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第二章 更なる戦い 4 頼れる仲間達

 楽夜達は、明日に向け、休息を取る。と、エミルが楽夜に話しかける。


「そういえば、楽夜って、ジュリンの『樹木爆発』で一回死んだんだよね。でも、何で生き返ってこれたの?」

「ああ、それはな……」


 楽夜は、事の顛末を、エミルに語り始めた。


      ・・・・・・・・・


 時は遡り、楽夜がジュリンに殺され、エミルが復活した頃だ。

 楽夜は、どこを見渡しても真っ白な世界にいた。


「誰かいないのか!? いるなら、返事をしてくれ!」


 そう楽夜が呼び掛けるも、どこからも返事が無いどころか、声が反響してくることすらも無い。つまり、この世界には、何も無いという事だ。

 さらに、楽夜がどれだけ歩いても、その空間の終わりが見えない。つまり、この世界は、それだけ広大なのか、最悪、この世界に終わりが無いという事になる。

 と、楽夜の脳内に、聞き覚えのある声が流れ込んでくる。


『あはは! 久しぶり! ここに来たって事は、誰かに殺されたって事だよね。そこで、いきなりだけど、ゲーム世界に戻りたい?』


 そう、エリュンの声だ。


「いくつか訊きたい事があるんだが、答えるのはそれからでもいいか?」

『うん、いいよ!』

「じゃあ、質問タイムだ。まず、俺をゲーム世界に送り出す時に、『ゲーム世界に行ったら、私の声は聞こえなくなる』って言ってたよな? でも、今は聞こえている。これは何故だ?」

『それはね、ここが、ゲーム世界と現実世界のどっちにも属さない『死後の世界』で、この世界でなら、楽夜さんの脳に直接話しかける事が出来るからなの!』

「なるほど。じゃあ、次だ。もし、ここで俺がNOと答えた場合、俺はどうなるんだ?」

『その場合、楽夜さんは、現実世界でも、死んでしまうから……』

「俺が生き続けるためには、YESと答えるしかない訳だな。」

『そうなの。NOと答えると、現実世界の楽夜さんも、瞬時に死んでしまうから、慎重に考えてね!』

「ちなみに、ついでと言っては何だが、現実世界の俺の体は、どうなっているんだ?」

『今、楽夜さんの体は、一旦、現実世界からは消えていて、ゲーム世界をクリアしたら、体が現実世界に出現して、意識も戻るけど、現実世界に戻れなくなったら、楽夜さんの体は、一生消滅したままになっちゃうから、気をつけてね。』

「それじゃあ、最後の質問だ。ゲーム世界に戻りたいかを訊いているって事は、生き返れるんだな。そこで、だ。生き返れる回数に制限はあるか?」

『あるよ! 五回までなら生き返りできるよ! でも、六回以上死んじゃうと、現実世界でも死んでしまうし、この『死後の世界』を永遠にさ迷い続ける事になるからね! で、質問は終わりでいいんだよね?』

「ああ。ゲーム世界に戻りたいかという質問の答えだが、勿論YESだ。エミルが復活した気配がしたから、早く手助けをしなきゃいけないしな!」

『分かった! じゃあ、これから、ゲーム世界に戻すからね! 気をつけてね!』


 すると、楽夜の視界が真っ暗になり、意識が途絶える。そして、楽夜が気づいた頃には、この部屋に戻っていた。


      ・・・・・・・・・


 という事を、楽夜は、エミルに包み隠さず話した。


「へえ~! そんなことがあったのね。ところで、エリュンさんが、何度も現実世界って言ってるけど、まさか、楽夜って、別の世界から来たの?」


 そうエミルに言われた楽夜は、ドキッとした。


(マズい、俺が異世界人だとバレる!? でも、話してしまった以上、話すしかないか……)


 そう腹をくくった楽夜は、


「ああ。俺は、別の世界から来た。属に言う、異世界人ってやつだ。」


 と告白した。それを聞いたエミルから、衝撃の事実がもたらされる。


「楽夜も!? 実は、私も異世界人なの!」


 とエミルが言ったのだ。これには、流石の楽夜も驚きを隠せない。


「エミルもなのか!? 俺と一緒じゃないか!? だが、エミル、この事は、秘密にしよう。異世界から来たやつに興味を持たないやつがいないとは到底思えない。変な人に絡まれないようにするために、だ。いいな、約束だ!」

「ええ!」


 楽夜とエミルはそう会話を交わした後、深い眠りについた。

 ジュリンの脅威を振り払った楽夜達。だが、そんな彼らの元に、新たな敵達が忍び寄る……

 果たして、楽夜達は、新たな敵を倒し、迷宮を守れるか!?

 次回、第三章スタート! お楽しみに!

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