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スペース・ゲーマーズ  作者: 獅子印
衝撃!異次元世界と男女の間
11/32

新築一軒家と酒場の人々

見ていただいた人の数が見れる、という機能を知り、つかってみると、100人近くの方が見てくださっているのを知りました!ガチで涙が出ました!

「おはようございます。昨晩はお楽しみでしたね。クマができているじゃないですか。まさかそんなにしてたんですか?」

「黙れ。俺はそんなことやっていない。」

 店員の言葉に苛つく。確かに今思い返せば誤解を招く言い方であったことは確かだ。この人の言い方に気づかなかった俺も悪い。しかし、どう見ても俺達は(いや、舞にも間違えられたくらいだし俺は除くが)子供だ。

「子供にラブホテル教えるってどういうことだ!」

「子供だったんですか?それにしても素がそんなに簡単に出る人だったんですね。昨日の敬語が崩れてますよ?」

 しまった。そんなつもりはなかったのだが。

「失礼しました。海人くんの代わりにお詫びしま

す。」

「ああ、いえいえ。別によろしいですよ?そもそも代金を頂いている以上、お客様は店員より上の立場なのですから。」

「いえ、私たちに家を提供して頂いて、しかもそれを頼んでいるのは私たちなんですから。」

 どちらの考え方も一理ある。さっきは感情的になっていたから敬語が外れていたが、俺はどちらも対等な立場であると思う。だから互いに敬語を使うのだと思っている。その考えを持った上で、俺は二人を止める。

「いえ、どちらも敬語を使うべきでしょう。それより、家の方はどうなっています?」

 一日でできると聞いたが、なんといってもまだ朝の7時だ。店の壁に時計が掛かっているので、あっちも分かっているのだろう。しかし、こんな時間から開いているとは、素晴らしい店だ。

「それなら、完成しましたよ。腕利きの移動魔法師がいるので、どこにでも移動させることができますよ。一応、場所としてはこの三つの中ならどこでもいいですよ。」

 そう言われ、地図を見る。印がされているのは、教会の近く、大きな武具店の近く、飲食店の近くの三つだ。ふむ…

「舞、どうする?」

「そうだね…まあ、武具店の近くが無難だと思うけど…まあ、海人くんが決めていいよ。」

「分かった。じゃ、武具店の近くのところでお願いします。」

 これから先武器や防具を新調しなきゃいけない時期が来るだろう。そんなとき、家の近くにあるならかなり楽だ。荷物もすぐに家に置ける。

「分かりました。しかし、お二人はどんな仕事をしているのですか?あんなお金を一括で払える職業は冒険者くらいしか思い浮かびませんが。」

 この世界でのお金はデータに表示されるだけだ。だというのに、確認もせずに払った俺たちを不思議がっているのだろう。しかし、そんなのに答えるより先に、俺たちは疑問が先に出た。

「「冒険者?」」

 俺と舞が首を傾げる。冒険者とはなんだろうか?

「知らないのですか?それはまた…冒険者とは、その名の通り冒険者し、未開拓の場所を開拓する職業でした。しかし、海底以外のすべての場所が開拓された今は、モンスターの毛皮などの部位を売ることでお金を手にしています。魔王を倒すとそれ以上の金額が手に入るそうですけどね。そういえば闘技場の人は何やらモンスターの死体を使って、ゾンビを作り上げ、そのゾンビたちを人々に倒させるとか」

「へえ…」

 あのモンスターどうやって出してるのか疑問だったが、まさか永遠に出せるものだったとは驚きだ。エグい話ではあるが。

「俺達はPVPで稼いだんですよ。」

「PVPで!?そりゃすごい!この額を手に入れようと思ったら、3倍くらいのレベルの人を瞬殺しなきゃ無理ですよ!?」

 それをやったんだ、とは流石に言わない。

「でも、そんな職業があるなら、是非なってみたい…というか、目的と一致するな。店員さん、それどうなってなるんですか?」

「ああ、それなら、手続きなどは不必要ですよ。モンスターを売りさばくだけですから。」

 とは言っても、実力が必要ですけどね。と店員は言う。しかし俺たちからしたら最高の職業だ。どうせ実力も必要になるし。

「話がずれてしまいましたね。移動魔法師に手配しておきます。いつでもいいので、行ってみて下さいね。そのときには出来てるはずですので。」

 なんと。移動魔法とはそんなに早いのか。この言い方からすると、今から行っても構わないのだろ

う。

「あ、引っ越しの際は言ってくださいね。土地さえ用意して頂ければ、他の街にでも移動しますので」

「街、というのはここだけではないのですか?」

 街は他にもあったのか。盲点だった。それを知っていれば家なんて建てなかったのに。

「街は世界に5つほど有ります。まあ、国に近いですが…」

 まあこの規模ならそうだろうな。と俺は笑う。国とは言わないまでも、都市には匹敵するだろう。

「ありがとうございます。では、引っ越しの際はよろしくお願いします。出来てなかったらもう一度訪ねますので。ほら、舞。行くぞ。」

「あ、うん。店員さん、ありがとうございまし

た。」

 疑いの言葉を残し、舞を連れて店から出る。さっきの地図で目的地を決まった。次は、酒場だ!


 俺は(ガチガチの未成年だが)酒が好きだ。ここの食事はゲームとはいえ、味がある。酒が飲めるし、話を聞くこともできる。まずはここだろう。

「らっしゃい!何にします?」

「麦焼酎を一杯。あとポテト。舞は何にする?」

「私は…バナナジュース。」

「合わせて5Wになります。」

「わかった。」

 店員に注文をして、情報源を探そうかと思ったとき、舞に睨まれていることに気がついた。

「…どうした?」

「どうしたもこうしたもないよ。なんでお酒頼んでるの!未成年でしょ!」

「平気平気。バレやしないって。そもそも火星のルールなんて知らんしな。」

「でも!」

 舞はいまいち納得できないようだ。硬い奴だな…

「わーかったわかった。今度から飲まないから。」

 舞の前では。

「むー…海人くんって、結構不良?」

「そりゃ、学校なんて人の多いところ、行きたくもなかったしな。」

「それに限りはしないけどね…」

 実際、病気のせいであんまり行ってなかったりする。出席日数はいつもギリギリだ。テストで優秀だから卒業できるだろうが。

 …あれ?

 俺…こっちに来てから、いや、舞を[仲間]と認めてからは症状が緩和されている?人と目を合わせて喋ることができるようになっている?

「…どうしたの?お酒飲めないの、そんなに嫌?」

 嫌ではあるが、的はずれなことを聞いてくる。

「ん?いや、別に…いや、飲めないのは残念だが」

「そんなに嫌なの?元の世界でどれくらい飲んでたの…」

「えっと、帰ってから一杯、寝る前に晩酌…あ、バイトしてたときは終わったあと必ず一杯飲んでた

な」

「いや、どんだけ飲んでるの…完全にお父さんの飲む量じゃん。」

 と言われても、世のお父さんがどんだけ飲んでるかを知らない。

「大丈夫だよ。俺、何飲んでも酔わないし」

「その特技を知ってることが問題だよ…」

 確かに一理あるが。

「って、忘れてた!そこのおっちゃん!ちょっと聞きたいことがあるんだがいいか!?」

「何だ兄ちゃん!俺に聞きたいことがあるなら好きに聞いてくれ!」

 目の前にいたおっちゃんに話しかける。さて…何を聞こうか?

「魔王のなかで一番弱いのはどいつだ?」

「魔王?あいつらは普通の人間は会うこと自体できないはずだが…まあいい。そうだな…[アメミット]じゃないか?ワニの頭、ライオンの胴体と前足、カバの後ろ足を持つ怪獣だ。あいつは冒険者ギルドに半身を持っていけばギルドが買い取ってくれるはずだ。…ああ、バッグに入れれば入れたところから圧縮されるから普通に入るぞ。しかし、なんでこんなことを聞くんだ?」

 おっちゃんは親切に教えてくれる。全てを信じるわけにはいかないだろう。実際に見たこともないようだし。

「俺達が倒すからだ。」

 そう言うと、おっちゃんはものすごく驚いた様子で口を大きく開けていた。

「あ…あんた、本気で言ってるのか?」

「もちろん本気だ。当たり前だろう。」

「あいつは、人を食い殺すんだぞ!?」

「そりゃそうだろう。ゴブリンだってスライムだって。」

「強さの格が違うんだよ!」

「知っている。」

 そう言うと、おっちゃんは納得したようだった。

「そうか。あんたらあれか。死んでも死んでも生き返って、気がついたら消えてるっていう変なやつらのことか。…いや、しかしあいつらも魔王には会えなかったはずだが…」

 おそらく、ネトゲプレイヤーのことだろう。キャラクターの癖にプレイヤー達の存在を知らないのか?

「俺達はあれとは違う。そうだな…あんたらとあいつらの中間の位置にいる。死んだら死ぬが、戦える。そして、魔王に会うことができる。俺たちしかやる人間はいないんだ。」

 俺がそうまくし立てると、おっちゃんはため息を吐き、

「しょうがない。その代わり、情報はなんでも教えてやろう」

と言った。

「ありがとう。では質問だ。アメミットとやらはどこにいる?」

「あいつはこの街から10kmほど東に行ったところにある沼地にいる。」

「では次。そいつはどんな攻撃をしてくる?」

「噛みついたり、爪で引っ掻いたり、火を吐いたり、あと風を起こしたりする。」

「じゃあ最後の質問だ。」

 俺はそこで一拍置く。多分なにが聞きたいかはおっちゃんも分かってるだろう。

「あいつの弱点はなんだ?」

 おっちゃんは心苦しそうに顔をしかめた。

「…すまない。知らないんだ。ギルドでも調べているようだが…」

 つまり、ギルドでも分からないのか。

……ギルド?

「待ておっちゃん。ギルドってなんだ」

 多分これはかなりの重要な所だ。

「ギルドを知らないのか。変わってるな本当に。ギルドは冒険者支援施設だ。強いモンスターの情報や武具、回復薬などを売っていて、逆に素材を買い取ったり、冒険者への依頼を斡旋してくれるんだ。」

 それはいいことを聞いた。つまりそこに行けば仕事がとれる、ということか。

「おっちゃん、ありがとう。また来るよ。」

「おう!どういたしまして!また聞きたいことがあればここに来な!」

 さて、家に行ってみるか。…ん?何か忘れているような。

「お客さん、焼酎飲まないの!?」

 …忘れてた。


「ここが俺たちの家か…」

「大きいね…」

 平屋とはいえ、結構大きい。まあ、部屋も結構あるし、当然だが。これに地下室まで付いているなら相当だろう。

「とりあえず、入ってみようぜ!」

「うん!」

 舞も返事をしてくれたので、二人で入ってみる。

っと…廊下にリビングへのドアと地下室への階段、トイレへのドアがあるな。あ、風呂もある。ユニットバスか…あまり好きじゃないが仕方ない。そうそう。この世界ではガスも水道もある。ただし電気だけがない。まあ、オイルランプもマッチもあるから明かりには困らないが。

 リビングにはいる。リビングにキッチンも兼ね備えているようだ。1/5くらいがキッチンになっている。

 リビングからはまたも廊下に繋がっており、そこから二つの部屋に繋がる。

 俺たちの声は一致した。

「「この家、変!」」

 おかしいだろ。構成が。リビングが二つの廊下に繋がってるって。つうか、二つの部屋リビングと隣接してるだろ!

「これはひどいぞ!建築センスがないんじゃないのか!?」

「本当にこれはおかしいよ!あそこの廊下必要ないと思う!」

 ふう、とため息をつく。

「買っちまったもんはしょうがない。ここで我慢しよう。」

「そうだね…」

 まさか新しい家でダークな気持ちになると思わなかった。

「まあ、いいところを探していこう!ほら、ひとつひとつの部屋は広いし、布団まで設置してくれてるよ!」

 舞の言う通り、布団が敷いてある。

 ひとつの部屋に、二枚並べて。

「「…………」」

 これはもう耐えられない。

「……俺、あの店員シバいてくるわ。」

「ま、待って海人くん!ほら、移動すればいいよ!ね、待って!?槍持っていかないで!?殺す気だよね!?」

 俺は槍を持ってあの店へ行こうとする。殺す……あの野郎……!

「も、もう遅いから!もう寝よう!?ね!?」

「フー、フー……!」

 あいつ……今度会ったら絶対殺す……!

 その日は我慢して寝た。

次回、「ギルドと初めての殺し合い」お楽しみに!

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