竜族からの来訪者
第3章 竜王国編、開始です!
「ラミアはまだ人間にうつつを抜かしておるのか。500年前は魔術王とかじゃったか。脆弱なる人間ごときに。」
竜王メルギデス。
竜王国アデレードの王にして竜族最強の暗黒竜。
そしてラミアの父親であった。
メルギデス以外の竜についてはスペースの問題も有り人化して過ごしている。
「はい、現在ラミア様は、その……ちょっと言いにくいのですが…」
「なんじゃ、勿体ぶらずにさっさと言わんか!」
「あ、はい、その、赤ん坊に付きっきりらしくて!」
「な!?何ーー!赤ん坊じゃとーーーー!?」
ビリビリビリビリ
メルギデスの咆哮は衝撃となってアデレード中に地鳴りとなって轟いた。
「あ、いえ、ラミア様のお子さんという訳ではございません。人間の赤ん坊で最近できたケイン帝国とやらの皇帝を名乗っております。」
「お、おう、それではラミアの子ではないのだな。ふぅーー。しかし付いているのが赤ん坊じゃと!? なんじゃ母性にでも目覚めおったか?」
「分かりません。ケイン帝国についてはまだ情報が乏しくて。」
「うーん、それではケイン帝国については引き続き調べろ! レスビーはおるか!」
シュッ!
「は、ここに!」
レスビーは片眼で独眼竜と呼ばれる男。
老骨でラミアの幼少期の教育係でもあった。
「お前、ラミアの所にいって、お見合いがきとるからと連れ戻してくれるか? お主なら言う事を聞くやもしれぬ。」
レスビーはラミアの性格を熟知している為、十中八九、無理だろうなと思う。
しかし、王の命を断る事はできなかった。
「御意、かしこまりました。」
「おお、そうか、すまんの。それではよろしく頼むな。」
未だに絶大な力を有するが王とて高齢。
そろそろ愛娘の子どもの顔がみたい頃だろう。
「さて」
そういうとレスビーは人化を解き。
バサーとアデレード国の上空の竜の大穴の先の人間界に向かって飛び立った。
◇◇◇
「ラミア殿、レスビーという老紳士がラミア殿に面会したいと城に来ているようであります。」
セバスチャンが護衛兵からの報告を伝える。
「じいやが? なんだろ? 通してもらえる。」
「承知しました。」
じいや? ああ、そういえばラミアって竜族のお姫様なんだったっけ。
「アデレード国の人?」
「ああ、そうです。私が小さい時に教育係をしていた者です。」
なるほどね。ってこれはひと波乱もしかしたらあるのかな。
「はじめまして、私、アデレード国のレスビーと申します。ラミア様はご健勝のようで何よりでございます。それでお近くの方々は…?」
「久しぶりねじいや。このお隣におわすのが私のご主人様こと、ケイン帝国が皇帝のケイン様よ!」
「はっ!? いや、赤ん坊とは噂には聞いておりましたが、本当にそうとは。しかし、ラミア様、ご主人様とは聞き捨てなりませんぞ。」
竜族という事で少し身構えたがまともに話ができそうな爺さんでよかった。
「ご主人様はご主人様でしょ」
ラミアは口を尖らしている。どうやらこの爺さんに対してはまだ子供らしい。
「竜族の姫ともあろうものが人族に対してご主人様とはなんですか。思えば500年前も人族にご主人様とうつつを抜かして、いやはや嘆かわしい。」
「だからその500年前と同じ人よ。魔術王だった。あの。」
「なんと!? それでは伝説の転生魔法で転生してきよったのですか! なんたる余計な事を! いや失敬。」
レスビーは「ゴホン」と一つ咳払いをした後に背広の胸ポケットから一枚の精巧な肖像画を取り出した。
「なによこれ」
ラミアはすでに何か察しているのか嫌な顔をしている。
「縁談の話が参りました。」
ラミアはそれを聞くと横目でチラリと人物絵を見やり、
「嫌よ!」
と言い、腕組みをしてそっぽを向いてしまった。
「まあそう言わずに会うだけでも……」
「嫌!」
ラミアは取り付く島がない。
レスビーは頭を抱えている。
うーーん、どうしよこれ。
セバスチャンと顔を見合わせる。
結局その日はレスビーはとぼとぼと帰っていったが――
「多分、これで終わらないだろうなあ」
「そうでございますね」
俺とセバスチャンの予想は当たっており、この後、この件は世界中を巻き込む大事件に発展する。
ついに第3章の竜王国編の開始になります。
また毎日更新を頑張っていこうと思いますので、
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