1話 魔王様(女)に衝撃的な告白をされるそうですよ?
どうもこんにちは!『とう』と申します!今作二作目で、ラブコメを意識しました!不慣れな点もありますが、暖かい目で見てくださると嬉しいです!
僕は、体を縛られているような圧迫感を感じ目が覚めた。まだはっきりしない脳であたりを見渡す。そして、僕の目の前にいる女性が口を開いた。
「あなた…私の伴侶にならない?」
「…はい?」
僕は今、生まれて初めて求婚を受けている。そして何故か、僕は拘束具で縛られている。他に良い物はなかったのか? 目の前の女性は、顔を赤らめてじっとこちらを見ている。とても可愛い。どうやら先ほどの答えを待っているようだ。
この人に求婚を求められたら誰も断らないであろう美貌と容姿だ。でも、彼女には悪いが僕にはやらなければならない事がある。それは…
「おうおう!大胆だなおぃ!」
「キャー!魔王様可愛い!!」
「くっ…!俺ではダメなのですか…!」
周りを取り囲む人間ではなさそうな人(?)達の事を、目の前にいる“魔王”と呼ばれている彼女に聞かなければならないのだ…。
(どうして…こうなったんだろう…)
僕は遠い目で事の起こりを思い出していた。
◇ ◇ ◇
僕の学校である噂が流れていた。その内容は、”放課後、帰り道で黒い人影を見た者は、その影に連れ去れてしまう“と言った内容だ。僕も始めは高校生にもなって馬鹿馬鹿しいと思っていたら…
「……………。」
その噂の黒い影が僕の家の前に、ちょうど座っていた。なんか、その…うん、シュールだった。僕の家の裏口は鍵がかかっているため、、必ず玄関を通らないと中に入れないのだ。僕は、その影に気づかれないようにそっと横を通り過ぎようとしたら…
「きしゃゃゃ!!」
「うぁぁぁぁ!!」
急にその影が大声をあげながら襲ってきた。そこからあまり記憶がない。気づいたら僕はここで拘束具により縛られていた。…縛り方が普通で本当に良かった。。。
ーそして、冒頭に戻るー
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「あの…その前にこの状況を教えてもらっていいですか…?」
「えっ?…あ!」
僕がおずおずと質問すると、彼女は今思い出したみたいな顔をした。周りの人たちも確かに!みたいな顔をしている。この人達、本当に大丈夫なのか…?
「えっと…私の使い魔、シャドウデビルに貴方をこちらに誘k…連れてくるよう命じました」
「今、誘拐って言いかけませんでしたか?」
「で、その使い魔に、貴方の家の前で張り込んでいるように命じたんです」
目をそらされた上に、スルーされた!?目をそらしても説明するなんて律儀だな…でも、大体分かった。しかし、一つ疑問がある。
「何故、僕なんですか?」
これが一番の謎だ。自分で言ってなんだけど、本当にパッとしない容姿をしている。どこにでもいる普通の高校生だと自分は思っている。なのに何故…魔王に求婚されているんだ?
「それは…ですね…」
体をもじもじさせ、顔を俯いてしまった。見ると、尖っている耳の先まで真っ赤に染まっている。彼女の顔も真っ赤だということは優に想像できた。僕は、彼女の答えを待つ。
「その…一目惚れでした…!」
その言葉を言った瞬間、彼女は顔を抑え、ブンブンと顔を振っている。周りもキャーキャー言って盛り上がっている。そして、彼女は僕の方を改めて向き直し、真剣な顔で言ってきた。
「もう一度言います…私の伴侶になってくれませんか?」
どうしたものか…僕は彼女の事を何も知らない。悪い人ではないことはわかるが、もっと彼女の事を知っって、それから正式にお付き合いするのが礼儀だと思うから…
「友達からでは…だめですか?」
「友…達?」
彼女は僕の言葉を聞き、肩を震わせている。怒らせてしまったか…?と冷や汗が流れる。すっと、彼女がこちらを見た。そして、彼女は言った…。
「友達…友達ですか?!はぁ〜…!菜糸君の友達になれるのですね…!!幸せです〜…!」
とても喜んでくれた…。えっ…?こんなんでいいの?ちょっと彼女の価値観がズレている模様…。まぁ…喜んでくれているならいいかな?心底幸せそうにしている彼女を眺めながら、そんな事を考えていた。
「じゃあ…そろそろ帰らせてもらっていいかな?」
どれくらいの時間が経ったか分からないけど、おそらく既に夜になっているだろう。早く帰らないと、夕ご飯に間に合わなくなってしまう。あと、この悪趣味の縄も早く解いてほしい…。
「えっ…?」
「えっ?」
何故か彼女は予想外の事を言われたかのような声を出した。こちらも思わず聞き返してしまった。
「あの〜…大変お伝えずらいのですが〜…」
彼女がバツが悪そうに目をそらす。何故だろう…、すごく嫌な予感がする。なんか、今後の生活に関わるような重要なことを言われそうな気がする…。なんで僕、こんなに的確に予想できるんだ…?
「もともと、私の伴侶にするつもりだったので、帰し方を考えていませんでした…」
「ちょっと待ってください魔王様。本当に言ってるのですか…?」
「てへっ☆」
「てへっ☆じゃないですよ!?可愛い仕草をしても、許されませんからね!?」
「菜糸君が私を可愛いって…!はわわわっ!」
「反応する所違う!!」
本当にどうしよう…。僕このまま帰れないのかな…、あぁ…お母さんお父さん、こんな出来の悪い息子でごめんなさい…。
「あっ!でも、菜糸君のご両親には許可もらっていますよ?」
…前言撤回。何やってんだよ僕の両親。少し、頭の中お花畑だと思ってたけどここまでとは…どうせ、僕に彼女が出来たと勘違いしているのだろう…
「だから、帰る方法が分かるまでここに住めるというわけです!」
彼女は名案だとばかりにドヤ顔をする。僕は、これ以上可愛いドヤ顔は見たことない。でも、彼女は忘れている。僕は高校生だ。学校に行かないといけないし、何より…
「魔王様が見込んだ奴だ。強いに決まってらぁ!早く手合わせしたいぜ!」
「魔王様のフィアンセと…キャー!」
「アイツを殺せば俺と魔王様が結ばれる…!」
周りから聞こえる願望、興奮、殺気…。僕、ここの生活に耐えられる気がしません…。彼女を見ると、僕と住むことに対しての喜びを隠せないようでニヤケている。どうやら僕は、魔王様に惚れられたようです…。
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