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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
天下統一編
87/178

87話 茶々の名案

俺は高遠に帰還すると、戦の準備を整えた。

大量の火薬や鉄砲が、城内に運ばれる。

「次は、どこの城を攻められるのですか?」

茶々が聞いてきた。

「根城っていう変な名前の城だよ。平山城と言って、平野にある山に建つ城だよ。」

俺は茶々に説明した。

「大将は?」

「もちろん俺。」

「・・・そうですか。私に任せて頂ければよろしいのに。」

「う~ん。全部任せる事はできないけど、副大将なら許可するよ。」

「分かりました。副大将として、奮闘します。」

茶々も遂に戦に出るのか。

「どれほどの兵を連れて出陣をするのですか?」

「6万人かな?兵が多いと安心だし。」

「・・・御言葉ですが、そのような大軍は必要無いと思います。」

「え、何で?」

「私が南部の領地に放った忍者によると、根城は2千人ほどの兵しかおりません。それなのに6万もの兵を用意したら、兵糧の無駄遣いです。それに、根城の兵たちは、ほとんどが農兵で、大滝家の足軽には到底及ばない物と断定できます。」

茶々、見事だ。

予め忍者を放っておくとはあっぱれ。

「分かった。1万人ほどにしておこう。茶々には、約4千の兵を与えよう。存分に暴れていいぞ。ただ、命令には背くなよ。」

「はい、心得ております。」

茶々は頷いた。

「兵が集まり次第、出陣だ。それまで、蘭丸や政宗と稽古をして腕を磨け。」

「はい、分かりました。」

茶々は江のようにはならないだろう。

多分だけど・・・


 ◆◆◆◆ ◆◆◆◆ 10日後 ◆◆◆◆ ◆◆◆◆


「出陣!!」

俺は1万の兵を、俺と茶々の部隊に分けて出陣した。

正午には群馬県、いや、上野国こうづけのくにの国境を越えていた。

俺は遠くに、宿を見つけた。

「今日はあそこに泊まろう。」

俺は茶々に言う。

「かしこまりました。」

茶々は頷いた。

俺たちが泊まる宿は、なかなか大きくて、1万人の兵もすっぽり納まった。

ゲームもテレビも無いので、ひたすら酒を飲んでいた。

「そう言えば、勝は大丈夫かな?」

「側室たちに勝を頼むと言いましたので、大丈夫です。」

「そっか。」

俺は酒を飲み干し、茶々と作戦会議を始めた。

兵の数では俺たちの方が断然上だけど、そうやって油断していたら江のようになってしまう。

「良い案を思い付きました。まず、私が最初に根城の近くに布陣します。そして、陣中で宴会を開くのです。根城の者たちは農兵がほとんど。団結力に欠けているはずです。きっと、私たちの挑発に乗ってくれるでしょう。そして、城が留守になった間に東様が根城に入城するのです。農兵たちは慌てて城に戻るでしょうから、そこで東様が敵を殲滅なさってください。」

「分かった。」

茶々、俺の軍師になっておくれ。

「名案だ、茶々。褒美として何かやろう。」

「・・・私に次女ができたら、次女を帝の養女にしたいのです。」

茶々が結構とんでもない事を言った。

「まあ、帝が許したらな。」

俺はそう答えるしか無かった。


数年後、俺の次女は帝の養女となり、公家に嫁いだ。

その事により、俺の朝廷での発言力はナンバー2となった。

ただ、今の俺は知るはずも無かった。

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