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第二章 更なる戦い 1 樹木の魔人

 迷宮から少し離れたところにある王都のある家で、姉妹が仲良く遊んでいた。


「あはは!」


 と、時折楽しそうな笑い声も聞こえる。

 しかし、そんな姉妹の幸せな時間は、突然に終わりを告げる。

 姉の動きが、突然止まった。


「お姉ちゃん?」


 妹が心配して姉に近づくと、姉は腕を妹に向けて振る。それだけで、妹の体は宙を飛び、家の外壁に衝突した。

 かろうじて妹は生きていたが、姉の方を向いた瞬間、目を見開くことになる。


「お姉ちゃん……じゃない……!」


 姉は、目が赤く光り、身長も50センチぐらい伸びていた。さらに、妹に対する愛情も消え去っている。

 その証拠に、姉は、妹に向けて、『ファイアボール』を放っている。

 その『ファイアボール』は、妹や家を燃やし、周りの住宅にまで燃え広がる。

 姉は、その光景を少しの間見届けた後、迷宮に向かって歩きだした。迷宮に挑戦するのか、それとも――


      ・・・・・・・・・


 俺達は、休息を取り終わり、次の戦闘に向けた準備をしていた。


「エミル、ステータスを開くと、その右上の方に、『ステータス強化』という項目がある。そこに意識を向けて、『ステータス強化』を開いてみてくれ。」

「できたよ。」

「よし、じゃあ、次だ。『金のハンマー』はもう強化出来ないから、エミルのステータスの『ハンマー攻撃力』を強化させよう。」

「これでいい?」

「どれどれ……? オッケーだ。ちゃんと、『ハンマー攻撃力』が上がっているな。」

「楽夜、ありがとう!」

「どういたしまして。」


 さて、俺も、強化するか。今のポイントは、3ポイントだ。3ポイントなら、『真剣』が強化出来るな。強化を選択して……よし。強化が完了して、『真剣』が、『超真剣』に進化した。

 これで準備万端。あとは、敵が来るのを待つだけだな。

 と、その時、大扉が開く。


「みんな、敵が来たぞ!」


 俺達は、武器を構える。すると、信じられないことが起きた。


「私は、樹木の魔人、ジュリン。あなた達を倒しに来たの。」


 そう、魔人がしゃべったのだ。

 魔人とは、魔物と人間の真ん中に位置する種族で、個体数はかなり少ない。その上、魔物の中では五大魔物にしか扱えない人語を扱える個体が多い、というのが俺がゲームを作った時に付けた設定だった。


「みんな、気を引き締めて行こう!」


 そう俺が言い、先陣を切る。


「くらえ! 『高速斬り』!」


 今回は、油断したら即、死にそうな気がする。最初からアクセル全開で行く。

 ところが。


「策の無い特攻は無駄! 『樹木召喚』!」


 ジュリンがそう唱える。すると、地面から樹木が飛び出し、俺の体に巻き付く。そして、俺は、樹木に捕らえられてしまう。


「楽夜……助ける。『撃つ』」


 そう唱え、オリクが銃を発砲する。が、


「無駄よ。『樹木召喚』!」


 樹木が地面から生え、オリクが放った銃弾を弾き返す。


「避けて!」


 エミルがそう声をかけ、弾き返された銃弾を避ける。が、そこに樹木が近づき、エミルを弾き飛ばす。


「キャッ!」


 とエミルは悲鳴を上げながら、壁に叩きつけられる。そこにジュリンが近づき、エミルに向かって手をかざす。


「樹木よ、やりなさい! 『叩き潰す』!」


 樹木がエミルを潰す――その瞬間。


「お願い! 『ダメージ付与』!」


 そう言い、エミルは、ガードンにダメージを渡す。それを見たジュリンは、僅かに驚いている。


「便利なスキルね。ほんの1分くらいで全滅させられると思ってたのに、そうはいかなさそうね。いいわ。少しだけ、本気を出してあげる。」


 ここから、戦闘は、激化していくのだった。

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