「ーー作戦は以上……。意見や反論がある奴はいるか?」


グンセオが作戦を聞いていた四天王全員に問いかける。そして、誰も手を挙げていない事を確認したグンセオは「よし……」と小さく呟いた。


「この作戦は、今まで以上に困難だ。下手したら死ぬかもしれない。いいか?」


最終確認。ここで死ぬのが怖いやつがいれば、その人のせいで、ここにいる全員が死ぬ可能性がある。それは、理が非でも避けたい事だ。でも、グンセオが一番心配しているのはーー


「大丈夫なのか?菜糸」

「……もちろん」


僕だ。誰が見ても、この中で一番弱くて、戦力にならないのは僕だ。でも、僕はこの作戦に参加している。何故なら、ロズイルと戦ったのは、僕とリルムだけだったからだ。リルム一人でもいいという意見があったが(グンセオから)、リルム一人が責任を負うのは酷だという意見も出た。そこで、リルムの提案で、僕も同行することになった。まぁ、取り残されても、じっとしていられなかったと思うけど。


「じゃあ……開戦だぁ!!」

「「おぉ!!」」


グンセオの一喝で、土気が高まる。ここからロズイルの屋敷までは、それほど離れていない。離れていても、せいぜい14kmぐらいだという。まずは、リアスのコウモリで、偵察に行ってもらう。このまま押し寄せても返り討ちだ。なら、コウモリ一匹偵察に出し、様子を伺うのが適切だろう。


「門の前に2人、門の上に2人。あと、茂みの中3人」


りは、コウモリの感覚とリンクし、コウモリが超音波で把握した状況を説明した。そして、その伝わった情報を、隠れていたグンセオとメイゲルに伝わる。


「了解」

「分かった」


二人とも短い返事をして、タイミングを見計らう。ーーそして、見張りがどちらも一瞬グンセオ達から離した瞬間、グンセオが飛び出していった。


「なっ!なんだ!?」

「ぐはっ!?」


グンセオは門の前にいた兵士を一瞬にして制圧する。すると、真上から矢が降ってくる。恐らく、上で待機していた兵士二人だろう。降ってきた矢がグンセオに当たる瞬間、矢がピタッと止まった。


「なんだ!?」

「どうーーがはっ!?」「どうしっーーグヘッ!?」


門の上にいた兵士は、メイゲルが倒してくれたらしい。そして、グンセオが草むらに向かって剣を大振りする。すると、草むらが少し赤く黒ずんでいた。うわっ……見なかったことにしよう……。


「さて、ここら辺は片付いた。次は中だ」


ここまではまだ、序盤に過ぎない。本命は、ロズイル殴るor魔王様を助け出す事。魔王様優先だけど、ロズイルの顔を一発……いや、数十発殴りたいが、ここは我慢しよう。


「気をつけて、罠があるかも……」


僕はグンセオ達にそう言うと、グンセオはあからさまに嫌な顔をして、僕の胸ぐらを掴んだ。


「俺に命令はするな。俺に命令できるのは、魔王様だけだ」


それは、誇りに近いのだと思う。魔王様にだけしか従わないーーでも、この信念があったからこそ、今のグンセオがいる。まぁ、変な方向にもなってしまったが……。


「でも、やっぱり罠が……」

「うぎゃぁ!?」


忠告し直そうとしたら、既に罠に引っかかっていた。なんか、以前の僕と重なるなぁ……。そんな事言ったら、グンセオめっちゃ怒るだろうけど。


「ほらグンセオ、変な意地を張らないで、慎重に行こう?」


メイゲルが、グンセオに呼びかける。グンセオは、「分かったよ!!」と、荒々しく答えると、ズンズン前に行ってしまった。あれは全然分かっていないな……と、僕達全員、苦笑しながら思った。


「待っていてください……魔王様」


自分自身を奮い立たせるために、小さく呟く今度こそ、前みたいに、足手まといにならぬよう努力する。腰にかけてある片手剣を握りめながら、そう決意した。

お読みいただいて、ありがとうございます!

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