0.これからも未定
いつもの大きな親の声がきこえてくる。
ただ、今日はより声が大きいような・・・?
――気のせいだろうか・・・
気になりだしたので声のする部屋を扉の隙間から覗いてみることにした。
三人目の人物がいるのが見える。
――いつも二人なのになんだろうなぁ
すると、三人目の知らない人。黒髪、黒目で長身の片方だけ眼鏡。モノクルをつけた男の人が、
ゆっくりと近づいて、僕に話しかけてきた。
「あなたが、ユイトさんであっていますか?」
なにかを心配しているように、顔を顰めながら質問してきたのが気になるが、
ここは素直に答えることにした。
「はい、ユイトって言います?」
「よかった。あなたはこの部屋から出たことある?」
その人の後ろから親の声がでかくなったが気にせずに答える。
「あるよ、外には行ったことないけど」
「わかりました。ありがとうございます。」
「あ、失礼。私の名前はクロイト・サイドといいます。覚えておいてください。」
「…?はい」
用がなくなったのか、親の方に戻っていったクロイトさんはそのまま話を続けていた。
僕も声の大きさの原因がわかり、扉を閉じて戻ることにした。
また、何か話してるようだった。
――翌日――
「ユイトさん、なにもわからないことは把握してます。ひとまず、一緒に外にいきましょう」
昨日、初めて会ったクロイトさんにそんなことを言われた。これといって外に出たいと思ったことはないんだけど。
「はい」
そういって座っていた。木材で作ったベッドから降りて、クロイトさんの後ろをついていくことにした。
外に出ると、綺麗な石?のようなものでできた建物がたくさんならび、地面も舗装された街があった。
まるでそんなことには興味ない僕にでもこれだけは言わずにいられなかった。
「広い・・・!」
「あなたが住んでいたのは、ストライト王国という広い国なんですよ」
こんなにも広いことに驚愕しながらも、次第にこんなものかと慣れていった矢先に、徐々に眩しくなってきた。
「ちょうど朝日が昇ってきましたね」
――外に初めて出て驚いたけど、どこにつれて行くのだろうか
「さて、あなたは今年で十三歳になり、今日からこの国の学園に通って頂くことになります。なので、そこで教鞭をとっている。私がこうして迎えに来たというわけです」
「そうなんだ」
「わからないことだらけでしょうが、ご安心を私がついています」
「はい」
これから先のことはわからないがとりあえず、ついて行ってみることにした。