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第一章 冒険の始まり 5 エミルの力

「行くわ! 『打ちつける』!」


 エミルは、そう大声で唱えると、ニャーロにハンマーを打ちつけた。ニャーロは、そのハンマーに当たってしまい、ダメージを受ける。

 さらに、女が、エミルを援護するために、銃を発砲する。

 ニャーロは、銃弾をかわさず、ダメージを負う。が、ニャーロは、それさえも気にせず、エミルに殴りかかって行く。

 エミルは、『ダメージ付与』で、女にダメージを渡す。が、エミルは、あることに気づいていた。エミルも女も、もう余力が少ないと。そのため、出来るだけ、受けるダメージを減らす必要がある。

 そのために重要視されるのは、回避と早期決戦だ。回避は、成功すれば、受けるダメージを確実に0にすることが出来るが、重い武器を持っている場合、回避は困難になり、さらに、体力を激しく消費するため、マイナスになりかねない。そのため、エミルには、回避はおすすめ出来ない。一方、早期決戦は、相手に先手を譲らず、ひたすら攻めて、攻めて、攻めまくる、という戦法だ。守りが手薄になるため、反撃や、素早い攻撃を仕掛けられた場合、致命的なダメージを負いかねない。が、一撃で与えるダメージが大きい武器を持っているエミルや女には合った戦い方だ。

 さて、エミルと女がとった行動は、勿論、早期決戦だったが、ニャーロは、その考えを見抜いていた。さらに、二人の余力がほとんど無いことも見抜いていた。そこで、ニャーロは、更なる力を解放する。


「力を我に! 『エネルギーコア』!」


 そうニャーロが唱えると、ニャーロの頭上に球体が出現する。そして、その球体から管が一本飛び出し、ニャーロにつながる。その後、ニャーロは、


「まだまだ! 『叩きのめす』!」


 と唱え、エミルに攻撃を仕掛ける。エミルは、ハンマーで攻撃を受け止め、跳ね返す。が、気になることがあった。それは、ニャーロのエネルギーについてだ。

 ニャーロのエネルギーは、かなり消費されており、『叩きのめす』を出せる程残っていなかったはずだ。が、何故か、ニャーロは、『叩きのめす』を出すことが出来た。何故なのか。その秘密は、先程ニャーロが使用した、『エネルギーコア』にあった。

 『エネルギーコア』の機能は、エネルギーの供給である。そのため、ニャーロは、エネルギーの最高値よりも消費エネルギーが少ない技は、制限なく出すことが出来るのだ。

 ニャーロは、勿論、そのことをよく知っている。その力を使いこなして、エミル達を倒そうとしている。


「くらえ! 『パワークラッシュ』!」


 ニャーロは、自身の持つ必殺技を、女に向けて繰り出す。が、女には軽々と避けられてしまう。

 さらに、その間に、エミルは、ニャーロの頭上に浮かんでいる、エネルギーコアにハンマーを打ちつけていた。すると、エネルギーコアにひびが入る。そして、そのひびは少しずつ広がって行き、やがて、エネルギーコアは粉々に砕け散る。

 エミルは、エネルギーコアから放出されたエネルギーで、自身のエネルギーを補充する。そして、そのエネルギーで、ニャーロを倒そうとする。が、ニャーロの分身達がそれを許さない。

 ニャーロの分身二体がエミルを押さえつけ、そこにオーラの魔物が爆撃を放つ。が、エミルは、ハンマーで爆撃を防ぎ、さらに、ハンマーを分身二体に打ちつける。

 ニャーロの分身達は、いきなりの反撃に驚き、エミルを押さえつけていた手を離し、エミルから距離を取り、様子を伺う。

 と、その時。

 楽夜が、エミルに向かって、『高速斬り』を放った。それをエミルはハンマーでガードし、反撃の『打ちつける』を繰り出そうとした。が、ここでエミルはあることに気づいた。

 覚醒した自分の力では、楽夜を殺してしまうのではないか、と。

 実際、エミルが『打ちつける』を放った場合、楽夜は、ほぼ確実に死んでいた。『高速斬り』が受け止められ、押し返され、体勢を崩していたため、回避は不可能で、盾でのガードも非常に困難だったからだ。

 そして、この楽夜の行動のせいで、またもエミル達の戦況は悪くなった。何故かというと、エミルは楽夜に攻撃することが出来ず、楽夜は、エミルに好きなだけ攻撃出来る。その上、ニャーロを倒さなければ、楽夜は解放されず、勝利も出来ないが、ニャーロは、ニャーロの分身やオーラの魔物、楽夜に守られている。そのため、ニャーロを狙うことが難しいのだ。

 と、ここで、エミルと女が合流し、作戦会議を始める。


「さて、これからどうしようか。」

「……敵の数に比べて、こっちの人数の方が少ないから、強行突破は危険。囲まれたら絶対絶命。」

「そうだね。ただ、数的不利をどうやって覆そうか。」

「それなら、罠にかけて、動ける数を減らす。その上で、あの猫を始末する。」

「わかった! その作戦でいこう! ところで、罠っていうのは?」


 と、女が、何かを服のポケットから取り出す。


「これが罠。これを仕掛けて、敵を攪乱させる。」

「なるほど。じゃあ、やろう!」


 エミルと女は、そう話し合い、そして、ニャーロに勝つために、結束を深め、罠を仕掛けて行くのだった。

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