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次元の狭間

「って事は転生成功したのね。ふぁーーよく寝た。」

ハーフェンはあくびをしながら家の中に入っていく。


「入っていいのか?」

「うん?ええ、どうぞ、適当に座って。」

家の中はーーー玄関からはすぐにリビングになっており、ソファーが置いてある。

俺はその一つに腰掛けた。


「ここには魔族に飛ばされたぞ。」

「そうでしょうね。私もよ。いいでしょ、ここ。もう何年も誰にも邪魔されずに研究できてんのよ。」

呆れた。研究バカのハーフェンは次元の狭間に飛ばされた事をいいことにこの場所で本格的に引きこもっているらしい。


「あの魔族は何者だ?」

「知らない。下手くそな擬態で近づいてきて、いきなり攻撃してきたけど時空間魔法だからくらってみたの。」

「じゃあここに飛ばされてから学園の様子とか確認してないのか?」

「遠隔ではたまには見てるわよ。ただ今の所はそんな酷い事にはなってないし。それに人族には私を頼らずにやってほしいの。」

なるほど、じゃあ学園は現在見えない所では結構魔族に侵食されている可能性があるな。


「ふーん、じゃあ俺は人族だがら魔族を片付けてもいいのか?」

「いいけど、あんたそもそもなんでここに来たのよ?」

ここに来た理由ーーーそうだ忘れてた!


「お前!俺の事を【童貞!】魔術王として後世に伝えたな!」

「あーあれね(笑)」

(笑)、じゃねえんだよ。


「事実だけどわざわざ後世に伝える必要ねえだろ。なんでそんな事した!?」

「……って言ったから。」

「え?なんて?」

「私の事を貧乳って言ったから!!」

えええーーーー!?


「そ、ん、な事…で?」

「そんな事って!どうせ言った事忘れてるんでしょ!」

うん、忘れてる。前世だしね。


「別にいいじゃねえか。減るもんじゃないし。それに事実だろ。」

「またそういうデリカシーのない事をいう!事実っていうなら童貞も事実でしょ!」

ぐぬぬぬ。


「なんなら今度は包茎もつけて伝えといてあげようか?」

俺はハーフェンの前で土下座をする。


「頼む!勘弁してくれ!この通りだ!」

「そこまで言うなら許してあげてもいいけど。」

くそう、俺はなんで文句を言いに来て土下座なんかしてんだ。


「それはそうと俺、ケイン帝国建国して皇帝になったんだわ。」

「へー帝国建国して皇帝にー、って皇帝!?」

「うん、皇帝。それで世界征服したいから魔術国家パラツインも征服したいんだけどなんとかならない?」

ハーフェンはあんぐり口を開けている。すぐには飲み込めないようだ。


「……私が国王に言えば、多分属国にはなるけど…。世界征服してどうしたいの?」

「いやー俺前世、みんなに良いように使われてたでしょ。だからもう人に使われるの嫌だなって。」

「それだけ?」

「後、今世でも貴族が力持ち過ぎちゃってるから民主主義をもっと広めたいかなーとか。」

「そう…。」

ハーフェンは考え込んでいる。


「今、魔術国家パラツインに巣くってる魔族をさっきも言ったように掃除してくれるんならいいかな。その方向で国王も説得できるだろうし。」

「分かった! それでパラツインにいる魔族ってどの程度なの? ここに飛ばしたやつは大した事なさそうだったけど。」

「うーん、多分この件には魔王は絡んでないと思うのよね。あの魔王だったらこんなに悠長にやらないだろうし。」

「じゃあどうにでもなるな。」

「たぶんね。」


良し!それでは話はついたので魔術学園に戻るとしよう。


「じゃあ戻るけどなんか伝えとく人か事あるか?」

「うーん、特にない。遠隔で見とくから片付いたら私もそちらに戻るね!」


俺は時空間魔法でワームホールを生成した。


「じゃあな!また!」


俺はそう言って手を振り、ワームホールの漆黒の中に飛び込んだ。

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