第六章 襲撃者達 3 終戦の時
「くらって! 『大星大破壊』!」
エミルがそう唱え、石畳にハンマーを打ちつける。と、ハンマーが打ちつけられた所から、衝撃波が生まれる。その衝撃波は、凄まじい速度で、クロム達に迫る。クロムはかろうじて反応し、足にケガを負うだけで済んだが、クロームは、反応する事すらかなわずに、胴を真っ二つに斬られてしまった。
クロームが、倒れた。これで、エミルの勝率はぐっと上がったかと思われた――が、その時。
「反撃よ! 『起死回生』!」
クロームがそう唱えると、クロームは、一瞬にして起き上がり、即座にクロムから剣を受け取り、エミルの背中に斬りつける。
「アア――ッ!」
エミルは、そう叫びつつも、『ダメージ付与』を発動し、仲間達に限界まで、ダメージを割り振っていた。それが、エミルの命を救った。ダメージを回していた事で、エミルは、ギリギリで耐えることが出来たのだ。とは言え、それでも、大ダメージを負ったのは紛れもない事実なので、戦闘続行は困難ではあるが。
と、復活したクロームが、術を行使する。
「癒しの力を分け与えよ! 『パーフェクトヒール』!」
クロームが、『パーフェクトヒール』で、クロムを回復させた。このままでは、エミルの敗北は、ほぼ確実だ。
と、その時。戦況を引っくり返すような奇跡が起きる。
「う、う~ん……」
と何者かが声を上げた。エミルがその方に目を向けると、顔を輝かせる。
エミルの視線の先で、マジカルが起き出してきていた。さらに、他の仲間も起き出しつつあった。
これに焦ったのは、クロムとクロームだ。
「マズいわね……この状態で7対2は、圧倒的に分が悪いわね……」
「一旦引きましょう。楽夜を連れて帰れるだけでも、十分な成果でしょう。」
「そうね。楽夜を連れて、我が主君の元へと帰りましょう。」
クロムとクロームは、そう相談した後、エミルに、こう忠告する。
「楽夜はもらっていくわ。返してほしければ、ヒューリ国の首都、ヒューリ城に来ることね。エミル、あなたが楽夜を取り返しにヒューリ城に来るのを待っているわ。その時は、返り討ちにして、あなたも捕らえてあげるから。じゃあ、また会いましょう。」
そう言い、クロムとクロームは、大扉から飛び出して、走り去っていった。
「楽夜、待ってて。私が絶対助けに行くから。」
そうエミルは呟き、決意を固めたのだった。




