②痩せたい、食べたくない
「もっと痩せたい。もっと痩せたい。」
元々あまり自分に自信がなかった私は、痩せた自分に唯一自信を持てるようになりました。
コンビニでヘルシーな食べ物を選べば
「すごいね!女子力だ!」
と言われ、運動をしていると言えば
「すごい!私なんて続けられないのに!」
と言われ…
褒められることが嬉しかったんです。
お正月。同じ歳のいとこと話していました。
「みかんちゃん、今、体重何キロ?」
「42だよ!」
「すごい!!!どうやってそんなに痩せたの?」
「運動を毎日して、お菓子を控えて、朝ごはんは納豆を食べる!お菓子をどうしても食べたいときは、14時まで!」
「めっちゃすごいじゃん!私は続かないわ〜」
自分の体重が低いこと、少食なことなどに自信を持っていました。
「女子力 = 少食」
とも思っていました。
月日は流れ中学3年生の7月。その間の時間は、
朝ごはん:酢納豆 お昼ご飯:ママのお弁当 夜ご飯:おかず半分(炭水化物はついだ振りだけして食べない)
という生活をずっと続けていました。もちろん、どこにでもヨガマットを持ち歩き、運動は欠かしませんでした。そんなとき、ふと不思議に思う出来事がありました。それは、家族でお出かけしてお弁当を選んでいるときのこと。私はいつも通りヘルシーなお弁当を選ぶなか、家族は揚げ物の海苔弁などを選んでいました。そのお弁当はとてもおいしそうだったんです。
「私もこのお弁当にしようかな…」
そう思っていたとき、脳の中にある考えが走りました。
「それ食べたら太るよ」
確かに、揚げ物やお米たっぷりのこんなお弁当を食べたら、私の体重は昔に戻ってしまう。なら、食べるのをやめよう。そう思い、ヘルシーなお弁当を選んだまま買い物を済ませました。
その後日、家の夕食でマグロ丼を食べる機会がありました。母は
「今日のご飯はマグロ丼だけだおかずはないから、お米多めにしとくね!」
と言い、いつも炭水化物を食べていない私に大盛りのお米を出しました。その丼を見た私は
「こんな量食べたら太る…。怖い、食べたくない。」
と思いました。その食事は残すわけにもいかず、完食をしましたが、後で思ったのは「怖さ」を感じたことについて。
「食べるのが怖いってなんだろう…。そういえば、最近、揚げ物の衣も外して食べてるし、ママの料理見ながら油の量とか注意してる…。もしかして、痩せるために食べてないんじゃなくて、怖いから食べてないのかな…」
確かに、カロリーが高い食べ物はできるだけ食べないように、母に
「この食べ物、あまり好きじゃないから出さないで!」
「え、、、 今まで好きって食べてたじゃん!」
「それは、、、本当は好きじゃなかったの!とにかく出さないで!」
と言っていました。よくよく考えてみると、ずっと生理もきていなかったんです。
このことで怖くなった私はネットで「食事 怖い」と検索してみました。そこで出てきたキーワードが「拒食症」
初めて聞いたその病気。私は、もっと詳しく調べてみることにしました。その結果、痩せたいという気持ちで食べれないということがわかりました。
「もしかしたら、私も…」
そう心配になりましたが、拒食症の症状には「下剤や嘔吐で食べたものを出そうとする」「低体重」と書かれており、
「でも、私は嘔吐も下剤も使ってないし、何よりまだ低体重ではない。大丈夫か!」
そう思いました。
しか私が食べれるものはだんだん減っていきました。
「なんで今日、豚バラなの??使わないでって言ったじゃん!!」
「アイス買ってきたよ!」
「14時過ぎたからいらない」
「今日のご飯、何時ごろ〜?」
「20時過ぎるかも… ごめんね、忙しかったの」
「なら、一人で先に食べとくね!」
食事だけでなく、生活も変わっていきました。運動量が減り、休みの日はひたすら外を歩いていました。雨の日は家の中を何百周もぐるぐる回り、筋トレを増やす。勉強強迫も出てきて、成績は上がりましたが、テスト前の私はボロボロでした。
8月。生理が来なくなって6ヶ月。あまりにも怖くなって勇気を出して母に言いました。
「ママ、生理が来てないんだよね…」
「は??あなたがちゃんと食べないからでしょ?生理が来なかったら、将来赤ちゃんも産めないのよ!」
「知ってる」
「今日からご飯は全部ママがつぐ。産婦人科に行くわよ。今の体重は何キロなの?」
「…46」
私は嘘をつきました。42キロの体重を46キロと言いました。ここで何よりも怖っかたのが母に食事を配膳されること。
「やばい、増やされる…。太っちゃう」
怖くて仕方がありませんでした。太ったら昔に戻って「太ったな?」とか「リバウンドした?」とか言われる。でも、ご飯を残したら怒られると思って残せませんでした。嘔吐する練習もしましたが、怖さでできませんでした。
そして、初めての産婦人科。エコーなどをしてもらい、生理がくるお薬をもらいました。お薬の力でなんとか生理は来ましたが、副作用の腹痛はすごく、血の量も少なかったです。
ここから、「私、やっぱり拒食症かも…」と思い始めます。
つづく…