第22話 えっ、スマホ使えるんですか!?
第2章スタートですー。
ピピピ・・・ピピピ・・・ピピピ・・・ピピピ・・・
俺はいつもの軽快な電子音で目が覚めた。
昨今は目覚まし時計で起きた覚えは無い。それは当然、スマホに設定したアラームで起きるからだ。
アラームについて聞きたい諸兄などいないだろう、はあ・・・今日の講義はなんだっけな・・・と、のそりと上体を起こした時に勢いよく聞いてくるやつが現れた。
「おおおおーーー!!?ユウスケなんだそれなんだそれーーー!!!ピカピカの板から変な音鳴ってたぞ!」
ソレはもちろん到達点高く、俺の頭と肩に抱きつく形になったクロである。うぉおお頭のてっぺんに柔らかい肉のボールがあああああああああぁ!!
ん?
ん??
「ここって日本じゃないよな・・・?」
「ここは王都だぞユウスケー、寝ぼけてんのか?かおあらいにいくぞー!おはようございマース。」
と、木でも降りるように立ち上がった俺からするすると下がっていくクロ。そうしてドアの外へ駆けていってしまった。
ようやくシャッキリとしてきた、さっさと顔を洗おう。
ふう、やはり朝は何が起ころうと冷たい水で顔を洗い。
【再現】
綺麗なタオルで拭く。これが現代人の朝にあって当然の・・・。
ん?
ようやく完全に目の覚めた俺の目の前には見覚えのある手帳型の頑丈なケースに入った俺のスマホと無意識に作り出してしまったウィトルースでは作り出せないふわふわの白いタオルだった。
「あれ?まさかスマホまで無意識に作り出したのか!?構造なんかまるっきり知らんぞ?」
俺のジョブ、【魔法使い】で創造した魔法の【再現】は一見なんでも作れる夢のような魔法にも思えるが欠点は当然ある。
それは俺がある程度の構造を知らない限り再現することは出来ないということだ。苦もなく作り出せたチーズバーガーやカルビ牛丼は当然食べた事があるものだし、前に一度拳銃を手に入れようとして金が勿体ないから【再現】で創り出そうとしたら出来上がったのはモデルガンにも劣るただの銃の形をした鉄の塊だったのだ。もちろんディティールは覚えていたものの引き金や撃鉄すら動くことは無かったので玩具として宿の息子にあげてしまった。
あるいは魔法の熟練度だろうか、俺が構造をよく知らないようなものでも作り出せると?
ならば・・・【再現】。
すると目の前で光が渦巻いていき、収まったと同時に手に落ちてきたのは一冊の本だった。
今までの俺の力でいくら表紙や頁は作り出せても中に書かれたイラストや文章は俺自身がその本を読んだことがない限りは白紙、ただの本の形のメモ帳になってしまう。果たしてその本には・・・
当然のように中身がびっしりと書いてあった。これはかの縦において立つほど分厚いことで有名なあのライトノベルだ、当然俺は読んだことがない。
しっかりと美しい印刷で最初のカラーページから最後の消印まで余すこと無く物語が彩られていた。
つまり今俺の魔法スキルが進化したことを証明してしまったのだ。なんで?ドラゴンハーフに懐かれたから?
単純に熟練度が上がったのならしっかり教え・・・スマホを開いたらちゃんとお知らせが書いてあった。
『【漂着者】達の強い願いに応えスマートフォンが顕現しました。』
『スマートフォンを入手したためステータス機能の一部がアンロックされました。』
『ウィトルースにおいて二台のみのスマートフォン間であれば無制限の通話及び通信が可能です。充電は常に所有者の魔力から行われ破壊不可能アイテムとなります。』
「それ以外の端末へのアクセスはネットの閲覧と数種のアプリのみ可能です、通話や文字入力などこちらからの発信は不可能です。」
『例外として一部のショッピングサイトへの注文が可能です。ただしオークションサイトなどは使えません。料金はウィトルースの貨幣にて支払われます。スマートフォン使用者の所持金より支払い可能です。』
『【再現】はネットにアクセスしながら使うことで構造を知らずとも使用可能になります。ただし、その場合は支払いが発生致します。』
『【探査】はマップ機能と併合されました。以降地図アプリにはウィトルースのマップが表示されます。』
『仮に当スマートフォンが盗難・忘れる・落とすなどされ、所有者から10メートル離れた時点で手元に戻ります。』
なるほど、昨日ソシャゲのことを考えてから・・・ってことは?
「悠介ーーー!!なんか起きたら枕元にあの日無くなったと思ってたあたしのスマートフォンがあったの!!」
「おお、カエデもその変な板持ってるのか?アタシにもくれ!」
「さすがにこれはダメ!」
「けーちー。」
ん?さっきの説明の通りだと?
『所持金は電子マネーアプリに併合されました、アプリを操作するのみで出金入金が可能となります。』
『本日使用されたのは新品の吸水タオル(白)とライトノベル〇〇〇〇の〇〇〇〇〇それぞれ一つ分の値段が支払い済みです。』
マジかよ・・・読む気にもならないぞそんな辞書みたいな厚さの本。
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そして変わらずのご愛顧を願います。




