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第三章 無双と枷 1 ゴブリンの軍勢

 楽夜達は、皆、部屋で眠りについている。そこへ、不穏な影が迫る……。

 大扉がゆっくりと開き、そこから、人型の魔物が顔を覗かせる。そう、ゴブリンだ。

 最初のゴブリンが部屋に入ると、次々にゴブリン達が押し寄せ、やがて、ゴブリンが部屋を埋め尽くす。

 そのゴブリンの数、500。

 ゴブリンは、人や他の魔物の肉を食料とする魔物だ。そのため、楽夜達を大扉の外へと運び出そうとする。

 が、大量のゴブリンが自分達の周りをウロチョロしていて、気付かない訳が無い。真っ先に気づいた楽夜が、


「敵が来たぞ! みんな、起きろ!」


 と声を上げ、エミル達を起こし、直ちに戦闘体勢を取る。

 これが、長い戦いの始まりとなる――


      ・・・・・・・・・


 早めに気づけて良かったと思いつつ、俺達は、ゴブリンと戦う。初めに仕掛けたのは、俺だ。


「くらえ! 『高速斬り』!」


 そう言い、ゴブリンに斬りつける。すると、ゴブリンは、叫び声を上げながら、粉々に砕け散った。

 その間に、オリクは、銃を乱射していた。数を素早く減らして、受けるダメージをできるだけ少なくする作戦のようだ。

 案の定、ゴブリンは次々と倒れていく。しかし、ゴブリンの総数は多く、その分、受けるダメージも増えてしまう。

 と、ゴブリンが、俺に向かって何かを投げた。それが俺の体に当たると、俺の体に電流が流れる。


「くっ……」


 俺は、動きが少し鈍くなってしまった。

 さらに、その隙に、魔法使いゴブリンが、何かを唱える。すると、俺の周りに、水色の球が出現した。その球の中にいた俺は、異変を感じる。


(寒い……ついさっきまでは、こんなに寒くなかったはず……)


 俺の腕に視線を向けると、俺の腕が凍っていることに気がついた。

 さらに、みるみるうちに、胸や足、顔まで凍っていく。そして、ついに、全身が凍っていた。


(動けない……なんて固い氷なんだ……)


 俺はそう考えながら、戦いの行方を見守る。


「まとめて吹き飛ばす! 『暴風』!」


 マジカルがそう唱えると、部屋中に激しい風が吹き荒れる。その風に耐えきれずに吹き飛ばされたゴブリン達は、壁に叩きつけられたり、他のゴブリンと衝突したりして、次々に消えていく。しかし、まだまだ数は残っている。

 と、ここで、ゴブリンの反撃が。

 ゴブリンが、マジカルに向けて、短剣で攻撃をする。マジカルは、近接戦闘には向いていない。そのため、ゴブリンに押されてしまっている。

 さらに、エミルの頭上に、黒雲が発生し、その黒雲から、雷が降り注ぐ。


「キャァァ――!」


 エミルがそう悲鳴を上げた。すると、黒雲を出した、魔法使いのようなゴブリンが、クスクスと笑う。

 どこかで同じような光景を見たような……そうだ、ジュリンだ。俺や俺の仲間を苦しめて、自分だけ楽しむ……最悪なヤツだったな。こいつも、ジュリンと同じようなヤツなのだとしたら……俺が復帰した時には、真っ先に倒してやる……と心に決意を刻んだのだった。

 さて、マジカルの援護には、ジョンが入った。


「『心臓突き』!」


 ジョンは、その一撃で、短剣持ちのゴブリンを仕留めた。

 一方、エミルの援護には、ガードンがついたのだが、雷が次々に降って来ているため、ガードンにも疲れが見える。

 そこへ、救世主がやって来た。

 その人物は……


「私が守る! 『マジックバリア』、発動!」


 そう、マジカルだ。マジカルがそう唱えると、黒雲とエミル達の間に、バリアが出現し、エミルとガードンを、バリアが守る。


「マジカル! ありがとう!」

「どうってこと無いよ! さあ、集中していこう!」


 そのマジカルの言葉で、エミルは、気合いを入れ直した。

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