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薔薇色の異世界田園生活  作者: 菜王
序章
31/66

第三十一話 山の水源

新章突入です!

( ̄Д ̄)ノ

第三十一話 山の水源



乾かしたフキの瓶詰めが、うず高く縁側に積まれているのを箱詰めして、秘密の地下室のある通り土間に移動し朝の作業は終わった。


皆で作業する時の食事は、まとめて作る事になっており、今日の夕方は打ち上げがてら皆んなで取ることになっている。


つまり村長の三人の嫁とエルザさん、佐倉さんが腕を振るうと言う事だった。


このノルン村は異世界からの転生者を積極的に受け入れているので、親睦を深める意味でこういった共同作業を推奨しているらしい。


まあ、村長も実のところブルケさんからの受け売りらしいとエルザさんから聞いた。何気にブルケさんはこの村の重要人物なのでは無いだろうか? 一体どこに行ったのか、謎のは深まるばかりだ(調べては無いが)。



時間が空いたので野菜畑で収穫をした後、ふと見ると庭にある池の水位が下がっている。雨が降っていないからかなと井戸を見るとこちらは変わり無い。水ガエルがキョロキョロと見上げて来る。うむ、サイケデリックな柄だが中々可愛いな。自分は食用では無い事を如実に伝えて来る自然界の叡智を感じるわ。


『naninany?dmnotitano?』


すると、また何処からか黒い奴が乗っかって来た。いつも現れては消える黒い奴は何故か一匹しか居ないのだが



♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢


[シェイド]


その黒い妖精は[シェイド]と呼ばれる闇の眷属でも有ります。非常に珍しい種類ですな。特徴は闇術に近い能力を持つ事であります。一番のユニークスキルは[ダーククローズ]ですな! その小さい身体に闇の封印空間を内包しており、生き物は無理ですが、色んなモノを収納出来るのです! また分体と呼ばれる分身を造ったり、影に潜り込んだりも可能です! 直接攻撃力には劣りますが、忍者の様な存在ですな!


by 幻想図鑑 リデル


なんで頭に乗りたがるのかな。


シェイドはその身体を触手の様に伸ばして攻撃するので視界と射界の確保では無いでしょうかな


でも火トカゲの時には役に立たなかったよ


もともとは臆病で影に隠れていれので滅多に戦う事はありません。よほどマスターを気に入ってるので怖くない時だけででくるんでしょうな


怖いってなによそれ


妖精は基本的に自我が薄く支配され易いのですよ。だからマスター次第では有効活用できるかも知れませんな


ふむ、要相談って感じだな。


引き篭もりっぽいですからな


オタクなのか


お宝コレクターでも有るそうです。仲良くなるとお宝を分けてくれるらしいですぞ


!!!!!


♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢



気まぐれで臆病なシェイドだが、便利なのは意志の疎通が出来ているとヒュンヒュンと伸びる体の一部で物を取ったり少しくらいなら攻撃も出来るのがありがたい。


その便利な体を使って池の周囲を探らせても何も異常はない。


外を見てみると小川の水位がビックリするほど減っている。何気にこれはまずいんじゃないだろうか?


その向こうでは佐倉さんが子牛に草を食べさせている。何気に田園風景に溶け込んで絵画の様だと思っていたら、たんに子牛が道端の草を食べ始めて動かなくなっていただけの様だった。


「…………」


呆然として子牛を眺めている佐倉さんは何気に目が死んでいた。異世界も中々に難しい。


そしてまた小川に目を向ける。


「……枯れそうなのか?」


その時、村長とエルザさんがやって来た。何事か顔つきが険しい。まずいな、何か用事を思い付かないとまた大変なトラブルに巻き込まれそうだ。


「斎藤、大変なのよ」

「斎藤、まずい事になった」


「…………」


ダメだ。何も用事が思い付かない。


「……何が起こったんですか?」


「水源に何かが起こったんだよ」


「……つまり?」


話によれば、この村は幾つかの水源を確保しているのだが、その内の一つはミズナラやミズブナなどの[水の森]と呼ばれる保水森林からの湧き水、一つは水脈からの地下水、そして山からの岩清水が集まった川の流水とそれが地下に染み込み流れる副流水、最後に溜池などの貯留水があるのだが、どうやら今回はその内の一つである山からの流水に何かあったようだと言う。


「皆で手分けして原因を探ってるんだがなんせ山は広い。で斎藤も手伝って貰おうと言う訳だ」


「私、山にはとんと疎いんで御座いますが」

「心配するな! 俺がペアを組んでやるからな」


何気に一番危険な場所に配属されそうな気がしてならない。いや、必ずそうなる。


「……あの〜」

「この水源がとまると一番影響を受けるのは佐倉と斎藤の畑だからな」

「早急に解決しましょう。佐倉さんには心配要らないとお伝えください」

村長はニヤリと笑い

「ああ、武勇伝が出来ると今夜の打ち上げも盛り上がりそうだな」

「!!! ……確かに……」


そして俺は[壺]を取り出し妖精を集める。


さて、誰にするべきなのか?


「リデル、どう思う?」

『そうですな、トマトとキュウリの近くをウロウロしている水色の妖精[アクリア]辺りが適任かと思われます。自在に水の中を移動できますからな。あと反発属性の赤色の妖精[パイロ]も連れて行けば完璧でしょう』


野菜畑で[アクリア]を呼び出し、縁側の岩の上で日向ぼっこをしていた[パイロ]を[壺]に入れて村長の前に戻った。


「では行きましょうか!」

「……前に佐倉を助けた時もビックリしたが、お前今、三種類の妖精を何気なく使役してるけど、それってブルケもできなかったんだよな」

「……そうなんですか?」

「火トカゲや水ガエルみたいに自我がある程度ある奴やライノは別だけどな」


無駄チートなのだろうか?


「まあ、土地神代行だからな」


そういやライノが[アロマ]がどうとか言っていたな。今度調べて見よう。


『あれ〜マスター〜どっか遊びに行くんですか〜』

「お前も来るんだよ!」


ガシッとライノの頭を掴み山へと向かう。


『いたたたたっ! ええっ! これから佐倉さんのお手伝いするつもりだったのに! 〈ギリッギリッ〉あだだだだっ!』

「いいから来い! お前は索敵と護衛役だ!」


またオークが出て来る可能性もあるからな。村長だけでは心許ないーーと言うか盾代わりにならない。俺が盾にされないように騒々しい奴が必要だ。


こうして俺は水源を調べる為にオデオン山脈に向かう事になった。


黒い妖精[シェイド]1匹

水色の妖精[アクリア]12匹

赤色の妖精[パイロ]5匹

風の妖精[nmライノ]1匹

村長[nmガンツ]1匹


妖精王(予定)[斎藤 隆]1人


「では参りましょうう!」

「……何か気になるな」

「……気のせいでしょう…」


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