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竜王国

 竜の大穴。

 この世界には二つの大穴があった、竜の大穴と魔族の大穴。

 それぞれ地下世界の竜王国と魔族王国に繋がっている。


 地下世界から人間世界に来るものは居ても、人間世界から地下に行くものはまずいない。

 たまに事故で人間世界から地下の大穴に落ちるものがいるがまず助からない。

 運よく、助かるもの。更に稀に人間世界から捨てられて、地下世界で生き残るものもいるがそれはまた別の話。


「それではご主人様突入します」

 そう言って、深すぎて底が見えないその大穴に向かってラミアは突っ込んでいった。


 しばらくはその大穴は続いていたが、どれだけ落下しただろうか。

 何か下方に光が見えるなと思ったら、突然視界が開けた。


「ひゃーーーー! すごいな! これが竜王国か!」


 眼前に広がるは人間界と変わらないような街並み。

 少し遠くに凄まじくでかい城が見える。

 城の後方は壁になっており、壁が広がっているのは分かるが、城の反対側についてはどこに壁があるのか目視では確認できないほど、竜王国は広いようであった。


「なんか街並みは人間世界と変わらないなあ。みんな人化してる?」

「はい、竜王国の者達は通常は人化した状態で過ごしています。竜王を除いて」

「竜王を除いて………ああ、だから城があんなに大きいのか」


 城は人間世界の物と比べると――5倍以上はあるだろうか。

 城だが山のように感じるくらい大きかった。


「それではまずお城に向かいましょう。両親にご紹介します」

 うう、緊張してきた。今まで経験はないが、娘さんを僕に下さい!をしに行く時はこんな心境だろうか。



「止まれ!」

 城の入り口に降り立つ俺達を城の衛兵が静止する。


「お前ら! 城近辺では竜化しての飛行は禁止だぞ! 一体何者………これは姫様!」

「久しぶり! 通してくれる? こちらはケイン様。来賓室にお通しして。ご主人様、私はちょっと着替えてきます。」

 ラミアは今はメイド姿だ。姫としてのラミアに戻るのだろう。


「ご主人様?………ケイン様こちらにどうぞ…」

 衛兵達は俺を怪訝そうに来賓室に案内する。



 コンコン!

「はい!」

「失礼します」


 来賓室に入ってきたメイドは俺の姿を確認し、一瞬目を見開き驚くが――

 すぐに平常にもどり「ミルクでよろしかったでしょうか?」と俺に飲み物を提供する。


「あ、ありがとうございます。おかまいなく」

「まもなく竜王様との謁見となりますのでしばらくお待ち下さい」

 俺はガチガチになって答えた。


「それでは、失礼いたします」

 そう言って、一礼するとメイドは部屋から出ていった。


 きらびやかな装飾に高級そうな家具と絵画。

 俺が今まで接した事がない世界だった。

 いやーラミアってこんな所で生まれ育ったお嬢様だったんだなー。


 ズズズ

 提供されたミルクを恐る恐る飲んで見る。

 うん、味は人間世界と変わらない。

 心配は杞憂だったようだ。


 ラミアのお父さんに会ったら何話そー。

 ノープランでここまで来た俺はそんな事をぼんやり考えていると――


 コンコン!

「はい!」

「失礼します。お待たせしました。竜王様との謁見になります」



 その体の大きさに併せて作られた王座に佇む、竜王メルギデス。

 その巨体もさる事ながら、絶大なる魔力を隠そうともしていない。

 それに対峙するは赤ちゃんの俺!


「うーむ、小さいのう。本当に赤子なのか。貴様ケインでよかったの?」

「はい、ケインです竜王メルギデスさん。はじめまして。ラミアとは仲良くさせてもらってます」

「な、仲良くさせてもらっている? き、貴様! もしやラミアとあんな事やこんな事を! いや、まだ赤子か。いや! 油断できん!」

 うーん、なんか一人で盛り上がってるみたいだけど……大丈夫か? この親父。


「あなた! 仲良くさせてもらってるんなら、言葉通り仲良くさせてもらってるんでしょう。 ねえ、ケイン君。 私はラミアの母のフィレンと申します。」

「ケインです! よろしくお願いします」

「あら、可愛いわねー!」

 フィレンの方は人化している。竜王国の女王という事だな。


「ケイン、お前の事は話に聞いておる。確か前世は魔術王で転生してきたとの事じゃったな。なぜかラミアはお前の事を慕っとるようじゃがな、所詮は竜王国の王族と人族。釣り合いも取れんし、わしとしては迷惑しておる! という事で……ラミアとは今後付き合いをするな!」

「何勝手な事を言ってるんですかお父様!」

 おおー姫としての服装に戻ったのだろう、ラミア。

 褐色の肌に白いドレスがよく似合っている。

 こうしてみると綺麗だなー。


「ラミアたん!」

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