表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/71

外伝 勇者よ、世界の半分を与えよう・・・与えるので許してください!

最後に魔王様の話を付け加えて改めて終わりにします!次は新作を考えます・・・。

ドワーフの国から旅立ってから数ヶ月後、魔族の国の古城に俺達はいた。


なんでそんなとこにいるのかと言えば・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


魔族の国ならば魔族絡みの諍いが当然起こるものだと身構えていた俺達だったが予想を裏切るようにその国に暮らす魔族たちの性格は温厚そのもので。

土地柄も瘴気渦巻く悪辣な土地かと思いこんでいたそこは一言で済ますなら極めて牧歌的な田園風景、羊や牛の放牧に麦や米の栽培を主な産業としていた。

魔族の一番の特徴である青白い肌に玉のような汗を浮かべてよく働きよく笑い、黒く捻れた角は専用の穴が空いた麦わら帽子からちょこんと顔を出し、艶やかなワイヤーのように伸びた尻尾の先端は三角形ばかりでなくハート型や星型だったりする。聞けば形は自由自在で中には手の形にして三本目の腕として扱う器用なものもいるのだとか。そして不思議なことに彼らは日焼けすると肌の青みが増していくらしい。


「なあウシオ、俺の知ってる魔族って悪魔とさして変わらないというか、悪逆非道が服を着て歩いてるようなイメージだったんだけど。」

「ふむ、我がこの世界に来たばかりの頃はそうだったかもしれん。」

「えっ。」

「しかし大昔の魔王が破れ封印された頃に残された魔王の娘と勇者が大恋愛の末に結婚してな。我も結婚式にお呼ばれしたものじゃ。」

「あー、悪の女幹部とヒーローの禁じられた愛ってやつね!尊い!!!」

「どっからかえでは顔を出すんじゃ・・・。件の勇者がの『魔族は決して人類の敵などではない!俺は彼女と手を取り合って差別を無くして共に生きていくんだ!』と、宣言しおってな?ちなみにそ奴は現代日本から召喚されたクチじゃ。普通のひゅーまんならば肌が青いというだけど忌避するもんじゃがどういう訳か勇者はそこが良いと譲らんでの?」

「青肌フェチか・・・?」「また業が深い・・・。」

「青肌ふぇち・・・?して勇者と妻は種族の意識改革並びに魔族の国の一大あっぷでぇとを行ったのじゃ。その結果がこのザマじゃな。」


どうやったら人類の敵のような種族がアメリカの大農家みたいな感じになるんだろう・・・それこそ洗脳レベルでは?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よお冒険者さん!ようこそ王都パンデモニウムへ、いい時に来たな!」


造りこそおどろおどろしい感じだが無理やり上から白く塗ったような城が際立つ街へ辿り着いたとき、あまりにも明るすぎる門番からそんな言葉をかけられた。


「いい時?」

「おや、知らないで来たのか?今この都はひと月続く収穫祭の真っ只中さ!」

「お祭り!じゃあ美味いもんもたっぷりありそうやな!」

「お、嬢ちゃんはオセロメーか?珍しいもんだな。」

「おっちゃんわかってるやん♪獣人でも珍しいんやで?」

「よく見りゃ兄ちゃん以外みんな女か!・・・腎虚で死ぬなよ?(ボソッ)」

「・・・ありがとさん。」


塀の中はまさにお祭りの真っ最中だ。

様々な色の飾り付けが街中に施され、魔道具なのかスピーカーのようなものからは楽しげなアップテンポの曲が絶えず流れている。

大きな山車(だし)が通りを我が物顔で闊歩する様、そして長大な手足のピエロが器用に人を避けながらおどっていたりする。・・・ああいう種族じゃないならしっかり地球の文化が反映されてるなぁ・・・。

クロやライラはいつの間にか通りの両脇に隙間なく並んだ祭屋台で大きな串焼きを両手いっぱいに買っており一本もらったところだ。


「日本の山車と違うのはこっち風のキャラクターとか魔王や勇者っぽいような山車ばかりなところだね。・・・あれ?なんでピカ〇ュウがいるんだろ?」

「む?知らんのかかえでよ。アレは実際にいる魔物で愛玩動物にもなっておる【でびでび☆デビチュウ】じゃぞ?可愛らしい外見じゃがあれでも悪魔の一種でな、得意技はたしか丸呑みじゃ。ほれ、そこな小僧の頭に本物がじゃれついておる。」

「えええ・・・。」

「さて、いかに祭の最中と言ってもなにかしら問題はあるじゃろ。ギルドに向かうぞ?」

「日本人が持ち込んだのかと思った・・・。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はあー!?【魔神殺し】の奴が行方不明じゃと??」

「そうなんです【白面(びゃくめん)】様。」


そう答えるのはハート型の尻尾をクネクネ動かすギルドの受付嬢だった。どことなくクロノスギルドのアイムさんに似てる気もする、元気にしてるだろうか。


魔神殺し(デーモンキラー)】ジェド。

ウシオの知る、全盛期といわれた旧魔王時代の魔族のような力を持つ先祖返りである元S級冒険者で今はパンデモニウムの街のギルド長である。噂では勇者の血も継いでいるらしく凄まじい戦闘力を誇るらしい。


「国の端っこに大昔から放置されている文化財の古城があるのですが、先日ギルドの魔道具レーダーが異常な魔力反応をキャッチしまして。調べてみたら例の魔王が封印された場所ではないかと調査を行うことにしたのですが・・・今は国中このお祭騒ぎじゃないですか、ですから冒険者を募って調査してもらおうとも全く集まらず。国の騎士団も全員が市中の見回りに駆り出されててそちらへの依頼も適わずでして。困ってましたらギルド長が「ならばワシの出番だな!久々に腕が鳴るわい。」って一人で向かっちゃったんですよ・・・。」

「いつまで若造気質でおるのじゃあ奴は・・・それで行方知らずと?」

「そうなんです・・・。【鳩】を飛ばしても辿れないのか返ってきてしまう次第で。」


この世界の伝書鳩は魔導生物とも言われる魔道具を埋め込まれた特殊なものである。冒険者証や商業ギルドの認可証・住民証などには所有者の魔力が予め登録されており、伝書鳩はそれを目指して飛ぶためどこに居ようとメッセージを届けてくれる・・・はずらしい。


「ふむ、元はと言えば妾が式神から作ったモノじゃな。」

「すごいぞウシオ!」と素直に褒めるクロとドヤ顔になるウシオ。


「それなのに辿り着けぬとは余程の事情がありそうじゃな・・・あいわかった、妾達が調べに行こうではないか!」

「本当ですか!?助かりますぅ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「・・・で、なんだコレ?」

あやつ(受付嬢)は古城と言っていたような?」


俺たちが王都から数日かけて到着したのはパンデモニウムにあった城をそのまま真っ黒に塗りつぶしたような立派な城だった。

そう、立派すぎるのである。

聞いていた話では数百年経った崩れ掛けの古城しかここには無い筈なのにそこに聳え立っていたのは人魚国で見たリヴァイアサン宮殿のようなここ数年の間にリフォームしたばかりのような美しい建物だったのだ。


「【魔神殺し】の奴の気配はせぬのぅ・・・こう立派じゃと勝手に入っていいものか・・・。」

「なんか魔界の悪魔の雰囲気みたいなもの感じるぞ?しかもかなり強い。」

「ホントかルヴィン?じゃあこの城はダンジョン化してて悪魔でもいるんじゃないのか??」


魔力の吹き溜まりでダンジョンコアが発生するとそこにある城や洞窟は迷宮化し、ボス候補として魔界から悪魔が赴くことがあるのは森林(エルフの)国のサジタリウス迷宮にいたルヴィンのパパで確認済みだ。


「知り合いがいたら嫌かなとも思ったけど悪魔の魔力でもないのだよな・・・お兄ちゃんどう思う?」

「それがギルド長なんじゃないのか?」

「いや、いくら先祖返りがどうのっていってもこんなに魔力が強いとは思えないなぁ・・・。」

「・・・鬼が出るか蛇が出るか、行ってみるしかないなコレ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「フハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \!!!よくぞ来たな勇者よ、余は大魔王スピカである!!古の封印は遂に解かれた!!我が力によって再びこの国を瘴気渦巻く魔界に変えてくれよう!!!」

「声でけぇ!!」


中に入ってみるとダンジョン化した訳では無いようだった。

城内はクロノス(ヒューマン国)ヘイムダル(獣王国)の城のように華美な装飾が施されていたがどこか邪神像のような禍々しいものも混ざった感じだが・・・ダンジョンコアで古城が甦ったわけではなさそうだな?


「なんなんだあんた?」

「たった今名乗ったであろう、余の名は驚天動地の大魔王スピカなり!!」

「今二つ名追加したよな!?」

「なんじゃ生きておったのかスピカよ、久しいのう。」

「ぬ?そういう己は九尾狐ではないか!たしかウシオだったか・・・?お主も封印されていたのか?」

「この世界ウシオさんの知り合いしかいないの?」


魔王スピカと名乗った女性は王都でも嫌というほど見た魔族たちの特徴そのものの姿をしていた。違う点があるとすればその背にはドラゴンのような立派な翼と複数本の尻尾が生えているくらいだろうか。

吸い込まれそうな金色の瞳に闇のように昏いロングヘアを流し、肌面積の少ない血のように赤いド派手なドレスからは今にも大きな桃、いやスイカが零れ落ちそうである。もこもこのファーの着いたマントを翻しながらこちらへ歩んでくると俺・・・ではなくウシオの目の前で止まった。


「なんじゃそのちんちくりんの姿は?余が封印されておる間に随分縮んだな?」

「は?ほざきよる。」


たった今までのじゃロリ巫女服ミニスカートだったウシオはその服の端をむんずと掴み脱ぎ捨てるといつか見せたような漆黒チャイナ服のナイスバディな姿に変身していた。早着替え?


「お主こそ封じられておる間に肌のツヤが落ちたのではないかぁ?城や服は豪奢に着飾ろうと腐れた魔素まで隠しきれんようじゃな!!」


スーパーBBA大戦開幕。


「悠介は後でおしおきじゃ。」

「ハイ。」


嫌な予感がした俺たちが後ろに下がると同時に魔王と九尾は宙に浮かぶとスピカの周りには数々の魔法陣、ウシオの周囲には御札が浮遊し臨戦態勢に入ったのだった。


「うわぁ・・・。」

「大人げない人たちが本気だすとこうなるんだな・・・。」


「死ねけだものババアがああぁぁ!!!!」

「死ぬのは貴様じゃ若作りめがあぁぁあ!!!」


阿鼻叫喚とはこのことだろう。二人が飛び回りながら魔法陣や御札から四方に光線を放つと立派だった城内はどんどん破壊され・・・俺はこちらへの攻撃を【亜空間(アナザー)】で吸い込んでは上空へ逃がしている。

そんな戦いは日中から始まり、口も出せないまま辺りが真っ暗になるまで続いた。

俺たちはやることも無くなったのでクララに晩御飯を出してもらいキャンプ中だ。もちろん光線は届く前に空へ飛ばされている。


「そういや城が新しくなってるのはなんなんだろな?」

「あの魔王を名乗る方が復活した際にお城も復活したとかですかね?ボクたちアラクネでは推量ることしか出来ませんが。」とアリスが紅茶の入ったカップを傾けながら答えてくれた。


「屍を晒せええええええええ!!!!」

「滅びよおおおおおおおおお!!!!」


「終わる気配ないな・・・街に戻ってお祭見てこないか?」

「わたくし体が乾燥して参りましたので水浴びしとうございます!」

「悠介もジェーンさんもそういう訳には行かないでしょうが!!」

「ご主人様お嬢様方、一旦外に邸宅をお出ししますのでお風呂は如何でしょうか?」

「クララさんありがとうございます!!」


俺たちが家の中へ引き上げ、ゆっくり寝て翌朝戻ってきてもまだまだ二人の戦いは続いていた。

立派にそびえていた城は既に跡形もなく破壊されており、それでも二人は戦い続けていた。

見れば今はウシオは巨大な純白の九尾狐、魔王は彼女が変身したと思われる小山ほどありそうな真っ黒なドラゴンの姿となり、お互いにぶつかり合いブレス攻撃を浴びせ合いの大怪獣決戦となっていた。

そしてようやく大人しくなったかと思えばウシオの方がグラリと揺れた。

だが盛大にぶっ倒れたのは黒竜が先だった。静止した状態から前へ地響きを上げながら突っ伏したのである。


『ふははははは!!!まだまだ貴様に負けるほど耄碌しとらんわ!!・・・あ。』


そしてそれだけ叫んだウシオもつんのめって倒れたのだった。

変身が解けた二人は全裸で仲良く幼女の姿となって目を回していた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【妾は調子に乗って文化財の古城を瓦礫すら残さず破壊しました。】

【余は共に大暴れして周囲の地形まで変える大暴れをしてしまいました。】


二人はそれぞれ俺のかけた【浄化(クリーン)】と【治療(トリートメント)】で傷一つない状態に回復してからゲンコツを落としておいた、仲良く幼女姿で首から上記の看板をぶら下げ頭にはたんこぶを作り反省中である。ちなみに題字は達筆のかえでだ。


「すまんかったのじゃ・・・。」

「頼むからまた封印とか勘弁なのじゃ・・・。」


ウシオは元の巫女服に、魔王スピカはピンク色のロリータドレスをいつの間にかクララに着させられていた。

ちなみに行方不明だった【魔神殺し】のギルド長は脱出中に気絶した状態で瓦礫の間からみつけたので回収してある。


「勇者よ、世界の半分を与えよう・・・与えるので許してください!」

「誰が勇者だ。俺は江戸川悠介、ただの【漂流者(ドリフター)】の【魔法使い】だよ。」

「どりふたぁ?それに魔法とはなんじゃ?」

「お主が封印されておる頃に定められた異世界から来た者共の総称よ。」

「魔法使いとは悠介だけの特殊ジョブだよ。どんな奇跡みたいなことでも起こせるんだから!」

「奇跡て・・・そういやシルバー、魔王を倒したら俺たちは帰れるみたいなこと言ってたよな?」

「ええ、でもこの方は【異世界からの侵略者】では無い・・・ですよね?」

「うむ、余はこの世界産まれである。」

「・・・まあ、俺はウィトルースに骨を埋める気ではいるからいいけどさ。」


「しかしお主ユウスケと言ったか?このクソ狐を手懐けておるとは中々の度量よの。」

「誰がクソ狐じゃこのクソ悪魔め。」

「ケンカやめい!」

「ぴゃいっ!?・・・よくよく見れば余好みの黒髪黒目ではないか♪よし決めたぞ!」とスクっと立ち上がるスピカ。


「気に入った!ユウスケよ、余の伴侶となりこの世界を共に征服せんか?」

「イヤです。」

「そうかそうか、余に気に入られるとは大変光栄な事であるじゃからな・・・イヤじゃと!?」

「しかも即答じゃったな。」

「何故じゃ!?何が気に食わぬ!」

「俺は世界征服なんてしねぇよ。楽しく世界を見て回りたいだけだ。」

「欲の無い男じゃの・・・しかしそこも気に入った。よかろう、お主がせぬのであれば余も諦めよう。だがお主を夫にするのは諦めぬぞ!!余も連れて行ってくれ!」そう言っていつの間にか元のダイナマイトバディに戻っていたスピカに抱きつかれ俺は胸の谷間で窒息寸前になったのであった。この世界に来てから二回目の気絶がコレかよ・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こうして俺はとうとう魔王までパーティに加えて旅を続けたのであった。思えば彼女が最後のハーレムメンバーだったな・・・。

そう、俺はこの時には既にお世話になった最初の街で結婚式を挙げようと考えていた。マジで腎虚で死ぬようなことは無いと思いたい。

旅が終わったらそうだな、確かこの世界には学校がない筈だ。異世界らしく魔法を教える学校なんてあったら面白いんじゃないか?




「どうでもいいが妾と盛大なキャラ被りはやめてくれんかのう!?」

「今更直せるか!」

宜しければブックマーク並びに☆5評価お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ