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日の出

 気持ちよかった。朝のひんやりとした冷気が身体に染み込んでいくのが、とても。

 日はまだ出たばかりだ。雲一つない空は、青に少し黒を混ぜたような色になっている。

 今日が始まる、そんな予感をさせてくれる日差しが、僕を照らしている。

 家の近くにあった丘。僕はそこで寝転がっていた。

 うん、準備は終わったんだ。後は、家の整理を終わらせるだけだった。

 ユニと一緒に来たのはいいものの、やっぱり街からは疲れる。サギスに言われて来たけど、なんで僕らだけで来たんだろう。あの二人も一緒に来りゃあよかったんじゃないの?


「はぁ……もう、嫌になるなぁ」


 横にはユニが寝ている。さっき家を出ようとした時に、起こしてしまった。

 散歩に行くだけだと言ったのに、一緒に出てきた。悪い夢でも見たのかな。

 金色の髪を撫でると、くすぐったそうに声を漏らした。

 まだ、子供なのに外に出て大丈夫なんだろうか。ユニのあどけない寝顔を見ていると不安になる。

 でも、僕が心配するのはおかしなことだ。本人が、行きたいって言ったんだから。


「すぅ……」


 グダグダ考えても仕方がない。新鮮な空気を名一杯吸い込み、ゆっくりと吐きだす。

 誰も見ていないだろう。聞いていないだろう。でも、僕は顔に笑顔を浮かべながらこう言った。


「行ってきます」


 優しいそよ風が、僕を頬を撫でた。草がザワザワと揺れた。なんだか、春って気分がする。 

 なんだか気分が良くなって、僕は立ち上がる。気合を入れるために、頬をパチンと叩く。


「よし!」


 今日からは、今までの生活が終わる。

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