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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
2章 魔界に異変が起こったそうですよ?
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17話 魔王様(女)の四天王が復活するようですよ?

「……!?それは……まさか……!?」


 化け物がそのドアを見た瞬間、動揺を示した。大きさは高さ3m、幅2mの巨大な扉だ。ドアが出現したと同時に魔王様から紅い魔力が溢れ出ている。これは、魔力移動の時に見たから一目で分かった。しかし、あの時と全く同じというわけではない。明らかに魔力移動の時よりも魔力量が大きい。部屋の壁や床が割れ、多少なり地面が揺れている。……魔王様が怒っている……顔には出していなが、僕にはすぐに分かった。


(そりゃそうだよな……)


 自分の大切な部下が目の前でやられている様を見ていたのだ。優しい魔王様が怒らないわけがない。今、これだけ魔力を出しているのは、ただ怒っているわけではなさそうだ。もし、怒っているだけなら、初めから多くの魔力を出しているだろう。しかし、多くの魔力を出したのは、この扉が現れた瞬間だ。おそらく魔王様は……


「これで終わらせます」

「ぐっ……!何故お前がこの技を……!お前なんかに使えるはずが……!!」


 化け物の顔が見る見る内に青ざめていく。……青ざめてくといっても、そもそもの基準が分からないが……。


「開け……ヘブンズゲート!!」


 魔王様がそう叫びと、ギギギっと重い音を立てながら扉が開いていく。扉が開く度に空気が重くなるのを感じる。僕はもちろんのこと、見ると、化け物までもがその場で立ち止まっており、扉が開くのを誰もがじっと待っている。……かと思ったがーー


 ダンッ!


 次の瞬間、化け物が勢いよく地面を蹴り、扉に向かって飛んでいく。


「開かさせない!あの扉を今のうちに叩けば……!」


 くそっ!まだ扉は開いている途中。扉を開くには大量の魔力が必要なのか魔王様は動けないでいる。もし、このまま扉が壊されれば、魔王様の魔力が減っただけになる。


「魔王様!何も防御を張らないは不用心すぎませんかねっ!!」


 化け物がどんどん扉に近づいていく。残りあと数メートル。なのに、魔王様は何かで対策しようとはしない。化け物は壊せると確信したのかニヤッと笑う。しかしーー


「私が対策しなくても大丈夫だからですよ」

「なっ……!?」


 魔王様が不敵に笑うと、どこからともなくコウモリの群れがやってきて、化け物の視界の邪魔をする。これってまさか……!


「信頼してくださり、光栄です」

「リアス……!!」


 そこにはコウモリを指揮し、不敵に笑っている。そうか!リアスがまだ残っている。魔王様の攻撃が整うまでの防衛は余裕でできるはずだ。


「俺も忘れんなよなぁ!!」

「がっ……!?」


 化け物はコウモリに視界を邪魔され、背後に迫って来ていたカムイに気づかなかった。両手の指を絡め合わせ、とても鍛えられてる太い腕で、そのまま勢いよく振り下ろす。その殴打は化け物の背中を捉え、化け物は抗う事が出来ず、そのまま地面に勢いよく叩きつけられる。


「ガムイさん……!!」


 手首や首をコキコキっと鳴らし、化け物が落ちた場所を睨みつけている。流石に警戒は怠っていないようだ。


「魔王様に信頼されてるんだ。それに全力で答えねぇとなぁ」

「あら?信頼されているのはこのあ・た・し!」

「あぁん?そんなの分かんねぇだろ」

「二人共、落ち着いてください!」


 ガムイさんとリスアが口論を始める。今はそんな場合じゃないのに……。何とかして二人を止めようとする。しかし、その喧嘩は収まらない。どうしよう……。


「ぐっ……調子に……乗るなぁぁ!!」

「っ……!?」


 化け物は、腕を鞭状にし、僕達をめがけ振る。突然の事に僕達は反応が遅れる。避けられない……!!僕は思わず目を瞑り、歯を食いしばり、衝撃に構える。


 キンッ!


 しかし、その音ともにいつまで待っても衝撃は来なかった。僕はそっと目を開け、状況を確認する。するとそこにはーー


「おいおい、魔王様を守らねぇといけないのに、お前らは何やってんだ」


 白髪に憎らしいほど整った顔。先程化け物にやられたグンセオがそこに立っていた。


「おめぇ生きてんだな」

「あら?何で生きてるの?」

「生きてちゃいけねぇのかよ!?」


 そんな三人のやりとりが聞こえる。グンセオは先程も見た通り、凄腕の剣士だ(ムカつくけど)。グンセオが復活したがいれば、百人力だろう。グンセオも、同じ技をくらうほどバカじゃないと信じたい。


「ぐっ……がっ……!!どいつもこいつも邪魔ばかりしやがって……!!」


 化け物の沸点はもはや頂点まで達しており、爆発寸前だった。血が出ても御構い無しに、顔を掻き毟っている。その光景は、もはや自我があるかどうかも分からないぐらい狂っているように見えた。


「ぐ……がぁぁぁああぁ!!」


 化け物が雄叫びをあげたかと思ったら、光弾を放った。しかし、その光弾は扉に向けてではなく、魔王様に向けてだった。


「魔王様……!!」


 僕は思わず叫ぶ。しかし、魔王様は動じず、まっすぐを見つめている。避けて……!という僕の気持ちは焦りにより、声に出ていない。このままじゃ……!!


「あ〜あ……本当に、こういうのムカつくんだよな……」


 そんな声が聞こえたと思ったら、光弾が弾け飛んだ。なんだ……!?と思いあたりを見ると、そこにはーー


「ぶっ殺してやるよ……」


 メイゲルが立っていた。











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