第52話 盗賊じゃなかったんですか?
報連相は大事という話です。
「今日は珍しい酒の相手ができたってもんだ!町へ行くは明日でいい、呑むぞお前ら!」
「「「ヒャッハー!!」」」
こうしてなぜか俺が酒の相手をする羽目になった・・・どうしてこうなった。
ウシオ達は数少ない男の酒をついでいるが無理をしてくる者はいないようで・・・むしろ俺の方がお頭からベタベタされている。
「それにしてもお前は真っ黒な髪もそうだがその黒目もいい。覗き込んだあたいの顔がくっきりするなぁ・・・。」
「はあ、俺の出身地ではザラでしたがね。」
「ってえと東の鬼人族どもの国の方か?あっちのヒューマンはそうらしいが・・・まあいい、おめぇの名前は何てぇんだ?」
「ユーリっていいます、以後よろしゅうに。」
「どうでもいいが・・・おめぇさんコソコソなにやってる?」
「いいえ、、ちとモゾモゾしちまったのはお頭さんがセクシーなもんで。」
「言うじゃないか!オレ様もちと催してきたな、おいおめえら!あとは好きにしな、コイツは借りてくぜ!」
そう言ったが早いか、俺はさっさとお頭にお姫様抱っこされて奥の部屋に連れていかれてしまった。
【昏睡】をさっきから掛けてるってのになんでこのハイオークには効きやしないんだ?
他の連中は・・・お頭の視界から外れた瞬間に強くしてウシオたち以外眠らせたので今頃縛り上げてくれているだろう。
「ん?あやつは確か・・・。」
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「おわっ!?」と、次の瞬間には雑なベッドに俺は投げられていた。
・・・バレた訳では無さそうだが逃げられそうにもない、あんまり女は殺したくないがそうも言ってられないか・・・?
「なあお前さん、商人なんかじゃねぇだろう?」
「えっ?」
「とぼけたってわかるぜ?おめぇからはさっき連れてきた女共以外にもいくつか女の匂いがする。それに最近魔物を斬り殺したろ?」
確かにここに来る途中に襲ってきた羽付きのトカゲをサクッと斬鉄剣の露にしたが、そんなことまでわかるのか?
「いえいえ東方出身のものはある程度自衛くらいできまさぁ、」
「ほら、ボロがでた♪」「えっ。」
「東にオニ共の国なんざねぇよ、あんたいい男だがちとものは知らねぇようだな・・・オレらがこんなナリだから油断したか?一応はこんなヤツら率いる前は城勤めの経験もあるんでね?そういや何かやってたようだがオレ様には魔術は効かない。種族特性で防げる上に弾く魔道具もあるんでな!」
【氷結】!・・・くっ、凍りもしない。
なら、【斬鉄剣】か銃しかないか・・・?
【亜空間】から銃を取り出して構える。
「やめとけやめとけ、見たこともねぇ魔術使うみたいだがオレ様に戦闘で適うと思わねぇほうがいいぞ?この【羅刹】のギュウマ様にゃヒューマンの男なんかじゃあな!!」
「やってみなきゃわからんさ・・・。」
【重力】でこの部屋の重力を十倍にした、これで俺は動けなくなるが向こうとて・・・あれ?なんで余裕そうにしてるんだ?直接魔法の作用はかかってないはずだが・・・。
「デバフかなにか知らねぇがこの程度で動けなくなるんじゃあハイオークなんてやってられないさね!なんだい、動けないのはあんたの方じゃないか!」
スレイプニルの時に感じたが俺には相性の悪い相手ってのはいるもんだ・・・こういう油断しない相手だと尚更だ。
魔法の効きが悪いのも尚更俺に王手をかけてくる。
なら・・・仕方ない。俺は一旦全ての魔法を解除するともう一つの魔法を使った、これはダンジョンコアの智慧から得たモノだ。
【紅蓮】
「魔術なんか聞かないって言ったばかり・・・へ?あんた何やってんだい!?」
「コレは俺自身を紅蓮の炎に変える【魔法】さ。」
「いやいや、なんでこの腕輪で魔術のキャンセルができない!?」
「その腕輪がなにか知らないけど俺のこれは魔法なんでな、魔術防ぎ程度じゃ止められない。」
一応ウシオ達には俺とお頭・・・ギュウマが戦い始めたら避難するように言ってあるからもう坑道内にはいないはずだ・・・!
【紅蓮】は俺への影響はないが周囲をどんどん侵食し灼き尽くす魔法である。まさか個人相手に使う羽目になろうなんて思わなかったが。
ジリジリと周囲の岩は溶け始め、室温はサウナどころの話ではない。
「くっ、わかったやめろ!!部下にまで危害が及ぶならオレ様の負けでいい!!」
「へ?」
「あんたが町の連中にどう吹き込まれたんだか知らないがオレたちが町長共を殺したんじゃない。死体が放置されてたから焼いたのはオレだが。」
何だか話がキナ臭くなってきたぞ?
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「なんだ、あんた【白面】の知り合いかよ!先に言えってんだ。」
「そういうお主はギュウマか、なんだって物取りの真似事なぞしておる。」
急に戦いが止まったのを察知したウシオらが元の姿に戻ってから入ってくると・・・またアンタの知り合いパターンか。
「こやつは獣王国でラーメン屋を商んでおったシバの姉じゃぞ?」
「そうなのか!?あー、確かに言われれば似てるような。」
「シバの奴は戦いよりも食い物が好きだからな・・・成程、ウシオの知り合いならおかしな術を使うのも納得だ。」
「本題いいか?それで、町の連中に俺が騙されたってのはどういうことなんだ?」
「そりゃわかりやすいだろ?アイツらこそ町長と憲兵殺しの真犯人。人魚どもと結託して町の鉱物を向こうの国に売り払おうって腹なのさ。」
「ではお主らは?」
「オレ達はドワーフ国からの依頼でこっちに出張って来た冒険者一行さ、ほれクエストの依頼書もある。」
見せてきたのはギルドからの正式な依頼書だ、ちゃんとギルドの押し印もある。
「町の連中はこっそり密輸で懐を暖めようとしたのを町長達に見つかったんだろ、それで殺して峠道に捨てたんだろうな。オレ達が到着した時には死体が転がってたから焼いて墓穴掘って置くかってところで盗賊扱いさ。仲間を一人置いてきたけど見なかったか?」
「なんか俺たちにしきりに攻撃してこようとしたぞ?」
「・・・なんか薬でも盛られたなそりゃ。」やれやれと頭を振るギュウマ。
「だとしたら危ないのはかえで達か、連絡しよ。」
『プルル・・・もしもし悠介?盗賊退治は上手くいったの?』
『かえで、周りに今誰かいるか?』
『ううん、今は宿屋の自分の部屋だよ。』
「・・・ウシオさんよ、なんだありゃ。」
「スマホと言ってな、こやつの世界の通信機じゃ。」
「てことはあんたと同じ漂流者か?」
『上手く言って全員で坑道の方に向かってくれ、ちょっとややこしい事になってるんだ。』
『了解、じゃ私達もお手伝いで向かうってドルトンさんに伝えて向かうよー。プツッ』
これで良し。
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これで仲間同士で戦うような自体は避けられました、スマホって便利だね!




