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第二章 更なる戦い 4 頼れる仲間達

 ジョンが敵になった後、俺の状況はますます悪くなっていた。ジュリンは、自らを楽しませるために、より強い技を使い、さらに俺を苦しませてきた。


「もっと苦しみ、悶え、苦痛の叫びを上げて、私を満足させて! 『ライフブレイク』!」


 そうジュリンが唱えると、ジュリンの右腕が、人間の腕に戻り、その拳が、ピンク色に光る。そして、ジュリンが、俺に殴りかかって来る。その拳が、俺の体を貫くと、俺の体に激痛が走る。


「ぎゃああ――!」


 それを見たジュリンとジョンが、再び笑いだす。


「フフフ! 愉快ね!」

「そうだな。敵をいたぶるのは、こんなにも楽しかったんだな!」

「ええ、そうね! こんなに愉快になったのは、久しぶりだわ!」


 そのような会話を交わす、ジョンとジュリンだったが、その楽しげな会話ももう間もなく終わろうとしていた。

 俺は、余りの痛みを何度も繰り返し受けたことで、痛みへの耐性がつこうとしていた。そのため、あと一、二回程攻撃を受ければ、ジュリン達の楽しみは終わる。そうなれば、俺が痛みに苦しみ、悶え、苦痛の叫びを上げることもなくなる。

 だが、ここで、またしてもジュリンが動く。


「もう苦痛の叫びを上げることはないのね。それじゃあ、最後に、この強力な一撃をくらって、この世を去りなさい! 『樹木召喚』! そして、一斉に『樹木爆発』!」


 そうジュリンが唱えている間にも、樹木が次々と生えてきて、俺の周りを囲む。そして、ジュリンが唱え終わった瞬間、俺は、本当の死を迎える。

 激しい炎と爆風で、俺の体は焼き焦がされる。そして、俺は、最後となるであろう苦痛の叫びを上げる。


「ああぁ――ッ!」


 その瞬間、俺の体に異変が起こる。俺の体から、全ての力が抜ける。炎に焼かれ、爆風にもまれているはずなのに、何故か寒い。


「ジュリン……何をした……?」


 俺がそう聞くと、ジュリンはこう答える。


「簡単なことよ。私の『死者体現』を解除したの。だから、あなたは、もうじき死ぬわ。誰にも心配されずにね。」


 俺は、ジュリンのその言葉を聞いて、初めて、死への恐怖を感じた。恐怖心が、次々と湧き出してくる。


「俺が死ぬ……だと!? ジュリン! 俺を救う方法は無いのか!?」


 そうジュリンに聞くが、返事は無い。


「教えてくれよ、ジュリン! おい!」


 そのまま、俺は目を瞑る。微かにエミルの声が聞こえた気がしたが、気のせいだろうか。

 今はそれすら考えているひまは無い。俺はもうじき死んでしまうのだから……。

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