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第一章 冒険の始まり 2 猫の名前

 『【力】の象徴 カロリーニャ』と同種族で、カロリーニャの配下である猫魔物は、その名をニャーロと言った。

 そして、ニャーロ――というよりは、ニャーロのような、ニャロニードという種族には、固有スキルがあった。

 一つ目は、『暴走』だ。このスキルは、自身がピンチに陥った際に、エネルギー消費無しで発動する。このスキルが発動すると、全ての技の威力が1.2倍になり、暴走状態でしか発動できない技もある。さらに、このスキルは、スキル名とは違い、『暴走』を発動しても、理性を失う訳では無く、技の威力が上がるだけと言うのが、大きな強みだ。

 二つ目は、『分身』だ。エネルギー消費は1で、それ以外の点は、楽夜のスキルと同じだ。発動すると、自身の分身が召喚される。分身は、ダメージを受けず、維持するのにエネルギーは必要無い。また、本体の技もそのまま使用出来る。

 三つ目は、『伝達』だ。このスキルは、ニャロニードのボスと、連絡を取り合えるというもので、エネルギー消費は無い。このスキルを活用すれば、戦闘時に、ニャロニードのボス――カロリーニャと、ニャーロとの間で、指示を内密に伝える、なんてことも出来るのだ。

 この3つのスキルのおかげで、ただでさえ強く、恐れられているニャロニードを、余計に恐れさせているのだ。

 さらに、ニャーロは、自力での新たなスキルの修得に成功していた。

 そのスキルは、『誘惑香』というものだ。このスキルは、常時発動しており、エネルギー消費も無い。そのスキルの効果は、敵の誘惑である。具体的に言うと、体から出ている甘い香りで、敵を誘惑し、自分の支配下に置き、自分の思いのままにする事が出来る。問題は、成功率が低い点だが……ニャーロ本人は、何度も攻撃すれば、いつかは誘惑に成功すると分かっているので、別に問題は無いだろう。

 そんなニャーロの元に、カロリーニャから伝達が届く。ニャーロは、すぐさま『伝達』を発動し、ボスとの連絡を始める。


『ニャーロよ、獲物は発見出来ましたか。』

「はい、カロリーニャ様。王都外れの森のそばの、大岩付近で、人間を二人発見致しました。その二人は、大岩に設置されていた大扉の中に避難し、只今より、その中に入ろうとしていたところでありました。」

『そうですか。では、その人間を弱らせ、いつものとおり、私の元へと連れて来なさい。人間は、我らの限られた糧。そのことを自覚して、いつもどおり狩りに望みなさい。』

「承知致しました。速やかに狩りを終え、帰還致します。」


 ニャーロとカロリーニャは、そうやり取りをし、『伝達』の発動を終える。そして、迷宮の大扉を開ける。

 これにより、楽夜達とニャーロとの再戦が始まる。

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