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第九章 終わらない地獄 2 楽夜VSスライムクイーン

「さて、どうしてやろうかしら? 先に精神を痛めつけても良いし、肉体から痛めつけても良いわ。もう刀は取り上げてあるし、ゆっくりと痛めつけてあげるわ!」


 スライムクイーンは、そう言うと、触手で、俺の左腕に装備されている『不壊の盾』を剥ぎ取ろうとしてくる。俺は、右腕で盾を守るために、右腕を動かそうとした。が、右腕は未だに触手に絡みつかれていて、動かすことができない。と、俺が右腕を動かそうとしている間に、俺の左腕に装備されていた『不壊の盾』が取り上げられてしまう。


「なっ……」

「これで準備は整ったわ。じゃあ、まずは、触手達、トゲを生やして!」


 そうスライムクイーンが指示すると、俺に絡みついている触手に、鋭く尖ったトゲが生える。そのトゲは、俺の体のあちこちに突き刺さり、俺にダメージと苦痛を与える。


「くっ……」

「どうかしら? 抵抗もできない状態で、体のあちこちを突き刺される気分は?」

「一言で言い表すなら、最悪だな!」

「ウフフ、強がっているのかしら? じゃあ、次は、こうしてみるのはどうかしら?」


 そうスライムクイーンが言うと、触手が紫色に染まっていき、紫色に染まったトゲから、俺の体内に何かが入り込んでくる。と、俺の体に、まるで体が体内から破壊されるかのような痛みが走る。


「ああ――ッ!」

「アハハハハ! 効果はてきめんのようね。やはり、人間は弱っちいのね。スライムクイーンである私には効くはずもない毒なのに、人間は、すぐそうやって苦しみ、叫ぶなんて」

「スライムよりも人間の方が弱いと言われるのは許しがたいがな!」


 俺は、そうせめてもの反撃になればと思い、言い返す。だが、しかし。


「そうよ。人間は、スライムである私よりも弱いのよ。あなたよりも武器や自身の戦闘の熟練度が低い未熟者の素人は勿論、あなたよりも戦闘経験を積んで、武器を使いこなし、頭がよく切れる者でさえ、私には負けるのよ。まあ、流石に、世界トップレベルの実力を持つとされる、英雄や勇者と呼ばれる者達には、私でも負けるけれどね。……さて、これで実力の差が分かったかしら? さっさと負けを認めて……」


 そうスライムクイーンが自慢のように言葉を並べるが、俺は特にすごいとは思わない。


「そうか。だが、自分の自慢を並べたところで、俺はすごいとは……」


 と、その時。俺の口の中に大量のスライムが入ってきて、強制的に俺の言葉を途切れさせる。


「一旦黙っててもらうわ」


 そのスライムクイーンの声が俺の耳に届いたときには、すでに俺の口の中は、スライムで埋め尽くされていた。これでは、話すことは勿論、息を吸うのも一苦労だ。が、今の俺にどうにかできる問題ではないので、そのまま放置するしかない。

 そう俺が考えていると、俺の心に直接、声が流れ込んできた。


「私達の主である、グレン様を裏切ったのが悪いのよ。例え、いかなる状況に置かれていたとしても、裏切るという行為は、決して許されないわ。そんな人には、私が制裁を加えなきゃいけなくなるのよ」


 恐らく、スライムクイーンが、『誘言』を使って、俺の心に直接声を届けたのだろう。と、次の瞬間。俺の腹部に激痛が走る。俺は、思わず悲鳴を上げようとしたが、口の中を占領しているスライムのせいで、そうすることはかなわない。俺が目線を下げ、腹部の状態を見ると、そこには、十文字に開いた傷と、そこから流れ出る大量の血によって、地獄絵図を見ているのかという程の悲惨な光景が広がっていた。俺は、目を動かし、俺を傷つけた刃物を探す。が、見える限りの範囲には、刃物どころか、金属物すら見当たらなかった。


「そう、あなたを信じてくれる人なんて、一人もいないのよ。こうやってあなたが苦しんでいても、誰もあなたの助けに入らないもの」


 再び、スライムクイーンの声が、俺の心の中に響く。と、今度は、俺の背中に、激痛が走る。背中の様子を目視することはできないが、恐らく、腹部と同じように、十字に斬られていて、大量に出血しているのだろう。だが、くるとは分かっていても、抵抗することはできない。


「そうそう、グレン様から聞いた話があるんだったわ。グレン様によると、あなた達の迷宮に、一人の男を出向かせたそうよ。ちなみに、その男の名は、ラドン」

 こんにちは、子りっくです。あけましておめでとうございます。いつも私の作品をお読みいただき、ありがとうございます。今後とも、何卒よろしくお願い致します。

 突然ですが、最近シリアスな展開ばかりが続いて、読み疲れている方、いらっしゃるのではないでしょうか。そんな時には、一度、『転生させるトラックだった件』をお読みになってみてはいかがでしょう。只今、『転生させるトラックだった件』の連載版の執筆にも力を入れておりますので、この機会にぜひ、読んでいただければと思います。

 これからも、私と私の作品をどうぞよろしくお願い致します。

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