500年ぶりの再会
「ケイン君、上級生に飛び級するっていう件なんだけど。」
後日、担任が休み時間に飛び級の件で話しかけてきた。
「学園の筆頭魔術師の人があなたの実力を見たいって。」
なんだ対抗戦見てれば分かっただろ、とは思ったが。
「なんか実技試験があるんですか?」
「試験ってほどじゃないらしんだけど、魔術練習場にきて欲しいって。」
「えっ兄貴上級生になっちゃうの?」
「ケイン君ほんと?」
そう言えばまだ決まってないからストラスとレンツェの二人に言ってなかった。
「ああ、まだ多分だけど。まあ教室が違うぐらいだから放課後の練習とかは付き合ってあげられるよ!」
二人はちょっと不満そうだ。
俺は担任に連れられて魔術練習場に向かった。
「先生、あの人が学園の筆頭魔術師でよかったですか?」
「ええ、そうだけど?」
筆頭魔術師と言われる男はうまく擬態魔法で隠れてはいるがその正体は―――
魔族だった。なんで魔族が学園の筆頭魔術師なんかを?
「やあ、ケイン君、初めまして。学園の筆頭魔術師をしているハイリゲンと言います。」
ハイリゲンには俺が正体に気づいている事に気づかれていないようだった。
「初めまして。練習場で何するんですか?」
「ちょっとした魔力の適性検査だよ。という事でちょっとこれをハメてもらっていいかな。」
俺は腕輪を手渡される。ってこれは魔力封じの腕輪じゃないか。
罠の匂いがぷんぷんする。
「あっ先生はもう戻ってもらって大丈夫ですよ。ケイン君、じゃあそれはめてもらって良い?」
まあ俺は魔術王の無限魔力のスキルがあるから魔力封じなんか効かないんだけど。
「先生、ハーフェンって知ってますか?」
こいつは、魔族はハーフェンを知っているのか?
あいつは、ハーフェンはこんな奴を放置して何をしてるのか?
「うっうん? 当然知ってるけど何か?」
「どこにいるんですか?」
「い、いやー知らないなあ? ど、どこにいるんだろうね?」
こいつ―――嘘が下手だな。
どこにいるか知ってるのバレバレだ。
じゃあとりあえずこいつの嘘に乗っかってみるかあ。
俺は魔力封じの腕輪をはめた。
カチャッ
「はーーーはっはっは!!騙されたな!」
ハイリゲンは俺が腕輪をはめるのを確認するとすぐに擬態を解いた。
って正体早く表しすぎだろこいつ。ちょっと笑っちまったわ。
「邪魔な人間め! お前も奴と同じ所に飛ばしてやるわ! 次元の墓場で死ぬまで彷徨うがいい!」
「奴って!?」
「ダークホール!」
次元の狭間に飛ばす時空間魔法か――ってことはそこにアイツも。
くらってみよう!
ブォーーーーーン
空間が大きな円球に切り取られ、その内部は真っ暗闇になっている。
その円球は辺りの物を吸い尽くそうとしている。
ケインはその真っ黒の円球の中へと吸い込まれていった。
真っ黒な空間で浮いており、どこから紛れ込んできたか、木片や、紙、人間のゴミであろう物が浮かんでいるのが見える。
そこは次元の狭間だった。
俺は昔に時空間魔法の練習をした時に自らここ、場所は違うだろうが、に来た事があった。
そして少し遠くに孤島のようにその空間に浮かんでいる小島が見えたので行ってみる。
小島には家が建っていた。
こんな次元の狭間に家を建てられるなど一人しか心当たりはいない。
そして郵便受けまで大層に作ってある。
誰がこんな所に郵便を届けに来るのか。
郵便受けの表札はハーフェンとなっていた。
コンコンコン
……………反応がない。
コンコンコン
……………まだ反応がない。もしかして寝てるか?
ドンドンドン
「……あぃ!?新聞なら間に合ってますぅ。」
寝起きであろう、聞き覚えのある声が家の中から聞こえてきた。
ガチャ
「……え?赤ちゃん………ボードル?」
「前世の名はな。今世はケインという。魔力で分かったか。」
応対したパジャマ姿で寝癖全開のエルフの女はハーフェンであった。
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