第61話 グリフォンはドラゴン化したクロに敵いませんでした
本日二回目の投稿ですー
もっと執筆も頑張らねば。
『いっくぞおおおお!!!』
『KUEEEEEEEEEEEEEEEER!!!』
黒金の装甲の巨竜となり大地を蹴って加速したクロとグリフォンは強烈な体当たりをお互いに放ち会い、大気が揺れたかのような衝撃が俺たちを包んだ。ハーピーの数匹は腰が抜けたのかへたり込む者もいる。
その後は山の岩盤にヒビを入れるほど踏ん張りながら力較べが始まった。元々四本足だったグリフォンもクロと同様に後脚で立ち奇声を上げながら互角に渡り合っている。
もはやお互いの咆哮だけで格下の魔物などは立ってもいられないほどのプレッシャーを感じるだろう、現にハーピークイーンのエモエモは腕を組んでの仁王立ちだが他の者は身を寄せあいながら震えているようだ。勿論俺たち側は全員立ったままクロを応援している。
前にも説明した通り高レベルの魔物は人間同様に魔術や固有のユニークスキルなどを使うことが出来る、それは別に言葉を扱う必要は無い。それぞれの生物としての発声であればいいのだ。
『KUOOOOOO、KSYAAAAAAAAAA!!!』
膂力では不利と悟ったグリフォンはサッとクロから離れるとなにかスキルを発動したように見え、緑色の可視化した風のようなものを身に纏っているように見える。
「ふむ、奴め魔術の風を操っておるようじゃな。ハーピー共よりは頭が回るようだの。」
「でもそんなもん使っても戦闘力が上がる訳でもないだろう?」
「追い風というものじゃ。奴さんはああやって風の魔術と己のスキル、恐らくは風属性にブーストでもかかるようなものを持つのじゃろう。それでああやって緑のオーラのように風魔術を使うと速度から力も上がるようだぞ。」
今度は飛び上がった怪鳥。それを追うようにクロも飛翔し、旋回してぶつかってきたグリフォンを迎撃する。
「ふむ、普段ならば必勝の定石であろうが今回ばかりは悪手じゃな。空も駆けるようになったクロも追い風によって強化されておる。」
普通ならばそこまで翼が大きい訳でもないグリフォンや身体が鋼鉄で出来た竜などが空を飛べる道理はない。
ならジャンボジェットはどうなんだ?と言われそうだがあれは空力や浮力を計算して巨大な機体を飛ばすことに成功した科学の申し子である。
対してこの世界で巨体を持った生物が空を飛べるのは魔力をコントロールし強制的に浮力を操っているためだ。ちなみに人間たちはいくら魔道具などで発展しているからといってもせいぜいが気球で浮く程度、飛行機なんて夢のまた夢であった。
『うぉぉおおおおおお!!!!』
『KSYAAAAAAAAAA!!!!』
しかし明らかに格上の存在であるグリフォンをこいつらが操れるのはなんでだ?白熱する戦いに興奮しているエモエモに到底そんな力があるようには思えないんだが。
「よく見よ悠介、かの魔物の首になにか首輪のようなものが見受けられる。」
「【従属の首輪】って奴か?」
「左様、恐らくは奴かその先代がかのグリフォンを操るために嵌めたのじゃろう。」
「なるほど・・・クロ!そのグリフォンの首輪を壊せば終わりだぞ!」
『えー、終わっちゃつまらないぞー。』
「お腹すいてるんだろ?」
『そうだった、どうりであんまり力が出ないわけだー!』
どうやら全力でもなかったことが判明した。
再びグリフォンと組み合っていたクロは鋭利なしっぽを器用に動かして教わった通りプチッと首輪を壊した。途端に気を失って落下するグリフォンだったがクロの脚にキャッチされてゆっくり地面に下ろされるのであった。
「そんな馬鹿な、あたい達の守り神がこんなあっさり負けるなんて・・・。」
見ればエモエモのやつも膝をついて項垂れている、どうやらこれで一件落着のようだ。
その後起きたハーピー達は山頂に飛び去って行った、魔物とはいえ可愛い顔をした女の子を手にかける趣味は俺には無い。
「ユウスケー、グリフォンはどうするんだ?」とクロは変化を解除してまだ気絶しているグリフォンに乗っている。
そういやかえでは連れてきてないからそのままテイムしたりは出来ないんだったな。【亜空間】にしまって後からテイムしてもらおうか。
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「・・・開いた口が塞がらないとはこの事だな・・・お前さんがあんな化け物とはオレでも見抜けねぇよ。」
クロが変化したあたりから言葉を失っていたギュウマは彼女を肩車しながら歩いている、なんせ今までは出来なかった完全なドラゴンへの変身はクロ自身にかなりのエネルギー消費を要求したのだ。おかげで誰かが運ばなければならない程疲弊しているので仲睦まじい親子のようになっていた。
「えっへへー、アタシ強いからな!」
「じゃあコイツらから聞いたユウスケ達の英雄譚も眉唾ものじゃねぇってことかよ・・・最悪人魚国を相手取るより酷いことになるとこだったな。」
いくら俺たちだって国と戦って勝てるほど強いわけないだろう。もちろん彼女が言っているのは俺たちと戦った時に完全に敵対していた場合を指しているのだが呑気な俺は気づいていなかった。
「なーなー、ドワーフの国の美味いもんってなんだ?」
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