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スペース・ゲーマーズ  作者: 獅子印
衝撃!異次元世界と男女の間
12/32

ギルドと初めての殺し合い

 この小説、また読者様の数を見てみると、なんと490人にまで増えていました!読者様にはいくら感謝しても足りません。本当にありがとうございます!自分が書いた作品を読んでいただく、これこそ最高の喜びだと思います!

「ふぁ~あ。おお、舞。おはよう。」

「あ、おはよ~」

 朝起きると舞が髪をといていた。髪が濡れているので、風呂上がりのようだ。

「風呂入ってきたのか?」

「そうだよ~。まあ、昨日結局入ってないからね。海人くんも入ってきたら?さっき私が入ったからお風呂わいてるよ。」

 ではお言葉に甘えて入るとしよう。…って、タオルも着替えもないな。どうするか…

「あ、タオルはそこに入れといたよ。あそこの人が用意してくれてたみたいだね…気が利くのか、おせっかいなのか…」

「違いないな。」

 俺は笑ってタオルを持った。ふかふかだ。これもしかして、結構いいタオルなんじゃないのか?

「あー…ところで、舞。」

「どうしたの?」

「この家、脱衣所とか無いけど、どこで服脱げばいい?」

 そう、見たところこの家には脱衣所がない。朝入ったというなら、舞は知っているだろう。

「…わ、わたし、お部屋にいるから、上がったら呼んでね!」

 あ、逃げた。まあいい。見られないなら構わないか。

「ふう…」

 軽くシャワーを浴びて、風呂に浸かる。どうせ今日はドロドロになる。夜にしっかり洗えばいいだろう。

「どうしたもんかな…」 

 昨日聞いた話では、魔王は一番弱いやつでも相当強いらしい。レベル42とか倒せるにしても、俺達は所詮レベル10だ。とてもそんなやつらに対抗できるとは思えない。とりあえずレベル50くらいにはなっておきたい。

「時間掛かるだろうな…一ヶ月で足りればいいなあ…足りるかなあ…」

 一体俺たちが脱出できるのはいつだろうか。いや、決してここが楽しくない訳ではない。しかし、平和なあっちに帰りたい、いやそれよりも!三大欲求に忠実な自分達のままでいさせたくない!考えてみてほしい。人間の三大欲求は、食欲、睡眠欲、性欲だ。つまり、こう考えれば楽だろう。食っちゃ寝の生活を続けているスケベ魔神。それが現実の俺たちだ。最悪だろう?だから一刻も早く帰りたい。そんな状態じゃ何をするかわからんからな!

「ふむ…ぶくぶくぶくぶくぶく…」

 水のなかに沈んで行く…って、いかんいかん。死んでしまう…あれ?

「息ができる…」

 もしや、この世界ではいつでも呼吸ができるのか?だとすればかなり攻略の幅が広がる。例えば沼地に潜っていけば先制攻撃は取れるかもしれない

「よし!これなら、少しは攻略が早くなるかもしれない!」

 そう思い、風呂を出て身体を拭く。…少しのぼせたようだな。暑い…Tシャツと上からさらにシャツを着る。ふぁ…風呂にはいると眠くなるのは何故だろうか。

「おーい、舞!上がったぞー!」

 舞に上がったと報告をする。

「はーい!今行くねー!」

 舞がここに来て、冷蔵庫から(うちの冷蔵庫は風呂場の前だ。何故か知らんが)牛乳を取り出そうとするが、俺を見て固まっている。ふぁ…どうしたんだろうか?

「どうした?」

 いかん。眠くて頭が働かん。ふぁ…

「海人くん…それ…」

 そう言って、俺の下半身を指してくる。なんだ?

ズボンをはいていなかった。

「…わお」

 Tシャツと上からシャツを着た。つまり下はすっぽんぽんだ。

 あわててタオルを巻き、舞に土下座する我ながら凄い速さで行動したものだ。

「…わざと?」

「違うに決まっている!」

 しかし、あまり説得力はなかった。


「ここがギルドか。賑わってるな。」

 俺達はあのあとギルドに来た。楽に金が手に入るはずだ。少なくとも俺たちの実力なら。

「あ、あるよ、依頼。ほら、あそこの掲示板!」

 掲示板には大量に紙が貼られている。えー、ゴブリン討伐、コドラ討伐、薬草採取、回復薬の調合…

「舞、どれがいい?」

「うーん…やっぱゴブリン討伐じゃない?この前楽に倒せたし。それに一匹100Wってすっごい効率いいと思うよ。」

 大抵のゲームでは、ゴブリンは群れで行動する。30匹くらいは簡単に倒せるだろう。

 その紙を剥ぎ取り、受付に渡す。

「すいません。これお願いします。」

「はい。依頼の説明は必要ですか?」

「お願いします。」

 まだ何も分かっていないのだ。情報は欲しい。

「依頼の地はここから3kmほど離れた平原です。そこまでは転送いたします。また、終わったらこの[カンカンドリの羽]をお使いください。この町に帰還できます。」

 真っ黒な羽を手渡される。…カラスの羽じゃないか?

「ゴブリンを倒すと、このカードに倒した量が記載されます。というわけでこのカードをお渡ししますので、帰還した際、お返しください。」

 カードは、手のひらくらいのサイズだ。真ん中に大きく[0]と書いてある。これがゴブリンの数に応じて増えていくのだろう。

「では、転送門はあっちです。準備をして、行ってください。」

 さあ、回復薬と魔法薬くらいは必要だろう。買いにいかなければ。

「道具屋は…うわ、結構高いな。」

 回復薬一つ5W、魔法薬一つ10Wだ。10個ずつに留め、舞と一緒に…舞?

「ま、舞がいない!どこ行ったあいつ!?」

 周りを見ると、いた。犬を見ている。あれは…トイプードル?

「おい、舞。どうした?」

「あ、海人くん。いやー。私昔から犬が好きでね!見ると無意識にフラっと…」

 どういう病気だよ。

「ほら、行くぞ。俺も犬は好きだが、あんまりそこにいると犬にも迷惑だぞ。」

「うん、そうだね…」

「…ゴブリン狩りに行くぞ。」

「うん、そうだね…」

「……貧乳」

「うん、そうだね…」

 だめだ。こいつ聞いてない。

「い~く~ぞ~!」

「いや~!まだ見たい~!」

 服の後ろ襟を掴んで引きずる。子供かこいつは!

「道具も買ったんだ!行かなきゃいけないだろ!」

「うぅ~分かったよ~…」

 舞を連れて(持って)転送門まで行く。乗った瞬間体が粒になる感覚を味わうえええええええ!!!

「着いたね…どしたの?」

「よ…酔った……」

 今まで味わったことのない気持ち悪さが押し寄せてきた…おえええ…

「…あ、海人くん。あれ。」

「…ん?…ああ、ゴブリンか。吐く暇もくれないのかよ…ったく。」

 目の前には大量のゴブリンがいた。50匹くらいかな?

「さあ、やろうか、舞!」

「うん!」


 順調だった。未だに一撃ももらっていない。しかし、前やったときもそうだったので、あまり驚いてはいなかった。

 そんなときだった。

「がはっ!?」

 残していたフィードバック。頭に鈍痛が走った。ちいっ!攻撃に当たった!

「…このやろ…!」

 槍で一刺しにする。すると、後ろから羽交い締めにされた。

「うおっ!?くっ…[エンジンキック]!」

 蹴ろうとした瞬間、羽交い締めが解けて、バランスを崩す。

「ふがっ!?」

 みっともなく転び、キックは空振り。最悪だ。そうだ。これは殺し合いだ。殺されたら、死ぬのだ。

「う、うわああああああああああああ!!!!!」

 夢中で飛び起きる。危ない…!殺されるところだった…!というかこいつら全く減らない。どうにか一網打尽にできればいいのだが…!

 そう思った瞬間、視界に文字が現れた。

ーーーアクションスキル[怪力]を覚えました。

「来た!」

 [怪力]という名前からして、力が限界を越えて出るのだろう。どれくらい上がるかは未知数だが、このくらいなら…!

「[怪力]!う、おおおおおおおおおおああああああ!!!」

 すぐそこにあった大きな岩を持ち上げる。そして、ゴブリンたちに向かって投げ飛ばす。もちろん、舞が離れているときを狙って、だ。

「[グラビティ]!」

 重力5倍でグラビティをかける。岩の重みに耐えきれず、多くのゴブリンが死ぬ。足しか潰されず、生き延びたゴブリンは俺が直々に殺す。そうしていくうち、ほとんどは死んだ。もちろん、舞も範囲攻撃で大量に殺している。

 一面ゴブリンの死体まみれになり、やっと倒れ込むことができた。グチャ、と潰れた音がするが、気にしない。

「終わったああああああああ!!!!!」

 カードを確認すると、まさかの500体。舞は200体ほどだそうだ。

「しかし、多かったね…疲れたよ…」

 そう言う舞は流石に女の子のプライドがあるのか寝転んではいなかった。よく耐えられるな…

 そう。かなり想像以上だった。なんと700体。最初は50体ほどだったのに、10倍超にまで膨れ上がっている。流石に異常だろう。

「早く帰って風呂に入りたい…でも、風呂に入らず寝てしまいたい…」

「分かるよその気持ち…でも、まだ仕事残ってるよね…」

 ギクッ!

 必死で目をそらす。しかしそらしてもそらしても

[それ]は目に入ってくる。

「…回収しなきゃね。この死体。」

 そう。死体。これは回収しないと、多くの人に迷惑がかかる。考えてみよう。馬車に乗って優雅に移動する商人。彼はグチャ、という音を聞いた。なにかと思えば、それは大量のゴブリンの死体だった。…無いわ。

「はぁ…まあいい。鞄には同じ種類のアイテムならいくらでも入るらしいから、片っ端から取っていこう。そしてギルドで売ろう。そしたらかなりの金になるだろ。多分しばらく食べ物や日用品、あと修行や武具には困らないぞ。」

 冒険者は店員の口振りからして、かなり儲かる職業なのだろう。まあ、この依頼の時点でそれは分かっていたが。

「これ、何時間かかるかな…」

 1000匹近い死体を拾わなければいけない事態に、おれは項垂れることしかできなかった。

 次回、「買い物と海人の逆襲」お楽しみに!

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