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第一章 冒険の始まり 4 救援と覚醒

 楽夜がニャーロの支配下に落ちた時、すでに、エミルは早くも命の危機にあった。ニャーロやオーラの魔物の攻撃に晒され、かろうじてそれをかわせているのが現状だった。


「くっ……」


 エミルは、苦しそうな表情を浮かべている。

 その時、倒れていたラドンが起き上がり、素早くエミルとニャーロの間に入り、エミルを攻撃しようとしていたニャーロに、ハンマーを叩きつける。

 が、ラドンがハンマーを叩きつけると、ニャーロもラドンも動けなくなってしまう。

 ニャーロは、ハンマーの衝撃で動けなくなっている。が、ラドンは、ニャーロから漏れ出たオーラに足を絡め取られており、身動きが全く取れなくなってしまっているのだ。

 これによって、エミル達は、圧倒的に不利な状況下に置かされた。

 さらに、追い撃ちをかけるように、エミルをニャーロの分身ニ体が追い詰め、ラドンの背後にはオーラの魔物が迫り、ラドンにとどめを刺そうとしている。

 万事休すかと思われたその時だった。

 大扉がわずかに開き、そこから一人の女が飛び出した。そして、手に持った銃を、ニャーロに向けて発砲する。

 ニャーロは、右腕で銃弾を防ぎ、ダメージを軽減した。が、ラドンの足に絡みついていたオーラが、わずかに緩んだ。その隙を見たラドンは、ニャーロのもとから抜け出した。

 さらに、その女は、素早い動作でエミルのもとへ向かい、エミルを救出した。

 こうして、謎の女の活躍により、ラドンとエミルは、命の危機から逃れることに成功した。

 ラドンは、この女の正体を気にしているようだが、今はそれどころではない様子だ。

 なぜなら、ニャーロ達が殺気立っているのが見て取れたからだ。

 特に殺気立っているのは、ニャーロである。

 ラドンを始末することに失敗し、更には余計な邪魔者を増やしてしまったからだ。

 しかし、こんな時でも、ニャーロの脳内は、非常に冷静だ。暴走状態であったとしても、常に最善の行動を考えている。

 そのニャーロとは正反対なのは、ニャーロの分身ニ体と、オーラの魔物である。本能のままに行動しているのだ。理由は簡単で、死を恐れることがないからだ。普通、冒険者や知性のある魔物は、死を恐れて戦う。そのため、あまりにも無茶な行動や、死のリスクが高い行動は行わない。そうなると、本来の力を出し切ることが出来ない。一方で、知性の無い魔物や、魔物の分身は、死を恐れることはない。それ故に、自分の実力を惜しみなく発揮できるのだ。

 それで、ニャーロの分身達は、大暴れしていた。

 ニャーロの分身一体が、女を背後から掴み、身動きを取れなくする。そこに、オーラの魔物が、爆撃を仕掛ける。

 女は爆撃を避けることができず、まともにくらったが、体勢を崩すことはない。

 ニャーロのもう一体の分身は、ラドンに背後から襲いかかろうとしたが、気づかれてしまい、ラドンと取っ組み合いになっている。

 そして、ニャーロは、エミルを狙う。

 エミルに向かって、ニャーロがパンチをする。そのパンチを、エミルは、盾を構えて跳ね返す。さらに。


「くらいなさい! 『豪火』!」


 エミルは、そう唱え、ニャーロに向かって、『豪火』を放つ。ニャーロは、避けきれず、『豪火』をくらう。

 こうして、エミル達は、各々の相手と対峙するのだった。

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