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第四章 最強を名乗りし者 3 指導と頼み

 俺達は、会議を始める。


「俺達の課題は、先程エリュンが指摘した通りだ。それを踏まえて、まずは、各々の役割から決めていこう。まずは、前衛だ。攻撃力も必要だが、それ以上に、防御力が求められる役割だ。中、後衛が安全に攻撃できるように、しっかりと守ってやれる者が良い。誰か、この役目を引き受けてくれる者はいるか?」

「……私が行く。」

「お任せください!」


 立候補してくれたのは、オリクとガードンだ。俺は、二人の特徴を踏まえ、二人が前衛に適しているかを考えていく。

 まず、オリクだ。オリクは、防御力が全て100以上で、バランスが取れている。さらに、盾の性能も高く、俺の仲間達の中では、最高の防御力を誇っている。唯一不安な点があるとすれば、遠距離攻撃型の銃では、攻撃役としては活躍できない事くらいだろうか……。

 次に、ガードンだ。こっちは、攻撃は一切しない、防御オンリーの戦士だ。それだけに、防御には重点を置く事ができる。ポイントを割り振れば、オリクを越える防御の持ち主になれるかもしれない。もしかすると、盾士の枠を抜け出して、守護者ガーディアンになっちゃったりして? なんて事も考えている。

 さて、結論だが――


「分かった。前衛には、ガードンを任命する。ポイントを割り振らずに待っていてくれ。」

「ありがとうございます! 楽夜様の為、日々精進し続けます!」


 ガードンは嬉しそうにしているな。


「楽夜、私が駄目だった理由が知りたい。」

「オリク、確かにお前は、防御面では優秀だ。だが、攻撃面に目を向けてみて欲しい。銃は、近距離戦闘には向いていない。そうすると、オリクのもう一つの強みである攻撃の能力が発揮できなくなるだろ? そうなると、お前の実力を存分に発揮できないだろ?」

「確かに。気を配ってくれて、ありがとう。」

「オリクには別の役目を与えたい。もう少し待っててくれ。」


 これで、前衛は決まったな。さて、次だ。


「次は、前衛の後ろに入って、守ってもらいつつ、攻撃する役目だ。最悪、防御力は低くても良いから、近距離戦闘が得意で、攻撃力が高い者が良い。ここには、俺も入るつもりだ。立候補してくれる者はいるか?」

「私は入るわ。攻撃なら任せて!」

「俺も入るな。後列に入って、足手まといになるのは御免だからな。」


 エミルとジョンが立候補してくれた。

 まずはエミルだが、これは言うまでもない。俺達の中で最強の攻撃を放つ事ができるので、エミルは確定だ。

 その一方で、ジョンは要検討だ。攻撃力は、俺に比べると、大きく劣る。ポイントで強化すれば、まだ強くはなるが、採用するかどうかはよく考えないとな……。


「よし、ここには、俺、エミル、ジョンを任命する。ガードンと同じく、勝手にポイントを割り振らずに待っていてくれ。」

「分かったわ!」


 エミルは、そう自信満々に返事をしてくれた。ジョンも、ホッとしたような表情で、胸を撫で下ろしていた。


「次は、後衛とその護衛だ。後衛には、マジカルとシュートとレックスを、護衛にはオリクをそれぞれ任命したいと思うんだが、いいか?」

「勿論!」

「任せとけ!」

「勿論さ。」

「任せて。守りきってみせる。」


 異論は無いようだ。これで、全員の役割が決まって、一段落――かと思いきや、ジョンから提案が。


「楽夜、役割が決まったのは良いが、一人一人に指示を飛ばして、より戦闘を有利に進めるための、指揮官が必要だと思わないか?」

「あー、確かにな。で、ジョンとしては、誰を推したいんだ?」

「無論、楽夜だ。」

「え?」

「だって、楽夜は、戦闘センスもあるし、何より、この世界に適応できてるだろ?」

「まあ、確かにそうだけどな……そうだ、異論のあるやつはいるか?」


 そんな責任重大な役目は、できれば引き受けたくなかったので、俺は、誰かしらから声が上がる事を願って、そうエミル達に問ったのだが、俺のその願い虚しく、反対する者はいなかった。


「分かったよ。やれば良いんだろ? 戦いながらの指示出しになるから、多少指示が遅れると思うが、そこは許容してくれよ?」

「勿論だ。」


 こうして、俺が指揮官となり、俺達の役割が決まったのだった。

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