ほたる
掲載日:2026/09/12
夜
疾うに陽は沈み 余光すらも消える時分に
川面から小さな灯が舞った
ひとつ またひとつと
灯は前の光を追う様に
追ってくるのを期待するかの様に
ゆらゆらと その小さな灯りは夜空を踊る
水面に揺れる星影を再び夜空へ映す様に
水底の星が再び夜闇に昇る様に
ゆらゆらと ただゆらゆらと
夜気の中で解けていく
天頂に銀色の天満月
夜空には星の花が咲き
川面に照らす星彩はゆらゆらと朧気に
そして辺りには淡色の灯火が風に吹かれる様に踊っている
まるで淡く光る妖精の様に
茂みから 森から その姿を現わしていく
辺り一面は灯火に包まれる
川面も 平瀬も 水底も
森も 茂みも 空も 天も
一時の幻の様に
一夜の夢の様に




