異世界ついたんだけど…
私はどこかに落ちた。
周りが暖かい。鳥のさえずりが聞こえる。
聞いたこともないような音も聞こえてくる。まるで魔物のような。
「ん…」
私は虚ろな目を開けた。自分は森にいた。だがさらに、そこには見たことのない光景が―――
口から炎を出す鳥、近くに生えている草のようなものがエネルギーを放つ。
そして、エネルギーを放つ草に向かって手を伸ばした。が、
何か違和感。そう、自分が地面から3cmほどだが離れていたのだ。
「は」
足元を2度見する。やはり浮いている。
(どうするんだこれ…着地の仕方が分からないぞ…そんなの詰みゲーじゃ…いや無理無理!どこかに着地しないと…)
頭の中はごっちゃごちゃだが、まず私はどこかに着地しようとふわふわ飛んで行った。
目の前にある木を掴もうと、手を伸ばした時。
視界に自分の手が写った。
(あ、え…なんか手、小さい?)
木に掴もうとしてた手を遠ざけて、目の前に見える日陰にあった水たまりに向かった。
急いで私は顔をのぞかせた
「え、幼いな」
写っていたのは美少女。猫のようなつり目。サファイヤのような透き通った水色の瞳孔。
そして、幼児くらいの身長。声も高くなっている。
うん、可愛いな。美少女だ。じゃなくてこれは…
とりあえずほっぺを両手で叩いた。「パアン!」という音が響く。
(夢じゃねえ…なんでこんな幼く、いやまず落ち着くんだ。)
頭が働かないが、一生懸命考えてみる。そして、たどり着いたのがこれ。
「これは…転生しているのか」
まさか湖に飛び込んだ私が転生するなんて思っても見なかった。
人生に飽きたニートが噂を勝手に信じて飛び込んだだけなのだから。
だが、どこか見覚えのある顔な気もする。
これもしかして私死んだか―――。
とりえず宙に浮いているのをなんとかしてから森を探索しよう。
お、これ力抜いたら下にいける。 なんとか着地できた。
最初はパニックでこれからどうすればいいかとか怖かった。
でも、いざ転生すると結構ワクワクするもんだ。
私は森の中を歩いてみた。今ならスタスタ歩ける。
前世だったら自転車死ぬつもりで漕ぎ、15歩歩くので限界だったり。
まあ、エネルギー0の大学生でした。
まぁ、とりあえず歩いてみたもんだが結構楽しい。なれない景色は少し怖いが。
山のようなところから出たのか、辺りは見たことない花、村も見える。
草むらに出たようだ。そして、気づいた。ふわふわの植物が近くにあった。
(ふわふわふかふかだ…よし日向ぼっこするか)
かけよって、ふわふわに向かってばふーんした。
日向ぼっこのつもりだったけどこれは暖かい。寝ることにした。
「あったかい…」
私は眠った。