第67話 ゼファーとの決着 後編
次の話を以てこの章は終わりとなります、お付き合いありがたいです。
「・・・何故この魔道具のスキル、【精神侵食】が効かない!いかな魔術弾きの加護があろうと抗えぬはずだ!」
「やっと地が出たな?」
普通ならやつの言う通りそこの倒れ込みながら失禁している事務官のように強制的に精神を破壊されてしまうのが【魔石球】とかいう魔道具の内在するスキルなのだろう。
だが俺達には効かない、なんせ鑑定済みなのだから。
「俺の力を教えてやろうか?俺には【魔法使い】という魔術やスキルなんか超越したジョブがあってな。」
クイッと人差し指を上に向けるとゼファーの抱えていた【魔石球】かフワッと浮かびそのまま俺の手元へ放物線を描いて飛んでくる。そのまま手に触れると同時に内部から【紅炎】で焼き溶かしてしまった。
「な、何をする!それが無ければ催眠も解けなかったではないか!!」
「ダウト、お前は先に治せないと公言したはずだろ。だったらこんなモノ百害あって一利なしだ。」
実際アレを鑑定しても他のスキルはなく、【精神侵食】をいくら極めようと心を歪めてしまったが最後。あとは好きなタイミングで生きる屍に出来るのだ。
まあ、俺の魔法なら治せるのだがね。
「く・・・・・・クククククククククククククククククククククククククククククク。どうやら君は我が逆鱗に触れてしまったようだな?この魚人種の中でも崇高なる海の王たる我が種族のな!!!」
結局そうなるのか。
シャチの魚人ゼファーは二つ名など無くともライカンスロープを極めていたようでたちまち巨大なシャチとも熊とも形容しがたい悍ましい姿となって俺たちを見下ろしていた。
「宰相さまとあろうものがとんだ脳筋に走ったもんだな!」
「いつまで減らず口が吐けるでしょうかね!!」
そのまま襲いかかってくるかと【斬鉄剣】を抜くが奴の両腕はウミヘビのように伸びて左右の壁に突き刺さり、そこから大振りの青龍刀のような形の剣を抜いてきた。
わざわざ用意周到に隠しておいたのだろうか。
「この双剣は必滅の呪を持つ・・・」「ふむ、【双毒刀】か、一応伝説級に触れる程度の魔剣呪刀の類ね。スキルはえっと【毒性付与】・・・なんだ、その程度か。」
「ま、まさか本物の【鑑定眼】スキルで持ち得ているとでも言うのですか!?【鑑定】だけでも通常は複数人のスキルホルダーを介して整合性を求める物をそんなあっさりと・・・!!」
「それが魔法だ♪だから。」
【腐食】
俺が注視した途端に【双毒刀】は鉄クズに濃硫酸でもかけられたようにグズグズと煙を上げながら奴の手から崩れ落ちてしまう。
これはさっきの魔石球に封じられていた魔法である。あまり使い所は無いかと思っていたが偉そうな鼻っ柱を折るには丁度いい。
「なぁっ!?まるで高位悪魔の魔眼・・・!貴様それでも人間か!!?」
「うるせー、最近自分でも疑わしいんだよ!」
もう策は尽きたのかその巨体で逃げおおせようと後ろの観音開きの窓を破壊して外に飛び出すゼファー、丁度この部屋は外に大きく張り出している為か、下は街ではなく大海原であった。
しかしそうは問屋が卸さない。
【亜空間】
「ば、馬鹿なあぁああああああああああああぁぁぁ!!!!??」
奴の真下に巨大な門を開いてやるとそのまま落ちていくゼファー。すっぽりと中に収まったので中にセットしておいた【鉄塊】製の拘束具にピッタリとハマった事だろう。ガシャガシャと全身に細かく枷が嵌められていき、痛みこそ与えないがもはや足の小指さえ動かすことは出来ない。棘なしのアイアン・メイデンや瞼さえ緊縛し動かせなくする類の拘束具を想像してくれればわかりやすいだろう。
封殺完了。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後、宮殿を巡り王様を始めとした宰相から【精神侵食】を受けた人達を探し出し俺の【治療】を駆使してなるべく負荷をかけずに精神を癒して回った。これがまた時間がかかる作業で数十人いた被害者を全員治す頃には次の日の朝になっていたのだった・・・。中には何もわからずに汚物まみれになってしまっていた者までおり謀らずも弱みを握ってしまった結果になる人も数人いた、ちなみに王もその側である。
「俺は別に国を乗っ取りたくて回ってるわけじゃないんだけどな・・・。」
「手遅れというものでないかの・・・♪」
宜しければブックマーク並びに☆5評価お願いします!
そして読んでくれた皆様に一層の感謝を。




