大会準備とトレーニング
本日二話目です!早い理由は一話目は予約投稿を使ってみたからです!
「さて、これからトレーニングをする。」
職業を選んだあと、俺は舞と闘技場に来ていた。
「ところで、海人くんはFPどこに使ったの?」
「[ぼうぎょ]と[すばやさ]!」
「ふーん…私はどこ上げようかな?」
「迷うなら俺と同じにした方がいいぞ。[すばやさ]を上げると攻撃も当たりやすくなるし、ダメージも受けにくい。[ぼうぎょ]を上げると抵抗力が上がる。俺たちは[倒すこと]より[逃げること]を重視しなきゃいけないからな。」
俺たちはこの中で死ぬと本当に死んでしまう。そこで考えるべきは[倒す]ことより[生きる]ことだ。極論、5年も生きてれば相当なレベルになる。もう80だし。
「では、練習だ。前と同じようにモンスターがやってくるから、一匹残らず殺す。ただし、今回は難易度ヘルで、俺と舞で分かれる。分かったか?」
「わかれるの?」
「ああ。大会では別々だからな。」
それに、俺としてはいくつか考えてることがあるし、相当グロいことになるからな。
「さ、じゃあ始めようか。」
「さて、じゃあやってみるか…」
まず、試したいこと。これはモンスターがやる前にやっておきたい。
「よっ…」
近くにあった木の幹に手をかけ、登る。[ちから]と[吸引]を合わせればするする登れた。
「じゃ、次…いてっ!」
足だけを付け、登ろうとする…が、落ちて頭を打った。いてえ…
「やっぱり無理か…」
これも、熟練度が上がればできるのかもしれないが、壁歩きはやはりまだ無理だった。ふむ…
「お、来たな…」
豚と人が混ざったようなモンスターが来た。こりゃ…オークかな?
「グオオオオオオオ!」
オークは大きな声で唸り、その巨体からは想像できないような速さで突進してきた。しかし…
「遅いな…」
[すばやさ]が意味の分からないレベルで上がっている俺には関係ない。多分レベルアップのときにそれまでに上がった分も増えるんだろうな。よく動くから[すばやさ]が上がるし、あまり攻撃を食らわないから[ぼうぎょ]が上がりにくい。
「そらっ!」
難なく回避して槍で頭を突く。血や、形容したくないグロい固形物が飛び散る。
「…おお、いっぱいいるじゃん。」
気づかないうちにオークが20匹以上出てきている。
「いいね。掛かってこい。」
しかし、威圧してしまっていたのか全く来ない。そんなに怖いか…
一度はぁ、とため息をつき、さっき手に入れた魔法を発動する。
「[アトラクション]!」
叫ぶと、ものすごい勢いでオークたちが飛んできた。ついでに木とか岩も。
「うおあああああああ!!!!!?ぐ、[グラビティ]!!!!」
俺は[グラビティ]を使って上空へ大きく飛ぶ。下ではオークが木や岩に潰されて死んでいた。あっぶね…死ぬとこだった…ここでは本当に死ぬことはないが、それでも死ぬのは怖い。
「まあ、きっといい感じにレベルも上がっただろ…」
気をとりなおして新しく出た狼のようなモンスターを倒す。凄く速く、大量に来られたら少し面倒だな…
「[リパルション]」
多めに出てきたので、斥力で少し離して、リーチの長い槍で倒してしまおうと思ったら…
ズガガガガガガガ!!!
「…」
ある者は壁に、ある者は岩に、ある者は木に打ち付けられ、死んだ。
「…あれー?」
さっきから思った以上の威力が出る。なんでだ…?
「…あ、そうか。」
多分、[ずのう]のパラメーターが高すぎるんだろう。[グラビティ]は詳細に設定できるから気づかなかったけど。ってか、もしかしたら[ずのう]と上限の絶対値は関係してたのかもしれない。これからも[ずのう]が上がれば[グラビティ]の威力が上がるのかも…
っていうか、これ重力魔法じゃなかったらどうなるんだ?炎魔法なら多分あるであろう[ファイアボール]の魔法で物凄くでかい火の玉ができるくらいはありそうな気がするんだが。
「はあ…まあいいか。どうやったら緩くなるかな…」
そんなことを考えながら狼を倒していく。ってか、よく考えたらさっき[グラビティ]使わなくてもジャンプすれば十分だったな…蹴ったら壁まで飛んでいくもんな…
そんなこんなで狼を殲滅して。
「ふう…そろそろ終わりか?」
そう思ったとき、今度は一つ目の巨人が出てきた。
「オーガか…こいつは一体か?」
かなりでかい。身長は俺の30倍ほどの高さだ。
「おらっ!」
とりあえず足を蹴りとばす。しかし効いてる様子がない。
「どりゃっ!せいっ!」
蹴っても殴っても刺してもびくともしない。そのくせ…
「グオオオオオオオ!!!!」
「おわっ!」
足のさきがちょっと動いただけでこっちは危ない。不公平だ。
「ならっ!」
大きくジャンプして目を直接狙う。が、大きな手ではたきおとされる。
「く…」
考えてみよう。肌は分厚く、目に攻撃は届かない。どうすれば…
「あ、やべ。」
気がつくとオーガが足をあげ、俺を踏み潰そうとしていた。やべ…あ、そうだ!
「[リパルション]!」
足が俺を潰そうとした瞬間、[リパルション]を発動する。足が一気に上がり、軸足も離れる。
ゴシャッ!
そんな派手な音がして、オーガは倒れた。
「バーカ。踏み潰そうとするからだ。」
そう言って槍を目に突き刺す。オーガは苦しみ、そして動かなくなった。
次回、「終わらない闘技と思わぬ強敵」お楽しみに!




