帰省決定
「………そうか、ダメだったか…」
「申し訳ございません」
予想通りの結果ではあったがレスビーは竜王に詫びを入れる。
「………………」
竜王メルギデスは口に手を置き、しばらくの間、熟考していた。
「ダルエスを呼んでくれ」
竜王のその名を聞き、レスビーは恐れていた方向に物事が進んでいく事が分かった。
「お呼びでしょうか。」
ダルエスはレスビーと同じく竜王国アデレードの八竜と言われる者の内の一体である。ラミアには及ばないが、それに近い力を持っていた。
「ふむ、お前にはちとケイン帝国に部下を適当に見繕って連れて行って人族に脅しをかけて欲しい。」
「ケイン帝国……最近できた、赤子が皇帝という奇特な国の事でございましょうか?」
「そうだ。人族も我々が脅しをかければラミアを説得するに違いない。では、頼んだぞ。」
ダルエスは「ははーー」と了承し、その場を去る。
暴虐竜と呼ばれ、古より幾度と無く人間界で暴れ、恐れられてきたのがダルエス。
竜王メルギデスの下についた後は命令がない限り暴れる事はなかったが。
久しぶりに暴れられるかと思ったが脅しか……まあ逆らうようなら多少の破壊はいいだろう。
血が騒ぐのを抑えながらダルエスは詰め所へ人間界に連れて行く兵を選定しに向かった。
竜が集団で飛行している。
そのニュースはすぐに世界中に知れ渡った。
竜の中でも強者は単体でも世界を破滅に追いやる程の力を持っている。
ダルエス達が飛来した国家はすぐに臨戦態勢に入った。
そして彼らはいくつかの国を恐怖と混乱に陥れながら目的地、ケイン帝国まで飛来した。
合計で5体の竜が城に向き合い、対峙している。
「ギャオォォォォォォ!」と何体かは威嚇の為、咆哮を上げていた。
「全くあいつら!」
ラミアがプンプンしながら奴らの元にいく。
俺もその後ろに付いて行った。
「ダルエス! あんた何しに来たのよ! それにあんた達、ダルエスの部下? うるさいのよ!」
「これはこれは姫様、ご機嫌麗しゅう。我らは王の命令で参りました。王から人族をちょっと脅してこいと。」
なるほど、ラミア本人はどうしようもなさそうだから外堀から攻めてきたと。
「どうも、ケイン帝国の皇帝ケインです!」
俺は彼らに片手を上げて挨拶する。
「おお、小さすぎて何かと思っていたらお前が例の赤子の皇帝か?」
「はいはい、そうですよ。」
「グォオォォォォォォ!」
ダルエス呼ばれた竜は俺に向かって、咆哮と共に莫大な闘気と魔力をぶつけて来る。
「おい、人間! 滅ぼされたくなかったらラミア様にアデレードに返ってくるよう進言しろ!」
ダルエスはそうは言ってはいるが……
うーん、どうしよう。おそらく本気で滅ぼす気なんてないんだろうけど、気の荒らそうな奴だ。
下手に扱って、事故でも起きたらつまらない。
「ちょっと何勝手なことご主人様に向かって言ってんのよ!」
「まあまあ、ラミア、一度国に帰ってみたらどうだ? お見合いを受けるかどうかは別として。お父さんと話をつけないと多分同じ事が繰り返されるよ。」
「うっ……そうですね……分かりました。ダルエス! お父様に今度帰るって伝えなさい! ただお見合いを受ける訳じゃないからね!」
「おお、姫! かしこまりました。それでは失礼いたします。」
そういうと竜の一団は羽ばたき、自分たちの国に帰っていった。
「ごめんなさい。ご主人様、騒がせてしまって。」
「いや、ラミアが悪い訳じゃないからね。ところでさっき来てたダルエスって強い?」
「ああ、あいつでしたら単独で人間世界を滅ぼせるぐらいですかね。前に来た、爺やも同じくらいです。ああ、もちろん、ご主人様には敵いませんよ!」
暴れずに帰ってくれてよかった。
強さが人間世界を滅ぼせる基準とかねもう。
「ご主人様も一緒に帰ってくださいね。」
「えっ!? 俺も?」
「ええ、私が仕えているご主人様なんですから、両親に紹介します!」
いや、それ絶対ただで済まない気がするんだけど。
まあ、でもしょうがないか。一度ちゃんと会っておかないと後々揉めて、滅ぼしに来られてもなんで。
「わかった、じゃあ一緒に帰ろう。」
「やった!」
と言ってラミアは俺を抱きかかえる。
まあ行くのはいいが生きて帰れるか、それが問題だ。
【※大切なお知らせ】
本作のスピンオフの短編が本日(2021/9/28)に投稿されています。
タイトルは【輪廻の恋〜転生を経て最後に二人は結ばれる〜】となります。
https://ncode.syosetu.com/n7882hf/
主人公は暗黒竜ラミアの妹イリーナ。
異世界から現実世界への逆転生の物語となっております。
よろしければご覧ください。
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