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第一章 冒険の始まり 2 猫の名前

 俺は、スライムに勝利した後、休息を取っていた。しかし、その時間は終わりを告げる。


「キャァァァ――!」


 女性の悲鳴が聞こえ、その直後、激しい戦闘音が聞こえ出す。

 これを機に、俺の戦いは、第二戦へと移行するのだった。


      ・・・・・・・・・


 俺が守護部屋から出ると、そこでは、男と、二足歩行の猫のような魔物が、激しい戦闘を繰り広げていた。そこから少し離れたところでは、先ほど悲鳴を上げたと思われる女性の姿があった。

 俺も手助けに入りたいのだが、俺が戦闘に入ってしまうと、かえって男を不利にさせてしまいかねないだろう。そう考えた俺は、戦闘の行方を見守る。

 男と猫魔物の実力は、ほとんど互角で、お互いにまだ一撃もくらっていないのが現状だ。しかし、長期戦になるのならば、話は別だ。魔物よりも人間の方が、体力の消耗が早い。そのため、男が負けるのは、時間の問題だ。


「男を助けてやってくれ! 『分身』召喚!」


 俺は、男を助けるため、分身を送り出す。しかし、その分身を見た猫魔物も、分身を繰り出した。

 これによって、再び男が不利になってしまった。

 俺は、思いきって、男に声をかける。


「安全な時を見計らって、ここの中に避難してくれ! 取りあえず、女性は避難させておく!」


 すると、男は、返事を返してくれる。


「分かった。エミルさんを頼んだぞ!」


 俺は、その返事を聞き、男がエミルと言っていた女性を、迷宮の中へと避難させた。

 そして、俺は、いつでも男の援護に入れるように、迷宮の外で、様子を見る。

 男は、エミルが迷宮の中に避難したのを見て、ほっとした様子だった。しかし、ここで、男にピンチが訪れる。

 猫魔物が、拳を振り上げ、男目掛けて振り下ろす。

 男は、ほっとしていたことで、緊張が解けてしまっていた。そのせいで、猫魔物の拳に反応できず、拳に押し潰されてしまった。


「大丈夫か!?」


 俺がそう声を掛けると、拳から抜け出そうとしている男の姿が見えた。


「俺は大丈夫だ! 安心してくれ!」


 そう言い、必死で抜け出そうとしているがあと一歩のところで抜け出せずにいた。


「分身、男を助け出してやれ!」


 俺が分身にそう指示を出すと、分身は、その指示どおり、猫魔物の拳をどかし、男を救い出した。

 そして、そこからは、男の反撃だ。


「くらえ! 『ぐるぐるスイング』!」


 男はそう唱え、回転しながら、ハンマーを2回猫魔物に打ちつけた。


「まだまだ! 『打ちつける』!」


 男は、さらにもう1回ハンマーを猫魔物に打ちつける。


「今の内に避難するぞ!」

「ああ!」


 俺達は、そう会話をし、迷宮の中に避難した。


      ・・・・・・・・・


 ひとまず、男とエミルを救う事ができて、本当に良かった。だが、あの猫魔物は、今も二人を探しているだろう。時間に余裕はないな。今のうちに、情報共有しておこう。


「俺は、高藤 楽夜。この迷宮の守護をしている。」


 すると、エミルも自己紹介してくれた。


「ラドンから聞いたとは思うけれど、改めて自己紹介するわ。私の名前は、ナリ・エミル。さっきは、助けてくれて、ありがとう。こっちのラドンは、元冒険者なの。大岩を目指して歩いて来たんだけど、あの猫魔物に襲われてしまって……」


 なるほど。そんなことがあったのか。取りあえず、猫魔物から、彼女達を逃がしてあげないとな。


「そうだったのか。恐らく、あの猫魔物は、今も二人を狙っているだろう。ここは、俺が食い止める。二人は、逃げてくれ。」

「いや、待て。俺達も一緒に戦おう。」


 そうラドンが言った。俺としては、二人を安全なところに逃がせれば、それでいいんだが……

 一応、理由を聞いておこう。


「何故だ?」

「楽夜は、分身系のスキルか術を修得しているようだな。この世界では、分身系のスキル持ちは希少とされている。命の恩人に言って良い事では無いとは承知だが、この際、言っておこう。君には、実力が伴っていないと感じる。君には、カロリーニャの配下と対等に戦える力がまだない。だから、俺も一緒に戦うことを提案した。」


 なるほど。確かに、俺は、あいつと対等に戦うことはできないな。

 ちなみに、俺の記憶が正しければ、ラドンが言っていたカロリーニャとは、この世界の五大魔物のうちの一体で、【力】の象徴とされている。他の四体も紹介しておこう。


【魔術】の象徴 マジアーヌ

【回復】の象徴 ヒラリー

【速さ】の象徴 スピラーノ

【防御】の象徴 ガディアント


 である。この五大魔物はとても強く、それぞれの象徴である能力に特化している。

 さて、ラドンへの返答はと言うと……


「なるほど。ラドンの指摘は正確だ。共に戦おう。」

「ああ。では、猫魔物との決戦に備えて、準備をしよう。」


 俺とラドンは、そう言葉を交わし、握手する。

 こうして、俺とラドンの共闘が決定したのだった。

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