第62話 たまには少しの休息を・・・?
ちなみに昔の日本風の建物はちょっとしたブームのようです。
次の日。
ガルガンの街で宿を取り、ゆっくりと朝を過ごしていた俺たちの元にギュウマが訪れた。
「おう、ちゃんと起きてるじゃねぇか!早速この国の首長のトコへ案内するぜ!」
「アポは取ったのは明日だろうが!前日から行くの!?」
「それもそうか、じゃあ今日はこの街の観光でもするか?」
ドワーフ国は国とは名乗っているもののこの世界では珍しく王権性ではない。
元々王様に仕えるというよりも個々の種族の繋がりを大事にしてきたドワーフ達の住むこの土地は狭い国土の中に幾つもの藩が乱立していた、いわば昔の日本のような国だったのだ。それがまとまり複数の一族から連邦国となったのはここ数百年の話とウシオに説明を受けた。
モノ作りの好きな人々が集まり近代化も進めていると聞くとますます日本のような感じだ。
昨日入った店の食事も和洋折衷というか、様々な国の料理を合わせたファミレスのような所だった。ラーメンまであったのは驚きだったが。
なんでも国をまとめ上げた初代の首長は漂流者で、しかも日本人だったそうだ。
しかしそれでも不思議に思うのはここまで漂流者の子孫に全く出会わないのが腑に落ちない。ここに至るまで様々な日本人が関わっているであろう痕跡はいくつも目にしてきたがその血は受け継がれていないのだろうか。
「漂流者の子孫じゃと?」
「ああ、だいたいこの世界に百年周期で現れるんだろ、何らかの手段で元の世界に帰る奴もいるかもしれないがこっちを気に入って残るやつだっていただろう?」
「ふむ、盲点じゃったな。あまりにもその手の話を聞かんから妾も気にしとらんかったわ。」
「例えばこの国の首長とかさ。」
「ああ、それはねぇぞ?この国は数年ごとに別の一族が長を務めるルールになってんだ。この国をまとめあげた奴は英雄扱いだが子孫がどの一族かまではもう分からねぇよ。」と、いつの間にか紅茶を注文していたギュウマがカップを傾けながら答えてくれた。
「家系図とかは?」
「ねぇだろうな、それでもどっかの一族には血が継がれてるだろうよ。」
ドワーフは血よりもその技術を子々孫々と継がせていく種族で、ご先祖さまに誰がいたとかはあまり重視しないらしい。
それでもこの国で作られる日本風の武器防具にその名残があるかもしれない。
「なんじゃ、悠介は【ほぅむしっく】でも罹患しておるのか?」
「そういうウシオこそ日本に帰りたいとか思った事無いのかよ?」
「そうさのう・・・酒池肉林の馬鹿騒ぎこそ懐かしく思うが妾を絶対悪と断じて地の果てまで滅ぼさんと追いかけてくるような輩のおる土地なぞ真っ平御免じゃな。」
「・・・人によっちゃこうして元の世界に帰りたくない奴もいるだろ。まあいいか、そのうち行く国にいるかもしれないし。」
そういや転移者はいても転生者はいないのかなーとぼんやり考えているとジェーンが擦り寄ってきた。
「エドガー様、もしお時間があるのでしたら散策は如何でしょうか?」
「うーん、官邸に行くのは明日の午後からとしてもあまり出歩かないほうがいいんじゃないのか?」
この街に入ってからも【探査】は怠らずいるが赤い点は俺が女の子を連れて歩いているの見て嫉妬したような輩くらいで襲撃は特にないので少し安心している。イチャモン付けられてその場で拘束したりはしてきたが。
これまでも姫様案件だけでなく何者かに狙われることは多々あったので拍子抜けするくらいだ。
「私の目には人魚の国の外は何が目に映っても輝いて見えるのです、是非とも見て回りたいのですわ。」
「それは俺とかえでも一緒だな。」
「そうだねぇ、そう言われれば否定はしないよ。」
「しかたない、ちょっとだけだぞ。」
「では我も一緒に行きましょう。魔界では武神とまで呼ばれた者を護衛につければ安全は保証されたようなものです。」
「・・・その心は?」
「我だって地上の街に興味くらいある!恥ずかしいのは結構だがお洒落な服なら見てみたいのだ!」「ならウチもユウスケちゃんに付き合うわぁ。」
「じゃあルヴィンとライラも一緒だな。他には?」
「クロはギュウマと魔石を見に行くぞー。」
「わたくしも同行しましょう。」
「シルバーもいくのか?いいぞー!」
こうして俺とジェーンに着いてくるのはかえでとライラにルヴィン、クロについて行くのはギュウマとシルバーに静かに手を挙げたクララが決まった。
珍しくウシオやアリスはゆっくり過ごすらしい。
「妾はゆっくりアリスと酒でも交わしておるわ。」
「飽きたらクエストに行きましょうね!」
「行かぬわ!今日のウシオ様は休日なのじゃ!」
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バトル回の次は日常回を挟みます。




