栗色の瞳に恋をした。
こういうタイプの短編あるよね、というあるあるネタ。
僕は恋をした。それは入学式のあの日。桜の木の下、春風に髪をなびかせた彼女の姿が瞳に映った。僕の瞳に色彩が初めて宿ったかのような感動だった。僕はいじめられいて、世界に対して絶望していた。トロッコに乗せられて移動しているだけだった。終点の「死」に向かって……。でも、彼女に出会った。出会ってしまった。世界が回り始めた。今までの僕が殺されて、脱皮して、別個体に生まれ変わり、体細胞活動が活発になったような気がした。そう、彼女の栗色の瞳にボクが映ったあの瞬間から……。
と僕が悪友に、メインヒロインに一目ぼれした話をしていたら、彼は言った。
「いや話長すぎやん。かわいいヤりたいって言えばいいだろ最初から」
まったく、恋の喜びを知らないんだな?こいつは……。
僕はため息をついた。
シンプルが一番!
でも、恋心って、こう……文章を積み上げても書ききれないよね。笑