第66話 ゼファーとの決着 前編
少し長々とした話になりそうなので前後編に分けるとしますね・・・。
「あら、エドガー様ごきげんよう♪」
「ごきげんよ、酷い目に遭わなかったかい?」
「いえ特には。それにしてもエドガー様たちが犯罪者呼ばわりとは遺憾ですわ!」
とりあえず例の騒動により上へ下への大騒ぎとなった官邸は放っておこう。
今はこのことが人魚国のゼファーに知られる前に叩かねばならないのだ。それにしてもこの子は先が心配になるほどおっとりしてるな・・・。
「しかし悠介よ、まともに向かう手段はなかろうて。陸は国境、トンネルは彼奴の兵がおるだろうし。」
「そんなもん飛び越えるだけだ。」
「なんじゃと!?」
「俺の【亜空間】を直接向こうに繋げる。なんたってそのために城の中にまでいったんだからな。」
「なるほど、最初期の魔法も進化しておるわけか・・・。」
今回も少数精鋭で行ったほうが良さそうだ。
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〜サイドゼファー〜
「おや、鯰の彼からの定期連絡がありませんね。」
「ヌオロス様ですか?確か例のドワーフどもの国に繋がった海底トンネル入口を塞いでしまう命でしたな。」
「そうです、まかり間違って彼らが潜水艇でも発明したら大きな問題ですからね。」
『ここはリヴァイアサン宮殿の宰相たる私ゼファーに充てられた執務室である。
もうすぐ毛に塗れ汚らしいドワーフ共も我が傀儡に落ちる。そう思うと口角まで上がってしまいそうになりますがここはグッと我慢。
あんな駒にすらならないじゃじゃ馬姫でも生け贄程度の役はこなせるでしょう。
王は洗脳済み、牙を向きそうな家臣は排してある。あとは適当なタイミングで王と姫の逝去を民草に伝え、私に心酔した王女の妹君でも娶れば我が椅子が揺らぐことは無くなるでしょう。
犯人は・・・そうですね、例のハーレム気取りの冒険者でも捏ち上げれば国民の怒りを向けられるでしょう。女好きのヒューマンなど適当な餌で釣りあげれば良し。見せしめに処刑してやれば我が国民の支持率もうなぎ登りは間違いありません!』
「・・・とのことじゃ。聞きしに勝る外道とはこの事じゃの。」
「ば、化け物だぁーーっ!!!」
〜悠介サイド〜
巨大な九尾狐の姿で突然執務室のドアを塞ぐように現れたウシオと俺。【隠遁】を使いながら【亜空間】で宮殿に転移し、奴の執務室へこっそりお邪魔してウシオの術により考えていたことをスピーカーでも使ったように音声化してもらったのだ。
・・・これってつまり俺の考えだって普段からこう聞こえてるって事だよね?
ウシオが微妙に視線を逸らした。
「あなたは・・・姫様が懇意になさっている冒険者様でしたか?そのような怪物を連れていきなりどうしたというのです?」
「この期に及んでしらばっくれるとはなかなか肝が据わっておるな・・・。」
「政治家なんてそんなもんだろ、詳しかないけど。」
「ゼファー!!貴方様のことは最後まで疑いたくありませんでしたが我が父に加えわたくしまで害しようとは不届き千万ですわ!とうとう化けの皮が剥がれましたわね。」と、尻尾の束の隙間から顔を出すジェーン。
今回直接乗り込んだのは俺とウシオにジェーンだ。他の戦闘力が高いメンバーはメイドに化けてもらった上で宮殿内に待機してもらっている。
それにしてもジェーンが大声を出すのは初めて見たな・・・。
「何を言いますジョアンナ様、今のはそこなけだもののおかしなスキルではありませんか。私が姫殿下を害するなどありえません。」
「では・・・お父様を元にお戻しなさい。あなたが持ち込んだおかしな魔道具のコレを使って!」
そう言ってポーチ状の収納鞄から黒く濁った水晶玉を投げ渡すジェーン。それをさっさと拾い上げたゼファーは魔道具に魔力を込め始めたのがわかる。
「左様なことは出来かねます、姫殿下。なんせこの魔道具に出来るのは心を砕くことのみですので治すことはできません。」
途端に魔道具から波及した魔力が部屋全体に及んでいく。さっきまで腰を抜かしていた事務官は泡を吹いて倒れてしまった。
「これは古のダンジョンより掘り起こされた【魔石球】です。恐らくは水晶玉だったのでしょうが永き時間の中怨霊の類が行き交う厄介なダンジョンに安置されていたのです、厄介な魔術スキルが込められていましてね。」
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